2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 世界遺産・地域の文化財等, 福祉, 持続可能な生産と消費

本校は「善く生きる子」を学校教育目標としてかかげ、ESDをカリキュラム・マネジメントの柱として教育活動を進めている。本校のESDのテーマは、「ふるさと甚目寺 かかわる つたえる つながる」である。本校では、1年生「学校周辺や幼稚園・保育園との交流」、2年生「地域の商店街や施設との交流」、3年生「地域の福祉」、4年生「地域の自然環境」、5年生「地域の産業」、6年生「地域の文化遺産」とそれぞれ学年の活動テーマを設定している。2020年度は、新型コロナ感染拡大に伴い、人とかかわる活動を自粛せざるを得ない状況であり、学年によっては、テーマに沿った活動を十分に行えない部分が多くあった。

 

① 福祉に関わる学習

「福祉実践教室」を3年生を対象に行った。講師として市内の福祉協議会の方を迎えた。手話・点字・車椅子・高齢者疑似体験の4つのコースに分かれて学習を進めた。障害のある人に寄り添い、互いに支え合い、すべての人が安心して生活することの大切さを学ぶよい機会となった。

 

② 地域の文化に関わる学習

あま市は、近代七宝焼の祖である尾張七宝焼を擁する地区(あま市七宝町)がある。市内にある尾張七宝焼に関する総合施設「七宝焼アートヴィレッジ」より講師を迎え、4年生を対象に「七宝焼き体験」の出前授業を行った。あらかじめ考えたデザインをもとに、釉薬をのせ、電気窯で焼き、自分オリジナルの七宝焼きのキーホルダーを作った。地元の伝統工芸の素晴らしさを感じるとともに、後継者不足という深刻な問題を抱えている事実を知り、伝統工芸を絶やさないためにはどうすればよいかについて考える機会となった。

 

③ 持続可能な生産と消費に関わる学習

5年生では、地域の農家の方を講師として地域の特産野菜である「小松菜」「方領大根」の栽培を行っている。特に甚目寺地区が原産である「方領大根」は、現在の大根の祖先と言える品種で、味もたいへんよい品種ある。しかし、品種改良による生産性の高い品種への交代や市場性の変化から現在では生産する農家が減ってきている。伝統野菜を育てることを通し、栽培する方の思いを知り、地域に伝統野菜のよさを伝え、地産地消を進めていくことが大切だと考えることができた。

 

④ 甚目寺小学校ESDのまとめの活動

本年度より、6年生でESDの論文集を作成した。1年生からの本校のESDの取組を振り返り、現在のあま市や甚目寺地区の現状を見つめ、持続可能な社会にしていくために自分たちがどのようなことができるかについて一人一人が文にした。

 

 

来年度の活動計画

本年度は、コロナ禍ということで、人とかかわる活動を自粛せざるを得ない状況であり、各学年のテーマに沿った活動を十分に行うことができなかった。地域とのかかわりが途切れぬよう、対面での活動が難しい場合の活動の進め方も考えていきたい。

本年度は、ESDカレンダー通りの活動を進めることが難しかったので、引き続き各教科の単元を確認し、ESDカレンダーの見直しを図っていく。

また、ESDで育みたい態度・能力についても、教科の特性を考えた上で、どの態度・能力を育んでいくかを示し、SDGsとの関連も考えさせた上で各教科の授業も進めていきたい。