2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 世界遺産・地域の文化財等, 人権, 福祉, 持続可能な生産と消費

本校は「善く生きる子」を学校教育目標としてかかげ、人権を研究の柱とし、地域学習「ふるさと甚目寺」に取り組んでいる。本年度は、『人とのかかわりを大切にし、進んで活動できる児童の育成 -ESDの視点に立って教育活動「ふるさと甚目寺 かかわる つたえる つながる」を通して-』として活動に取り組んでいる。

本校では、1年生「学校周辺や幼稚園・保育園との交流」、2年生「地域の商店街や施設との交流」、3年生「地域の福祉」、4年生「地域の自然環境」、5年生「地域の産業」、6年生「地域の文化遺産」とそれぞれテーマを設定している。また、授業の指導案にも、単元を通してはぐくみたい、ESDの態度や能力を明記させ、それらを育むための活動を授業に取り入れている。

① 福祉に関わる学習(3年生)

  3年生では、社会科で地域について学習する。公共施設の見学や町の探検を通して、甚目寺にあるたくさんの優しい工夫に気付いたことをきっかけに、総合学習では、みんなの幸せ「福祉」について考えてきた。「みんな」の中には、子どもたちにとって身近な家族や友達だけではなく、普段関わる機会の少ないお年寄りや体の不自由な人などもいる、そこで、福祉実践教室や老人福祉施設への訪問など体験学習を取り入れながら、立場の違う人の考え方や接し方を知り、考えを深めてきた。

② 環境に関わる学習(4年生)

  4年生では、社会科でごみや水など、環境に関連する学習をする。それらの内容をきっかけに身近な環境問題に目を向けさせ活動を進めてきた。学校の近くにあるゴミ処理場を見学したり、水道局の方を講師に迎えて出前授業を行い、身近に起きている環境問題を自分事として捉えることができていた。

③ 持続可能な生産と消費に関わる学習(5年生)

  5年生では、地域の産業を教材として伝統工業を脈々と受けついでいる方々、地域の商店街で活躍されている方々、高い技術力をもった工場で働いている方々など、地域の方に協力いただいて学習を進めている。刷毛組合の方や地域の伝統野菜である方領だいこんや

小松菜の生産者の方による出前授業や、地域の商店街や工場での取材活動を通し、甚目寺地区の産業のあり方について考えを深めることができていた。また、2月には校内で栽培した方領大根や小松菜などを甚目寺観音の朝市に出し、地域の伝統野菜について情報発信を行っていく。

④ 世界遺産・地域の文化財に関わる学習(6年生)

  6年生では、あま市甚目寺地区の歴史・文化を教材としてESD活動に取り組んでいる。甚目寺小学校の隣には、尾張四観音の一つである甚目寺観音(鳳凰山甚目寺)がある。毎年の節分会には、6年生が参加し豆まきをしているが、その歴史をふり返り、地元への愛着心や誇りを育むことができていると考える。

⑤ 人権に関わる学習(6年生)

  人権に関わる学習については、ハンセン病と向き合い、その治療に全力を注いだ郷土の偉人小笠原登博士について学習をしている。ハンセン病かん者の置かれていた状況や小笠原博士の功績について学び、人の尊厳や小笠原博士の勇気について考えを深めた。

来年度の活動計画

次年度より新しい学習指導要領となる。各教科の単元を確認し、ESDカレンダーの見直しを図っていく。また、ESDで育みたい態度・能力についても、教科の特性を考えた上で、どの教科でどの態度・能力を育んでいくか考えていく。また、6年生の最後に、本校で学んだESDについて感想やESDで学んだことを今後どのように自分の生活に関わらせていくかなどを書かせたESD卒業論文の作成をすすめていきたいと考えている。