2018年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 減災・防災, その他の関連分野

本校は、印旛特別支援学校本校とさくら分校において、「夢や目標の実現を目指し、健康でたくましい児童生徒の育成を図る。」ことを学校の教育目標とし、ユネスコスクール加盟から2年間、本校においてはESDを『地域との交流と発展、発信』と捉え、さくら分校においてはESDを『防災意識の向上』と捉えて活動を進めてきた。ESDの実践を通して、地域との交流や、自助・共助の力を養い、発達段階に応じた地域との連携や主体的に考える力の育成を目標とした。

印旛特別支援学校(本校)「地域との交流」

具体的には、小学部、中学部、高等部の全ての学部で、地域との交流学習を柱に全校で行事を実施した。①地域の方々との交流に係わる活動②同年代に係わる活動③学習活動の発表に係わる学習を行った。

①地域の方々との交流に係わる活動

  全校行事である「クリーンいんば」では、近隣の清掃活動を行った。実際に地域住民の参加もあり、学校と地域が一丸となって活動を行っている。

  中学部では、近隣の大学との共同授業として、大学生とテント張りや野外調理など

 の活動を行っている。3年目を迎え、互いに定着してきている活動である。

  高等部は、近隣小学校において、学んでいる清掃技術を生かし、清掃活動や現場実

習の一環として活動をしている。

②同年代に係わる活動

   小学部は年に四回ほど、共同授業や、歌の発表などで近隣小学校との交流及び共

同学習を進めている。中学部もまた、隔年で、それぞれ本校と近隣中学校が行き来

しながら、交流学習をし、ゲームや授業を行っている。

③学習活動の発表に係わる学習

   全校行事のいんば祭りでは、各学部の学習発表の場として様々な発表が行われている。劇の発表
や、さくら分校も合わせて作業製品の販売、買い物学習や演奏、また、卒業生に係わる福祉施設から
も出店等があり、今年度は千人を超す賑わいとなり、地域の方に広く学校を知って頂く機会ともなっ
た。
その他、よしきりフェアとして、近隣の商業施設にて、中学部や高等部は作業製品の販売を行い、
開催前のチラシ配り等を含め、多くの人が訪れる販売会となっている。

印旛特別支援学校(さくら分校)「みんなで取り組む防災教育」

具体的には、防災学習の、防災、減災、備災を柱に①年間を通して防災に触れる活動②防災意識の興味に係わる教育、③自助・共助に係わる学習を行った。

 ① 年間を通して防災に触れる活動

   さくら分校では、様々な場面を想定して避難訓練を実施している。4月の入学者避難訓練に始まり、学級の中の避難訓練以外にも、コース実習時を想定したり、抜き打ちの避難訓練としたり、様々な展開で行うようにしている。さくら分校だけの訓練や、地域の方や佐倉南高校の生徒との合同訓練、煙体験や消火訓練、起震車体験等の訓練を行った。

②防災意識に係わる教育

 数年前より、さくら分校版の「SOS手帳の利用方法を学ぶ」学習から始まった防災の学びも、年々係わる職員が増え、現在ではさくら分校の全体行事となっている。1日を防災の学びの日とし、全職員で様々な授業を展開した。非常食や避難所設営、災害時のストレスケアにおけるレクや、防災に関する動きでのリレーなど、生徒の興味関心を引き出しながら自分で体験する学習を行った。生徒と共に、職員も防災意識の向上につながった。

③自助・共助に係わる活動

 防災の学びの一環で、「登下校中など、学校外で被災した場合」「通信が輻輳状態になった場合」などを想定し、自らの動きをどう取るか、また災害伝言ダイヤル171やWeb171などの体験利用を通して、自分の身を自分で守る学習、家族で話あうきっかけ作りなどを学習した。また、応急担架の作り方や、本物を利用した担架運びを通して、共助という観点から、自分たちが社会の中でその担い手としての一面もあることも学習した。

来年度の活動計画

本校、さくら分校共に来年度も今年度の計画をベースに予定している。

本校

 ①小学部  近隣小学校との交流学習

 ②中学部  近隣中学校との交流学習、近隣大学との共同授業

 ③高等部  近隣小学校へ出向く清掃活動

 ④全校行事 いんば祭り、クリーンいんば、よしきりフェアなどの行事

 これら行事について、職員間で全校の動きを振り返り、児童・生徒の共通理解を図ると共に、ホームページ等の公開でより多くの方々に本校の動きを発信していく。

 さくら分校

 ①様々な形態での防災に関する訓練の実施

 ②「防災の学び」を始めとした横断的な授業の展開

 ③さくら分校が学び舎としている千葉県立佐倉南高校との防災行事の交流

引き続き、実際の災害を想定しやすい体験型の訓練や、主体的な活動を多く取り入れた「防災の学び」の実施を行い、生徒と職員が相互に防災意識を高め合う授業を行っていく。

 また、本校とさくら分校でそれぞれの取り組みを共有し、印旛地区の地域の方々にさくら分校と本校で行っている交流活動について、分校から発信していく。合わせて、体験的で分かりやすい防災の授業内容を共有し、発達段階に応じながら、防災にも興味をもてる活動を本校でも取り入れていき、両校で取り組みを継続していく。