2018年度活動報告
本年度の活動内容
平和, 人権, 世界遺産・地域の文化財等
本校は、「重要伝統的建造物群保存地区」の今井町が校区にあり、生活科・社会科・総合的な学習の時間を中心に、全校・全学年で取り組んでいる。「地域とのつながり」「人とのつながり」を大事にしながら、長年受け継がれ・守られてきた今井町の人たちの心を知るとともに、今井町を好きになり、思いや考えを深め、自分の考えを表現・発信し、自分たちにできることを考え・実行していく児童の育成を目指している。(SDGs11)
① 「地域とのつながり」を大切にする活動
各学年の活動をまとめると下記のようになる。伝統的建造物群保存地区に指定されてから、町の保存や灯火会・六斎市・はならぁと等の行事も保存会の人を中心に行われている。教科の学習だけでなく、町を大切に思っている人と触れ合い、直接話を聞くことで、地域の行事に参加し、その中から将来自分たちの町にかかわっていこうとする気持ちが育ってきた。結論が出るテーマではないが、子どもたちなりに保存の大切さとともに開発(住んでいる人の生活にかかわる問題)の難しさも考えることができた。地域の伝統や歴史を調べる活動を通して、探求活動のスキルやカルタやビデオ等で発信していく表現力を身につけることもできた。
☆今井町がすてきな町であることに気づく
1年:学校のまわりをたんけんしよう
こども園やお年寄りと交流しよう
2年:町たんけんに行こう
まちの人となかよくなろう
☆今の今井町にふれる
3年:校区のもの知り博士になろう
今井町の魅力をさぐろう
エノキの話を聞こう
むかしをさがそう
4年:今井町について調べよう
今井町を守ってくれる人々(防災)
ボランティアの方との交流
☆今井町を考える
5年:今井町の重要文化財について調べ、発信しよう
こども園と交流しよう
6年:歴史の中の今井町
茶粥体験をしよう
エノキの話を聞こう
町並みの保存について考えよう
全校:はじめましてハイキング
今井慕情
全校写生大会(順明寺・春日神社・残したい今井の風景)
② 「人とのつながりを」を大切にする活動
☆ひまわりグループ(縦割り)活動
1年生~6年生まで10名程度でグループを作り、6年生が中心となって1年間活動する。低学年は高学年の優しさに触れ、高学年は低学年との活動を通して責任感や自覚が育つと共に地域や学校のことを伝えようと学びを深める姿も見られる。毎日の掃除、定期的に実施するグループでの遊びやゲーム活動を通して、協力することの大切さを知り、お互いを思いやる気持ちを育てる。
・年間を通して定期的に行うグループ遊び(学校や生活・社会を知る)
・毎日の清掃活動(学校や生活・社会を知る)
・はじめましてハイキング(5月)(今井町を知る)
・ゲーム大会・ドッジボール大会・全校紙芝居(異学年交流)
・新春お楽しみ大会(1月)・なわとび大会(異学年交流)
・卒業生を送る会(2月)(異学年交流)
☆全校写生大会(9月)
全校児童が今井町内に朝から出かけ、それぞれの学年のめあてに沿って今井町の町並みを描く。この写生大会は、今井町の協力のもと、40年以上も続いている伝統ある行事である。楽しく伸び伸びと描くことによって、表現力を高める。郷土の自然や文化財に親しむとともに、その美しさを感じ取り、大切にする態度を育てる。描いた6枚の絵は、卒業前に思い出ブックとしてまとめる。今井町のような歴史的な文化遺産は、日本の貴重な文化財として守っていかなければならない。子どもたちは、町並みを描くことを通して、今井町や町を愛する人のすばらしさを知り、その人たちの思いや行動が文化遺産の保存につながっていることに気づくことができた。
☆地域・保存会の人たちとのかかわり
保存会の方々をはじめ、今井町で活動されている人々がたくさんいる。
多くの人とのかかわりを通して今井町を支えていく人に自分もなっていく
ということに気づかせたい。人と人とのつながりがあるからこそ、歴史が
引き継がれていくと考える。規則やルールでなく人の願いや思い出守られ
てきた地域であることを知り、持続可能な地域社会の担い手となる子ども
の育成に努めたい。
来年度の活動計画
① 平成30年度の取組をさらに深め、SDGs11の視点と今までの取組を振り返る。
② 地域には、様々な意見や未来に対する考え方があることを知る。
③地域の将来のことを考え、今井町を含め地域のことをさらに深く知る。