2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

減災・防災, 環境, 持続可能な生産と消費

2021年度 ユネスコスクール活動報告書

本校は「善く生きる子」を学校教育目標として掲げ、ESDをカリキュラム・マネジメントの柱として教育活動を進めている。本校のESDのテーマは、「ふるさと甚目寺 かかわる つたえる つながる」である。その大きなテーマを礎として、1年生「学校周辺や幼稚園・保育園との交流」、2年生「地域の商店街や施設との交流」、3年生「地域の防災」、4年生「地域の自然環境」、5年生「地域の産業」、6年生「地域の文化遺産」とそれぞれ学年の活動テーマを設定した。また、以前から取り入れていたSDGsとの関連をはっきりと示し、その視点をもたせて活動に取り組ませることを目標とした。ところが、2021年度も新型コロナ感染症の影響により、人とかかわる活動を自粛せざるを得ない状況にあり、学年によっては、テーマに沿った活動を十分に行えなかったり、テーマの範囲内で活動内容を大幅に変更したりした部分が多くあった。

 

① 防災に関わる学習

市の安全・安心課と連絡をとり、ボランティア団体「防災ネット」の方々を迎え、3年生を対象として出前授業を行った。災害が起こった際、どのように避難すべきか、避難するときにどうしたらよいかを教わった。新聞紙でスリッパを作ったり、毛布が担架の代わりになったりすることや、段ボールでベッドを作ることができることを学んだ。身近なものを用いて、自分や周りの人の身を守ることができるということを知るよい機会となった。

② 地域の文化に関わる学習

あま市は、近代七宝焼の祖である尾張七宝焼を擁する地区(あま市七宝町)がある。市内にある尾張七宝焼に関する総合施設「七宝焼アートヴィレッジ」より講師を迎え、4年生を対象に「七宝焼き体験」の出前授業を行った。あらかじめ考えたデザインをもとに、釉薬をのせ、電気窯で焼き、自分オリジナルの七宝焼きのキーホルダーを作った。地元の伝統工芸の素晴らしさを感じるとともに、後継者不足という深刻な問題を抱えている事実を知り、伝統工芸を絶やさないためにはどうすればよいかについて考える機会となった。

 

③ 持続可能な生産と消費に関わる学習

5年生では、地域の産業について調べるため、夏に取材活動を行う予定であったが、新型コロナ感染症拡大防止のあおりを受け、中止にせざるを得なかった。訪問はできなかったが、地元の特産野菜である「小松菜」「方領大根」や、甚目寺地区に昔からある商店などについて調べた。また、『SDGsライフキャリアBOOK』を活用し、SDGsと関連させるようにした。日本が抱えるさまざまな課題の中から産業に関連したものについて調べさせ、甚目寺の産業につなげていった。甚目寺の農家が減少していることに気付いたり、地元の伝統工業である刷毛づくりに関心をもったりすることができた。

 

④ 甚目寺小学校ESDのまとめの活動

昨年度より、6年生でESDの論文集を作成している。1年生からの本校のESDの取組を振り返り、現在のあま市や甚目寺地区の現状を見つめ、持続可能な社会にしていくために自分たちがどのようなことができるかについて一人一人が考え、文章にまとめた。

来年度の活動計画

来年度の活動計画

本年度も、昨年度に引き続き、コロナ禍という状況により、人とかかわる活動を自粛せざるを得ない現状があり、各学年のテーマに沿った活動を十分に行うことができなかった。ウィズコロナの時代にあっても、地域とのかかわりが途切れぬよう、対面での活動が難しい場合の活動の進め方も考えていきたい。

本年度は、ESDカレンダー通りの活動を進めることが難しかったので、引き続き各教科の単元を確認し、アフターコロナの時代も見据えながらESDカレンダーの見直しを図っていく。

また、ESDで育みたい態度・能力についても、教科の特性を考えた上で、どの態度・能力を育んでいくかを示し、SDGsとの関連も考えさせた上で各教科の授業も進めていきたい。