2018年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, エネルギー, 環境, 福祉, 持続可能な生産と消費, 健康, 食育

① 中学総合学習「森の時間」の活動

「地域のフィールドワーク ~市長への手紙~そしてナイトウォークへ」

1年次には、地域の山々、その山を切り開いて出来た工業団地、地域の神社(朝鮮半島からの渡来人を祀った『高麗神社』)などをすべて自分達の足で歩き、また学園に隣接した人工林で間伐体験も行った。その中で「日本の林業の存続」「日本の文化と渡来人との関係」「現代における日本と朝鮮半島の関係修復」「自然環境と工業地帯の共生の難しさ」などの問題に出会った。学年末には、地域の魅力とそれを発信する提案、市政に関する提案などを「飯能市長への手紙」として書き、実際に市長に手渡すところまで実現した。

 2年次には、江戸時代に木材を筏で流した川沿いを学校をスタートして上流に向かって歩く6時間のナイトウォークを行った。これは筏で下った職人が帰りに実際に歩いた道のりの追体験でもあり、夜間に歩くことで蛍や鹿など、山間地域ならではの野生生物に出会える体験でもある。

http://jiyunomori-nikki.blogspot.com/2018/07/blog-post_8.html

② 高校での選択授業の活動

小岩井生態学(理科)

林業講座(総合)

環境学(公民科)

飯能地域研究(公民科)

福祉の現場へ(公民)
 
③ 学内食堂の活動

パンは小麦粉を捏ねて食堂内で焼くほど、すべての食事を徹底して手作りしている。減農薬の野菜、抗生物質を使用しない食肉の使用、地域の食材の使用にもこだわり、また生ごみは敷地内のコンポテストで完全処理している。これらの活動やなぜここまでこだわるのかを生徒や保護者に知ってもらうため、学内で2ヶ月に1回、食堂のスタッフによる特別講座を行っている。レシピの公開や実際の調理の体験も含めた講座で、毎回多くの参加者があった。

来年度の活動計画

中学においては、ESDの活動を始めてから入学した最初の1年生が3年生になることもあり、これまでも中学3年に行ってきた「沖縄修学旅行」に、環境を見つめる視点を加えたい。具体的には、観光ガイドに載っているような観光施設やビーチが本来の沖縄の自然なのか、これに疑問を持ち、観光ガイドにはない沖縄独特の亜熱帯の自然を歩かせたい。高校の選択授業については、今までは別々に行ってきたそれぞれの講座の活動報告を、ESDという枠組みで一堂に会して行ってみたい。そのことで、異なる講座で行ってきた活動の関連性が見られたり、生徒の興味関心が他の分野にも広がることになると考える。また、このような活動報告を地域の方に観てもらう機会を作りたい。地域で学んだことは地域に還元すべきであり、学校は生徒にとってだけでなく地域にとっての教育機関であるべきである。
市内の施設での出張展示を行うか、学校に地域の方を招待しての報告会を行いたい。
上と同様に、食堂が行ってきた特別講座を地域の方も対象としたい。また、コンポテストで処理した生ごみの肥料を地域の農家の方に提供することも考えている。
学校全体としても「地域との結びつき」が来年度の大きなテーマであると考える。