2018年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 環境, 国際理解, 平和, 人権, 福祉, 持続可能な生産と消費, 世界遺産・地域の文化財等, 健康, 貧困, グローバル・シチズンシップ教育(GCED)

本校は、「地域に学び共に歩む」を学校理念として、ESDを「持続可能な将来を実現させる資質・能力を育成するための教育」と捉え、ESDの実践を通して「多角的に問題を捉え、よりよい未来を描き、実践する力の育成」を目標とした。
具体的には、主に環境・文化・産業を柱に、①身近な環境に関わる探究学習、②地域の産業に関わる探究学習、③地域の文化に関わる探究学習、④オリンピック・パラリンピック教育の視点から、国際理解を深める取り組み を行なっている。

① 身近な環境に関わる探究学習(SDGs-15)
 学校のすぐ横を流れる多摩川でのフィールドワークを重ねることを通して、さまざな動物や植物が季節により互いに関わり合い、変化していくことを学んだ。また、水質や川原にあるごみやプラチックチップの調査から多摩川の抱える現在の問題をあぶり出した。過去の多摩川の環境問題・歴史にも触れ、未来に願う多摩川像を共有し、多摩川を持続発展可能にするために自分たちのできることを考え行動することができた。また、こうした学びを地域・保護者に発信することができた。

②地域の産業に関わる探究学習
 学校に隣接する田んぼの持ち主である地域農家の協力を得て、稲作体験学習(田植え・稲刈り・脱穀など)を年間を通して行なっている。また、地域の特産品である「梨」を題材とし、近隣の梨栽培農家の協力を得て梨栽培の体験学習を行なっている。どちらも繰り返し体験を重ね、農家の方の話を聞く中で、地域産業を支える農家の熱意と思い、苦労と使命感を学び、現在の地域はこうした人々によって支えられてきたことに気付かされた。また、近い未来の地域像描き、こうした地域を持続発展可能にするためには、自分たちがどうしたらいいかを考え行動することができた。また、地域・保護者に発信することができた。

③地域の文化に関する探究学習
 学区フィールドワークを重ね、地域には歴史ある建物や場所がたくさん残されていることに気付き探究学習を展開した。歴史ある建物は、地域の祭りや歴史と繋がっており、長く多くの地域の人々の手によって守り受け継がれたことを知った。特に、大丸用水や大丸囃子の保存に携わる方々の話を見聞きすることを通し、地域の文化のすばらしさに改めて気付き、それを支える人々の思いや願い、苦労に触れ、地域の文化をこれからも守っていきたいという未来像を共有することができた。地域の文化を持続発展可能にするために自分たちにできることを考え、行動することができた。また、地域・保護者に発信することができた。 

④国際理解・多様性を理解する取り組み
東京2020オリンピックの開催を控え、オリンピック・パラリンピック教育の視点から国際理解を深めるさまざまな取り組みを行なっている。校内環境作りでは、世界のさまざまな国々の子供たちの絵を展示し、暮らしや言語を紹介するコーナーも校内のいたるところに設置した。また、オリンピック・パラリンピック教育の視点から代表委員会が中心となり「メダルプロジェクト」「服の輪プロジェクト」に参加することができた。ユネスコスクールのプロジェクトである「世界寺子屋運動」に全校で参加した。保護者・地域にも発信し協力を呼びかけた。こうした日常的な取り組み、全校での具体的な協力活動を通して、自分自身が行動する大切さと喜びを学ぶことができた。

来年度の活動計画

 平成31年度も児童にとって身近な題材の開発を行ないながら「多角的に問題を捉え、よりよい未来を描き、実践する力の育成」を目標とし、地域に根ざした実践的な学習を展開していく。

(1) 平成31年度のESDの柱~本物との出会い~

① 地域の環境に関わる探究学習
② 地域の産業に関わる探究学習
③ 地域の文化に関わる探究学習
④ オリンピック・パラリンピック教育の視点から、国際理解を深める取り組み

(2) 学年ごとの取り組み(例)

1年生 身近な自然・生きものとのふれあい ヤゴお助け隊 (大学との連携)
2年生 身近な自然・生きものとのふれあい  動物のお医者さんに学ぼう (大学との連携)
3年生 大丸用水探検  梨栽培体験活動 水と仲良しライフジャケット講習 (地域連携)4年生 多摩川探検  地域の自然・歴史の発見 未来の多摩川 ライフジャケット活用 発信
5年生 田んぼ探検・研究 稲作体験活動 バケツ稲との比較 未来の大丸  (地域連携)
6年生 野沢の宝・大丸の宝 世界の友達こんにちは (他地域との連携)

(3) 質の高い授業を展開するために

・ 東京2020オリンピック・パラリンピックと関連付けながら、いかに身近に実感できる学  
 びを展開させることができるか、学校全体で研究していく。
・探究学習の質を上げるため、単元展開の基本・一単位時間の授業展開の基本を学校全
 体で共有し、よりESDの視点が児童一人一人の資質・能力の向上に繋がるかを常に意
 識した質の高い授業を提供できるよう学校全体で研究していく。
・学校外の多様な機関との連携を深め、社会に開かれた生きた学習が展開できるよう試
 行していく。