2018年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 平和, 人権, 減災・防災, 世界遺産・地域の文化財等

本校の学校教育目標は「支え合う集団の中で、自分を向上させようとする生徒の育成」である。小学校から取り組んできたESDの学びを生かしながら、地域の特徴やすばらしさを再確認し、生徒が見方や考え方を広げていけるように、以下の3つのプロジェクトを中心として活動に取組んだ。

①地域学習プロジェクト

②平和学習プロジェクト

③人権学習プロジェクト

本校は生徒数が少なく、学校全体が一つになって取り組むことができる。また、地域の方からの理解や協力も得やすく、上級生・下級生の仲も良い。反面、「自分で考え、判断する力」が乏しいことが課題として挙げられる。ESDに関わる本プロジェクトを通して、主体的に物事を考え行動できる生徒を育成したいと考えた。

①地域学習プロジェクト

4月は各学年ともに校外研修に向け、自然・文化・歴史を中心に地域調べをし、学年発表会を行った。第1学年は5月に閑谷研修で、豊かな自然に触れ、環境について考えを深めることができた。また、6月~7月にかけて「上南の農・漁・歴史」というテーマで地域の方々からお話を伺い、自分たちの郷土について詳しく知ると同時に、自分たちの地域をより住みやすくするためにはどうすればよいか意見をまとめ、9月の文化祭で提案することができた。第2学年は、広島の特産品や方言、観光地などについて調べた。班別自主研修で班ごとに立てた計画をもとに名所や食文化に触れることができた。3学年では、九州修学旅行を通して九州の文化に触れた。九州の自然や食文化に触れる体験をしたり、市内観光を行ったりしたほか、松浦での民泊を通してそれぞれの家庭で地元岡山の文化を伝えながら、岡山とは違う文化を体験することができた。事後学習として学年ごとに新聞を作成し、9月に行われた文化祭で展示およびパワーポイントを使って発表を行った。

②平和学習プロジェクト

 主に第2・3学年を中心に取り組んだ。第2学年では、広島研修の事前学習として第二次世界大戦についての学習を行った。実際に広島の地で市内に残る戦跡や資料館を見て回り、現地ボランティアの方々から話をうかがう中で、戦争の悲惨さについて知り、平和の尊さを考えるきっかけとなった。また9月の文化祭で戦争と平和をテーマとした劇を上演し、自分たちの学びを他学年や保護者に伝えた。

第3学年では長崎で平和集会を行い、平和の尊さを改めて考えることができた。2年時より平和学習に取り組んできたが、広島と長崎の原爆を比較したり、岡山空襲と被害の違いを比較したりし、平和学習のまとめをした。

③人権学習プロジェクト

主に第1学年を中心に行った。中学校に入学し、新しい仲間が増えると同時に互いにすれ違い、認め合えない場面も見られることがある。そこで、道徳や学活の時間も含めて思いやりの人権学習を行った。また、地域学習プロジェクトを行った時に、学区にはお年寄りが多く住むことを知ったので、高齢者疑似体験や車いす体験をし、障害を持った方だけでなくお年寄りの目線からとらえた、住みやすい町づくりについて考えを深めることができた。

来年度の活動計画

 今年度までの流れを踏襲しながらも、在籍する生徒の実態に沿って、改善できる点を改善し、新しい取組にも挑戦していきたいと考えている。「地域プロジェクト」「平和プロジェクト」「人権プロジェクト」という3つの柱についてはそのまま継続させ、本校生徒がESDで取り組んでいることをもっと多くの人々に伝えていく活動を入れていきたい。例えば、ESDの公民館のイベントなどに参加したり、地域の行事に参加したりしたことを、学年便りやホームページで公開し、上南中学校の取組を積極的に紹介するなどが考えられる。また、将来的にはユネスコスクールのネットワークを活用した交流についても、前向きに検討したい。