2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

減災・防災, 環境, 文化多様性, 国際理解, 平和, 人権, 福祉


本校は,外国籍児童が全校児童の2割以上在籍している。児童は,多国籍・多文化の中で学校生活を送っており,グローバル化の波が大きく押し寄せている。EDSを「持続可能な社会づくりの担い手を育む教育」と捉え,ESDの実践を通して,「思いやりの心や異なることを素直に認め尊重する心,自主・自立の心の育成」を重点努力目標とした。
具体的には,国際理解を柱に,①外国の文化を理解する活動,②地域に伝わる日本文化に触れる活動,③地域とともに行う活動を行った。
①外国の文化を理解する活動
  国際交流委員会の5,6年生児童が,全校集会で外国のじゃんけんや遊びを紹介したり,英語やポルトガル語やタガログ語のあいさつの仕方を教えたり,ALTや外国人相談員の紹介をしたりした。さらに,学校でよく使うポルトガル語やタガログ語を調べ,冊子を作る活動を進めた。冊子ができあがれば,外国から編入してきた児童も使うことができ,自らも外国籍の友達とすぐに話ができるので,完成するのを楽しみにしている。みんなが楽しみながら外国の文化に触れるような企画を考え,運営することができた。
4年生の「総合的な学習の時間」では,外国の文化を理解する活動として,校区内でブラジルやフィリピンの店を見つけたり,売っているものを調べたりして,外国の暮らしや食べ物について興味をもつことができた。さらに,日本との違いを意識しながら学習を進めていくうちに,児童は日本と外国との文化の違いや共通点に気づき,「国によって生活の仕方が違うけれど,仲よく暮らしていきたい」という気持ちをもつことができた。
②地域に伝わる日本文化に触れる活動
  地域ぐるみで多文化共生への取り組みをする一貫として,1年生は「日本の遊びを楽しもう」と題して,老人会のボランティアの方から昔の遊びを教わった。老人会の方々との交流を深めながら,日本の伝統的な遊びについて再認識し,日本の伝統のよさを大切にする心を育むことができた。
③地域とともに行う活動
 5月31日に,「クリーン大活動」と題して,児童と地域が一体となって校区の公園の清掃活動を行った。地域の方々と触れ合うことができ,「いつまでもきれいな岩田のままでいてほしい」と地域への愛着を深めることができた。
 9月8日には,地域から学ぶ活動としてPTAが主体となり,「岩田フェスタ」を開催した。保護者が作った外国の料理の販売を通して,互いの理解と親交を深めることができた。その後,校区防災訓練を行い,国籍を問わず,命を守るための行動について確認することができた。
 12月1日には,「岩田どんどこまつり」という行事を,PTA・地域とともに開催した。PTAの方々をはじめ,地域の各種団体が職業体験やものづくり,紙飛行機飛ばしやスポーツおにごっこ等の講座を企画してくださり,児童は,地域の人たちとの交流を図るとともに,さまざまな体験をすることができた。多くの講座を体験する中で,文化や伝統を大切にする心を育てることができた。また,大勢の人がかかわっていることに気づき,感謝の心をもつことができた。午後は,学年ごと防災に係る授業を実施し,防災倉庫や非常用トイレを見学するなど防災意識を高めることができた。

来年度の活動計画

 多様性を理解し,国際理解を深めていきたい。さらに,地域とともに,地域から学ぶ持続可能な開発のための教育実践を行いたい。
○異文化を理解し,外国との共生を目ざす活動
 ・英語やポルトガル語,タガログ語での簡単な挨拶や会話を学ぶ。
 ・外国料理を作る活動を通して,外国の食文化を理解する。
 ・書き損じはがきを集め,フィリピンの児童に文房具を贈ることで,共生を学ぶ。
○日本の伝統的な遊びを継承する活動
 ・老人会や地域の方と触れ合い,昔の遊びを体験することで,伝統的な遊びを継承しようとする。
○地域とともに行う活動
 ・清掃活動や行事等を通して,地域の方と触れ合い,地域に誇りと愛着をもつ。