2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 減災・防災, 気候変動, エネルギー, 環境, 平和

令和4年度 ESD実践報告

千葉県立印旛特別支援学校

県立印旛特別支援学校は、『夢や目標の実現を目指し、健康でたくましい児童生徒の育成を図る』ことを教育目標とし、ユネスコスクール加盟から5年間、『地域との交流と発展・発信』を柱とする中で、様々な教育活動を行ってきた。ここ3年間はコロナ禍の影響を受け十分な活動を行うことができなかったが、それでも可能な活動を、規模を縮小しながら取り組んできた。

その中から、高等部普通科『職業コース』として今年開校11年目を迎えた『さくら分校』(佐倉南高等学校内)での活動をいくつかまとめてみた。

1 佐倉駅前ロータリー清掃 【地域との交流・社会参加】

この活動は昨年度からスタートした。メンテナンスコース班の生徒(10数名)が地域の人たちとの共同清掃活動を行うというものである。毎月第3木曜日に、JR佐倉駅前ロータリー(徒歩20分ほど)に出かけ、その周辺の除草作業(夏季)やゴミ拾いを行う。地元の商店や自治会の方々も参加し、総勢40名ほどの大規模な清掃である。地域の人たちの黙々と働く姿に生徒たちは刺激を受け、学校へ帰ってからも一生懸命に清掃をする姿が見られ、教育的効果は大きい。

2 南高校・校外での販売活動 【他校・企業との交流】

フードコースの生徒たちが作ったパンの販売を、隔週金曜日の昼に佐倉南高校で販売する。事前にその日程をお知らせし、当日の朝も南高校の職員室に出かけて宣伝をすることで、多くの南高校生が買い求め、賑わいを見せている。市販されているパンよりも低価格で、また種類も豊富でバリエーションに富んでいることから、たいへん人気がある。おいしいと言って買い求めてくれることで、作る生徒たちにとっても大きな励みとなる。

また、クリエーションコースでは、自作の革製品を年2回、株式会社『フジクラキューブ』での販売活動を行っている。

3 委員会活動でのSDGSの取り組み

『環境問題』『異常気象』等をテーマに掲げ、調べ学習・意見交換会を行った。地球温暖化については特に関心が高く、オゾン層が破壊される危機感から、自分たちに何ができるのか~等の意見交換が活発に行われた。また、海洋汚染についても深刻な問題として捉え、海に捨てられたプラスチックを食べた魚がどうなるのか、みんなで考えた。プラスチックストローを使用するのをやめよう!~と、呼びかけをするべきだとの意見も出た。

4 『防災の学び』学習発表会 【主体的に学ぶ防災学習】

一斉避難訓練の学習と併せ、生徒が防災についてより主体的に学ぶ場として「防災の日」を設定している。各自テーマを設け、1日を通して個人あるいはグループで学んだことを全体の場で発表する。

【1年生】テーマ:震災被害のVTRを観てそれぞれが感じたこと

【2年生】テーマ:自由テーマ

【3年生】テーマ:100均で購入した物で作る防災グッズ

今年度は10月11日(水)に発表会を実施した。事前学習では、個人であるいはグループで、資料を取り寄せたりインターネットで調べたり、佐倉南高校の図書室で本を借りて学習したりするなど、どの生徒も主体的で前向きな取り組みが見られた。

当日の発表会では、自分の発表だけでなく、他グループの取り組んできた内容に対しても関心を持つ生徒が多く、互いが『学び合う』場となった。

この学習活動は平成28年度から続いているが、今年度より生徒一人ひとり全員にiPadが支給されたことも重なり、生徒たちにとって年々深まった学習になってきている。

新型コロナウィルス感染症の感染拡大防止対策も、感染拡大防止の徹底を謳いながらも少しずつ、その『基本的対処方針』が変化してきている。イベントや行事等も、中止するのではなく、感染防止対策を講じて実施する方向に動いている。学校の教育活動においても、少しずつ本来の形に戻しながら、今後更にESDの充実と発展に努めていく。

 

来年度の活動計画

本校、さくら分校共に来年度も今年度の計画をベースに予定している。感染予防策を講じた上で、実現可能な範囲で行っていく。今まで行ってきた活動の積み重ねを継続・維持できるよう、実施内容や感染予防を工夫していく。地域の方々との交流に関しても、少しずつ元の活動に戻しつつも状況を判断して計画を進めていく。

本校

①小学部  近隣小学校との交流学習

②中学部  職業体験

③高等部  現場実習、販売活動

④全校行事 いんば祭り、よしきりフェアなどの行事

さくら分校

①年間を通じて総合的な探求の時間での防災教育を継続する。

②「防災の学び」を始めとした横断的な授業の展開

③さくら分校が学び舎としている千葉県立佐倉南高校との交流

引き続き、主体的な活動を多く取り入れた「防災の学び」の実施を行い、生徒と職員が相互に防災意識を高め合う授業を次年度も行っていく。