2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 気候変動, 環境, 持続可能な生産と消費, その他の関連分野

・本校は、「環境教育」と「キャリア教育」を活動テーマとして、ESDを地域とのつながりを体験的に学ぶことと捉え、ESDの実践を通して、体験的な活動の中からよりよく課題を解決し、自己の生き方を考えていくための資質・能力の育成を目標とした。具体的には、野外教育活動や修学旅行といった行事や花き産業の農場見学を軸に、①地域の農業に係わる活動、②環境に係わる活動を行った。

 

①地域の農業に係わる活動  <花き産業出前授業と見学>

2年生は地元の名産である花を調べているうちに、コロナ禍によって地元の名産である花の売り上げが減少していることを知った。

そこで、地域の花農家さんから話をうかがうことにした。すると、コロナ禍でイベントが減少し、花の需要が下がっていること、それでもよりよい花を育てようというプライドをもち続けていることを知った。実際に花を間近で見たことで、「もっと多くの方に花の魅力を知ってほしい」と考えるようになった。

「地域の名産である花をより多くの人に伝えたい」という思いをもった子どもたちは、ポスターや押し花を使ったしおりを作ろうと考えた。さらに、幼児にも花の魅力を伝えるためにも紙芝居をつくることにした。

しかし、これらの方法は自分たちの手が届く範囲である豊橋市内にしか伝えることができない。そこで、子どもたちは花のPR動画をつくり、インターネットで配信することで、日本や世界の人々にも届けられるのではないかと考えた。

子どもたちは、地域の産業の1つである花き生産の携わる人の思いを知って、「あきらめずやり続けること」が必要だと気づいた。「働く」ということに対する考えも深めることができた。

 

②環境に関わる活動 <環境活動>

1年生では、水質問題と大気汚染にテーマをしぼり、調べ学習や環境アドバイザーによる出前講座を行い、インターネットや本による情報収集だけでなく、現場の方から直接環境に対する取り組みを学習した。野外教育活動では、表浜海岸の見学などを行った。海岸にはたくさんのごみが落ちており、ごみ拾いを始める生徒もいた。表浜海岸を守ろうとする気持ちを深めることができた。

3年生では、環境学習の集大成として、研究職である大学とリモート授業を行った。農業と地球温暖化の関係や農薬による生態系への影響などを学んだ。修学旅行時には清水港を見学し、SDGsに関する取り組みや考え方を教わった。大学や清水港は、行政や企業と連携し、持続可能な社会を目指して様々な機関が連携して環境をより良くしようと取り組んでいることを知った。また、子どもたちは、これらの体験を通して、自分の進路・将来を見つめ直し、全校の前で行われる総合発表会で、自分の将来について語ることができた。

来年度の活動計画

本校では「環境」を軸とした活動をメインに、3年間を見通した総合的な学習を行っている。今年度は昨年度から取り入れ始めたESDやSDGsを前面に押し出した活動をより重視した。「環境」はメインだが、そこから派生する様々な事象をSDGsと照らし合わせ、焦点化させていくことが有効であるとわかった。また、総合的な学習だけではなく他教科ともかかわりをもたせた横断的な捉えや、1年間ではなく3年間の見通しを持った縦断的な捉えも必要である。来年度は「環境」だけでなく「福祉」「国際理解」など、新たな分野も視野に入れながら学習をすすめていきたいと考えている。