2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

減災・防災, 福祉, その他の関連分野

印旛特別支援学校は、印旛特別支援学校本校とさくら分校において、「夢や目標の実現を目指し、健康でたくましい児童生徒の育成を図る。」ことを学校の教育目標とし、ユネスコスクール加盟から3年間、本校においてはESDを『地域との交流と発展、発信』と捉え、さくら分校において今年度はESDを『生徒が主体の防災教育』と捉えて活動を進めてきた。ESDの実践を通して、地域との交流や、自助・共助の力を養い、発達段階に応じた地域との連携や主体的に考える力の育成を目標とした。

 

印旛特別支援学校(本校)「地域との交流」

具体的には、小学部、中学部、高等部の全ての学部で、地域との交流学習を柱に計画を行った。コロナ渦の中、実施できないものもあったが①地域と主体的に関わる活動②近隣大学の関係者を呼んでの交流と活動に取り組んだ。

①地域と主体的に関わる活動

全校行事である「クリーンいんば」では、近隣の清掃活動を行った。感染予防対策のため、地域の方々との直接的な交流は無い形での実施とした。しかし、生徒からは「近くにこんなにお家があるんだね」と学校の周囲へ目を向けたり、「きれいになって良かった」と達成感を感じたりする機会になった。拾ったゴミを分別して校内で回収しており、可燃物と不燃物を考え、教師と一緒に分別を考える生徒の姿も見られた。

②近隣大学の関係者を呼んでの交流と活動
中学部では、近隣の大学との共同授業として、大学生とテント張りや野外調理などの活動を行っている。5年目を迎え、互いに定着してきている活動である。今年度は多くの学生が中心となって行うような例年通りの形は実施しなかった。今年度は、近隣大学でアウトドアゼミの担当をしている方を1名、「アウトドアの達人」として招き、活動を通して地域の発見やアウトドアの楽しみ方などを学ぶ単元を行った。近隣の大学についての紹介や秋の植物あつめで地域の環境や特性に目を向ける良い機会となった。

印旛特別支援学校(さくら分校)「生徒が主体の防災教育」       

さくら分校では、平成28年度から一斉避難訓練等の学習と合わせて、生徒が主体的に学ぶ機会を設け、「防災の学び」の日を設定している。①調べ学習と地域理解、②体験を通しての防災意識向上活動として取り組んだ。

今年度は、総合的な探求の時間の授業の位置づけとして、9月から各学年に分かれて調べ学習を進め、成果発表として10月に防災の学びの日を設定した。①調べ学習と地域理解として、1年生は災害時の生活をテーマに、避難生活について調べ学習をした。2年生は、災害にはどんな種類があるかをテーマに、地震・水害をメインに、自分たちが経験した被災体験やその時の地域の様子を調べた。②体験を通しての防災意識向上活動として、3年生は「災害をより深く知る」をテーマに、避難所のストレスケアや県内の被災状況などを調べた。

防災の学び当日は、全体会場を広く取り、各学年1時間ずつ、ブース形式で学習の発表をしたり、全員参加型のレクリエーションゲームをしたりした。どの学年も工夫を凝らし、防災グッズやエアーベッドに触れたり試したりして避難時の生活を意識できるようにすることや、地層が沈み混むアニメーションを作成するなど、様々な形式で発表を行った。喫食体験も行い、時間を合わせてシェイクアウト形式の訓練をするなど、生徒が自分たちで展開することでより主体的な学習を進めることができた。

来年度の活動計画

本校、さくら分校共に来年度も今年度の計画をベースに予定している。感染予防策を講じた上で、実現可能な範囲で行いたい。「新しいことを更に広く」より「今まで行ったことの深化、継続」に重きを置く。地域の方々との交流に関しても、直接的な関わりについては状況を判断して活動の実施可否を決定する。

本校

 ①小学部  近隣小学校との交流学習

 ②中学部  近隣中学校との交流学習、近隣大学との共同授業

 ③高等部  現場実習

 ④全校行事 いんば祭り、クリーンいんば、よしきりフェアなどの行事

さくら分校

 ①年間を通じて総合的な探求の時間での防災教育を継続する。

 ②「防災の学び」を始めとした横断的な授業の展開

 ③さくら分校が学び舎としている千葉県立佐倉南高校との防災行事の交流

引き続き、実際の災害を想定しやすい体験型の訓練や、主体的な活動を多く取り入れた「防災の学び」の実施を行い、生徒と職員が相互に防災意識を高め合う授業を行う。