2020年度活動報告

本年度の活動内容

本校では，これまで未来の犬山を担う子どもたちを，持続可能な社会をつくる一員として育成するために，総合的な学習の時間を「郷土犬山の未来を見つめよう　～地域の自然・人・文化～」と設定した。地域に密着した学習を系統的に行うとともに，持続可能な発展のための教育（ESD）を推進することを通して，「人間性豊かな犬山の子の育成」を目標としてきた。具体的には，ESDを推進するために，これまでの教育課程を見つめ直し，生活科と総合的な学習の時間と各教科を関連させたESDカレンダーを作成し，実践を行ってきた。このESDカレンダーに①地域の自然や生き物と親しむ活動②地域の伝統文化や環境とつながる活動③歴史，人，社会とつながる活動④平和な社会づくりや未来像を予測する学習を行い，実践をすすめることで，郷土犬山を愛し，誇りに思う気持ちや地域のために自分ができることを行おうとする気持ちを育んできた。

① 　地域の自然や生き物と親しむ活動（第４学年）

社会科の「住みよいくらし」の学習から環境保護や農業用などの利水や災害防止のための治水に取り組んできたことを学習した。犬山市における上下水道の利活用と木曽川との関係について関心を深め，総合的な学習の時間を中心に，環境保全を積極的に進めるために自分にできることを考え,実践してきた。

② 　地域の伝統文化や環境とつながる活動（第３学年）

社会科の地域探検を通して犬山の伝統や文化，施設などを知る活動を行い，地域をよりよく知り，地域を大切に思う気持ちを育ててきた。道徳では，郷土愛を主題とした題材を取り上げ，地域を大切にしようとする心情を高めてきた。また，国語では調べたことをまとめたり，自分の感じたことや考えたことを分かりやすく伝えたりする方法を学び，校内発表を行うことができた。

③ 　歴史，人，社会とつながる活動（第５学年）

総合的な学習の時間で福祉について学び，探究を進め，障がいをもつ人々が，障がいを乗り越え自立して生活している姿から，すべての人に住みよいくらしとは何かを考え，自分にできることは何か話し合った。道徳では公共心や思いやりの心を，理科では生命のつながりの学習を通して，生命尊重を学んできた。また，国語では自分の考えを分かりやすく伝えるための工夫を学習した。

④ 　平和な社会づくりや未来像を予測する学習（第６学年）

社会科の歴史学習で，犬山市の歴史や文化遺産について学習した。また,平和学習を国語や総合的な学習の時間の中で行った。犬山市は外国人の観光客も多く,多様な文化や価値観をもつ人々を互いに認め合い，尊重し合うことの大切さを犬山市の現状から学習することができた。外国の文化を理解し,未来に向けて郷土犬山をどのように維持発展させていくか，平和な社会を守るためにできることは何かを考え，話し合うことができた。

来年度の活動計画

１　ESDカレンダーを作成する。

教科，特別活動，道徳，総合的な学習の時間を活用し，地域の自然や生き物と親しみ，地域の人とふれあい，地域の歴史，文化に触れることのできる活動を行う。その中で，①未来像を予測して計画を立てる，②さまざまな立場に立って考える，③コミュニケーション能力を高める「３つの力」を育てる。

２　道徳教育の充実を図り，実践力のある子どもを育てる。

①計画的に行動する態度，②つながりを尊重する態度，③進んで参加する態度のつけたい「３つの態度」を身につけられるように，道徳の時間を大切にする。

３　地域に愛され，地域ともに歩む実行力のある子どもを育てる。

校区の方々や保護者には，地域ボランティアとして，専門的な知識や技能を生かしてクラブ活動，図書館の環境づくりなどの学校運営に積極的に関わっていただいている。また，地域の博物館，木曽川漁業協同組合や福祉協議会の方々など文化財保護，豊かな自然の保全，福祉の推進にかかわる様々な人々にも協力していただいている。このような人々とつながりながら，郷土のよさを感じ，郷土を大切に思い，未来へ向かって実行力のある子どもを育てる。