2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

減災・防災, 環境, 持続可能な生産と消費, その他の関連分野

本校は「広く伊豆全域をフィールドととらえ、体験的・実践的な学習を通して、地域社会の産業・文化・歴史を理解し、地域社会の発展に貢献できる人材を育成する」ことをテーマとし、ESDをその理念を実現する場と捉え、地域社会や自然環境との関係性を認識し、関わりやつながりを尊重できる個人を育むことを目指し活動した。

具体的には、地域社会、環境・持続可能な生産と消費、ジオパークを柱に、①地域社会に係わる活動、②環境・持続可能な生産と消費に係わる活動、③ジオパークに係わる学習を行った。

① 地域社会に係わる学習【オリンピック・パラリンピック教育・修善寺大掃除・授業での取り組み】

○総合学科3年次生が「総合的な学習の時間」において、「オリンピックが来る伊豆市について高校生の目線で考えてみよう」というテーマのもと、探究学習に取り組んだ。また、パラリンピック種目の車いすテニス日本代表である堂森佳南子氏をお招きし「チャレンジする勇気~高校生に伝えたいこと~」を演題とした講演をいただいた。

○今年度も毎月1回、修善寺駅周辺の美化・ゴミ拾い活動を実施し、通算回数は今年度中に100回目を迎える。地域の老人会の方にも参加していただき、交流の場となっている。

○総合学科1年次生が「産業社会と人間」の授業において、地域の防災・減災をテーマとした探究学習に取り組んだ。

○修善寺駅南口を活性化させる方策を検討すべく、空き店舗調査などのフィールドワークを行った。昨年度の活動を継続し、伊豆市役所や()ランドブレインの協力を得て空き店舗のシャッターアート作成に向けて活動を行った。

② 環境・持続可能な生産と消費に係わる活動【授業や部活動での取り組み】

○伊豆市では深刻な食害の対策として年間2,500頭以上のシカやイノシシを捕獲している。いただいた命に感謝しながらイズシカを食べることで環境保全に繋げたい、というコンセプトの下、イズシカ肉を使った様々なメニューを考案した。第8回「ご当地!絶品うまいもん甲子園」では一次選考・東海北陸エリア大会を通過し、全国決勝大会に進出し、準優勝となる水産庁長官賞をいただいた。

○「商品開発」の授業では、イズシカの捨てられてしまう部分である鹿革に着目し、鹿革を用いた商品の開発活動を行った。商品化には至っていないが、各種イベントに出品し、製品のブラッシュアップを図っている。

○ 郷土の地場産品を利用した給食献立を考案することで、地場産物への関心を高め、愛郷心を育てることを目的とした学習を行った。コンテスト入賞作品は、地元小中学校の給食として提供され、学校給食への地場産物の導入促進につながった。

③ ジオパークに係わる学習【「総合的な学習の時間」を中心としたジオパーク学習活動】

○2年生でジオツアーを実施した。伊豆半島の3か所のジオサイトを訪れ、その風景の成り立ちや意味を理解した。またジオツアー実施後は、総合学科2年次生の「総合的な学習の時間」において、ジオサイトを観光活動に活かして地域を活性化させる活動や、地域の人々に地域の素晴らしさを知ってもらう活動を企画する学習を行なった。

来年度の活動計画

これまでの活動を継続しつつ、地域と連携した活動を強めていく予定である。今年度の活動の過程で伊豆市役所や商工会議所、法人会、ロータリークラブなど様々な団体とのつながりが深まった。得られたつながりを大事にし、生徒の成長に資する教育活動を展開していきたい。また、本校の所在する伊豆市は2020年の東京オリンピック・パラリンピックで自転車競技の会場となる。オリンピック・パラリンピックに向けて、授業や生徒会活動を通して生徒が主体的に取り組むことができるよう計画を進めていきたい。

本校の現状はSDGsの周知やそれへの取り組みが十分であるとは言えない状況である。今年度3学期は、総合学科2年次生の「総合的な学習の時間」において、SDGsを題材とした探究学習を行う予定である。また工業科でもものづくりの視点からSDGsに類する学習が行われているため、それぞれの良さを生かした連携活動を進めていきたい。