2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解

本校は教育目標に、「自ら学び、考え、実践できる次代の担い手として、社会に貢献できる人間の育成をめざす」と定めている。この目標を達成するために、本校では、① 国際理解・文化の多様性、② 地域の伝統文化と歴史・文化遺産、③ 持続可能な開発のためのグローバル目標の達成の3点を柱に、各教科、部活動、課外活動等を通して学習を行っている。

①国際理解・文化の多様性

本校は、オーストラリアの Mount Lilydale Mercy College およびドイツのGymnasium Ernestinum Rintelnと姉妹校交流を行っている。今年度は10月に10日間、ドイツ姉妹校から12名の生徒の受け入れを行った。滞在中、ドイツからの生徒は授業へ参加し、華道や茶道などの日本文化の体験をしたり、総合英語科の生徒による法隆寺についての英語での説明を受けたり、ホストファミリー宅でも生徒と異文化交流を行った。両姉妹校とは年間を通し、様々な形で継続的な交流を図っている。

②地域の伝統文化と歴史・文化遺産

本校では、第1学年の生徒全員で世界遺産の法隆寺を見学し、歴史文化科の生徒が他の学科の生徒に仏像や建物について解説する活動を行っている。このような学年全体で行う教育活動を通じて、郷土の文化遺産を学ぶ機会を設けている。

歴史文化科では学科の専門科目において、地元奈良や近畿地方の寺院や神社、博物館、研究機関、大学、図書館等を訪問し、その価値と普遍性について自ら学び、文化遺産の保存や伝承の方法について考えさせ、広く人類の築いた文化の継承に貢献できるような教育活動を実施している。

③持続可能な開発のためのグローバル目標の達成

ホールスクールプロジェクトの一環として、総合的な探究の時間などを用いて、持続可能な開発のためのグローバル目標(SDGs)の理解と行動を促進する授業を行っている。ESDの理念に則り、授業形態も単に知識の伝達にとどまらず、体験を重視して、探究や実践を重視する参加型アプローチをとった。第2学年の活動では総合英語科の生徒がSDGsの目標達成に向けて科目横断的に探究を行い、高大連携校からの協力や指導を得て学習を深めた。第3学年では、前学年でのSDGs発展学習として世界に視野を広げ、2020年より始まった「行動の10年」の理念に則り、知識として知るだけでなく行動を起こすことに重点を置き、私たち個人ができる行動についての提言を行った。また7月にはWWLコンソーシアム事業の協力校として、高校生国際会議への参加およびその運営を生徒が行った。

以上の学習活動の成果として、毎年地元の大ホールで開催している本校生の探究やその成果の発表会「ユネスコフォーラム」において、持続可能な発展、環境問題に関する啓発活動、歴史や伝統、郷土の文化に関する調査研究、国際理解と国際交流についてはパートナーシップを構築するための実践的な発表を行い、全校生徒で共有する機会をもっている。

来年度の活動計画

今年の3月にはオーストラリア姉妹校へ13名の生徒派遣を行う予定であり、10月には、オーストラリア姉妹校からの留学生の受け入れを予定している。2022(令和4)年度受け入れを行ったドイツとは異なる文化に触れることで多様な文化的背景を持つ人と交流ができる生徒の育成を目指す。持続可能な開発目標の達成に向けて私たちにできることの提言を両姉妹校と共有し、両校の生徒との協働を進める。また協力校として参加したWWLコンソーシアム事業について、来年度はより多くの生徒の参加を促したい。

2023(令和5年)年度も継続して総合的な探究の時間を活用し、持続可能性な取組についてホールスクールプロジェクトを通して学習を進めるとともに、全生徒がユネスコの理念を理解し自覚をもつことができるよう学習活動を深めていく。また、歴史文化科では地元の世界遺産を軸に歴史、文化についてさらに探究を深め、自律した学習を通して、社会に貢献できる人材育成をめざす。