2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 持続可能な生産と消費, 食育

ユネスコスクールの活動理念の下、種々の営みの価値や人間を含めた生物多様性の価値を多面的に捉え、持続可能な生産と消費を担うことができる創造力、表現力を培うことを目的とした。このため、本校の校訓である「汗をいとわず、命を尊び、日々高きを志す」という精神を大切にし、農業高校らしい実践として、①課題研究活動、②地域連携に関わる活動、③環境教育の実践活動の3つに取り組んだ。内容について、以下に詳細を述べる。

 

①課題研究活動

持続可能な開発のための教育推進拠点として、持続可能な生産と消費を担うことができる命を尊ぶ農産物管理を行った。「課題研究」ではみのりと食科3年生が「メタン発酵消化液を用いた水耕栽培の研究」を行い、環境保全型農業推進の一例として教育機関や行政機関にて今年度末までに成果発表を行う予定である。「総合的な探究の時間」では、農業分野で活躍している方々を講師としてお招きし、農業の喜びや上記本校校訓に示された精神を、実践者から学んだ。

 

②地域連携に関わる活動

地域の社会教育機関、NPO等との連携等を通じて、持続可能な社会を作り、協創し、協働するネットワークを築くために、以下の活動を進めた。

・出石の宗鏡寺と地元小学校児童との協働での沢庵づくり

・養父市と連携した駅前花壇づくり

・学校給食センターと連携した、学校給食の食材提供と食育活動の実施

・出石特別支援学校や老人福祉大学との交流

・日本学校農業クラブ連盟の発表会への参加

・養父市と共催した地域住民向けの農業講座の実施(全11回)

 

③環境教育の実践活動

持続可能な開発および持続可能なライフスタイル実現のために、本校で飼育している但馬牛の排泄物を利用した堆肥づくりを行った。牛糞堆肥には植物由来の繊維質が多く含まれているため、土壌改良効果が高い。これらの堆肥を水田や露地野菜、施設野菜の土作りに利用することで、水田では化学肥料を使用することなく、環境保全型農業の実践を行うことができた。

来年度の活動計画

持続可能な開発と持続可能なライフスタイルを実現するために、農業高校として理論学習と体験学習を実施する。本校で管理している但馬牛の排泄物を利用した堆肥作りを行い、校内外での環境循環型農業を引き続き推進すると共に、その取組を発信する。

農産物生産や家畜管理において、地域にある課題や農業技術・経営の課題改善や検証を生徒が主体となって研究・実践する。地域や企業と連携し、社会とつながることで課題を多面的に思考する力を養い、優先行動分野を理解し取組を進める。

文化多様性理解と伝統的技術継承のため、本校で栽培管理した農産物を使用し、地元の人々と共に昔ながらの方法で沢庵などの加工品を製造する。伝統文化の継承と世代を超えた交流を行うことで、それぞれの価値観を深化させる。