2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 環境

本校は、「地域の人・もの・こととのかかわりを通して主体的に学ぶ環境教育」をテーマに、ESDの実践を通して地域の「人・もの・こと」の素晴らしさを感じ、故郷「市丸」の誇り(愛着心)をもって環境の保全や創造に主体的に取り組む子どもの育成を目指している。本年度は、総合的な学習の時間と生活科を柱に、①校区内の田んぼを借りて稲作体験(全学年)②絶滅危惧種「ガシャモク」の保全活動(6年)、ガシャモクの栽培(全学年)③蕎麦栽培と蕎麦打ち体験(5年)④平尾台の探検(4年)などの活動を行っている。

① 稲作体験活動について

平成3年より、校地の近くの田んぼを地域の方から借りて、全校児童が田植えと稲刈りを体験している。秋には保護者・地域の方を招く形で「収穫祭」を催し、学習発表を行う計画であった。これは本校区が昔から稲作で生計を立ててきた地域であること、また、代々受け継いできた土地を守りたいという願いを、子どもたちに体験を通して学んでもらおうとする取組である。今年度も、田植えから収穫までを行うことができたのだが新型コロナウィルス感染症の影響で、収穫祭は中止となった。昨年度は、害虫にやられ収穫は少なかったのだが、今年度は豊作となった。餅つきは中止となり、全学年の児童に収穫した米は分けて、家庭に持って帰るようにした。

② 絶滅危惧種「ガシャモク」の保全活動について

校区内に、稲作にまつわる象徴的な逸話をもつ溜め池「お糸池」がある。幾度となく水害に見舞われ、それを一人の娘が人柱となって救い現在に至ると言われている。この池に生息する水生植物「ガシャモク」は、絶滅危惧種に指定され、国内で唯一の自生と言われている。本校では平成19年から校地内にも観察・実験用の水槽や人工池を設置し、6年生が、この植物の保護活動を行ってきている。今年度は、生息地であるお糸池に行き、水質調査や観察を行うことができ、その活動を模造紙にまとめることができた。今後、地域の市民センターに掲示する予定である。また、校内の水槽での栽培を行い、がしゃもくの生態について観察を行った。これらの活動で学んだことをまとめ、2月下旬には、がしゃもくの引継ぎを5年生に対して行う予定である。

③ 蕎麦栽培と蕎麦打ち体験について

昨年度から5年生は「学校発進!地域興し ~休耕地の再利用~」をテーマに、畑を借りて、蕎麦を植えて育てていった。実ができると摘んで製粉し、地元で蕎麦屋を開店した若い先輩に指導を受けながら蕎麦を打つ活動を行った。今年度は、天候の影響からか昨年度よりも蕎麦の生育が悪かった。11月に実を収穫することができた。新型コロナウィルス感染症のため、年内の活動がストップしていたが、2月の上旬に収穫した蕎麦を石うすでひいて、粉にする活動を行う予定である。地元の蕎麦屋の先輩をゲストティーチャーとしてまねき、蕎麦打ち体験をする予定である。

④ 平尾台の探検

例年は、平尾台の鍾乳洞を探検するのであるが、新型コロナウィルス感染症のため中止となり、平尾台にある山々を探検し、地形の特色を実際に体験することができた。離接校と交流を行い、互いに平尾台について調べてまとめたことを発表し合った。観光地としての魅力を発見し、発信できるように今後取り組む予定である。

来年度の活動計画

来年度の活動計画

本校区は「平尾台」という北九州市唯一の鍾乳洞を備えたカルスト地形の山々の麓にある。観光事業は衰退気味で、田畑が広がる調整区域のため人口も減少の一途を辿っている。この故郷への誇りと愛着に加え、未来を見据えて創意工夫しながらよりよい生活を目指すという意味でのシビックプライドを育成する方向で、「自立する市丸の子ども」の実現を模索し、「継続と挑戦」を継続していく。体験し、調べてまとめ、発信することができるようにしていきたい。

1.稲作体験活動・・・5~11月(全児童) 次年度は、田植え体験、収穫体験を行う。

2.ガシャモク保全活動・・・年間を通じて(6年)

ガシャモクについての研究と発表(6年)

栽培(一人一鉢)・・・年間を通じて(全児童)

3.小倉織体験活動(5年)

今年、小倉織の生産が校区内で行われていたことが分かった。次年度は小倉織について調べ、体験ができる活動を計画している。

4.平尾台の魅力を伝える活動(4年)