2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 持続可能な生産と消費, ジオパーク

本校は「広く伊豆全域をフィールドととらえ、体験的・実践的な学習を通して、地域社会の産業・文化・歴史を理解し、地域社会の発展に貢献できる人材を育成する」ことをテーマとし、ESDをその理念を実現する場と捉え、地域社会や自然環境との関係性を認識し、関わりやつながりを尊重できる個人を育むことを目指して活動した。

具体的には、地域社会、環境・持続可能な生産と消費、ジオパークを柱に、➀地域社会に係わる活動、➁環境・持続可能な生産と消費に係わる活動、➂ジオパークに係わる学習を行った。

➀地域社会に係わる学習【地域企業PR企画・修善寺大掃除・地域課題解決企画】
・総合学科2年次生が「総合的な探究の時間」で地域企業21社を訪問し、訪問で得られた成果を1冊の冊子にまとめる「地域企業PR企画」を実施した。例年行っているインターンシップが、コロナウイルス感染状況の拡大により実施を見送ることとなった。本企画はその代替として行ったものだが、生徒の職業観育成と地域理解、地域企業PRによる地域活性化など、幅広い分野で教育効果を得ることができた。
・今年度も毎月1回、修善寺駅周辺の美化・ゴミ拾い活動を実施することを計画した。コロナ禍により、実施回数は少なかったが、無事に100回目を迎えることができた。地域の法人会や老人会の方にも参加していただき、よい交流の場となっている。
・総合学科1年次生が「産業社会と人間」の授業において、地域の活性化をテーマとした探究学習に取り組んだ。

➁環境・持続可能な生産と消費に係わる活動【授業や部活動での取り組み】
・総合学科3年次生が「総合的な学習の時間」で、新生活様式に基づく持続可能な社会をテーマにグループで探究学習を行った。テーマの広さから調べ学習に終始し、探究を深めるには至らないグループも多かったが、コロナ時代の生き方在り方を考えるうえで有益な活動となった。
・本校の懸案であったSDGsの理解やそれへの取り組みについては、SDGsの社会的認知度が上がったことの後押しを受け、総合学科2年次生・3年次生の「総合的な探究(学習)の時間」において、十分な時間を取って行うことができた。特に3年次生は、得た知識や問題意識をもとに啓発動画を作成したことで自らの行動の変容も生じた。
・「商品開発」の授業では、害獣として駆除されるイズシカの捨てられてしまう部分である鹿革に着目し、鹿革を用いた商品の開発活動を行った。商品化には至っていないが、生徒考案の刻印なども完成し、製品のブラッシュアップを図っている。
・郷土の地場産品を利用した給食献立を考案することで、地場産物への関心を高め、愛郷心を育てることを目的とした学習を行った。コンテスト入賞作品は、地元小中学校の給食として提供され、学校給食への地場産物の導入促進につながった。

➂ジオパークに係わる学習【「総合的な探究の時間」を中心としたジオパーク学習活動】
・例年行っている伊豆半島ジオツアーを実施することができなかった。今年度は静岡大学小山真人教授に講演をいただき、ジオサイトを観光活動に活かして地域を活性化させる活動や、地域の人々に地域の素晴らしさを知ってもらう活動を企画する学習を行なった。

来年度の活動計画

これまでの活動を継続しつつ、地域と連携した活動を強めていく予定である。今年度も伊豆市役所や商工会議所、法人会、ロータリークラブなど様々な団体の支援を受けることができた。得られたつながりを大事にし、生徒の成長に資する教育活動を展開していきたい。
本校の所在する伊豆市は東京オリンピック・パラリンピックで自転車競技の会場となる。開催が不透明な状況ではあるが、オリンピック・パラリンピック後の伊豆地域のあり方を探究テーマの一つとして、生徒が主体的に社会に関わる活動ができるよう計画を進めていきたい。
今年度はコロナ禍により、年度当初に予定していたオリンピック・パラリンピック教育、ジオツアー、インターンシップ、地域イベントへの参加などがことごとく中止を余儀なくされた。その反面、SDGsへの取り組みなど新しい学習内容に対しても生徒は良好な反応を示している。引き出しが増えたことを奇貨として、生徒の生き方在り方に資するような活動を提供していきたい。