2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, グローバル・シチズンシップ教育(GCED)

本校は教育目標に、「自ら学び、考え、実践できる次代の担い手として、社会に貢献できる人間の育成をめざす」と定めている。この目標を達成するために、本校では、① 国際理解・文化の多様性、② 地域の伝統文化と歴史・文化遺産、③ 持続可能な開発のためのグローバル目標の達成の3点を柱に、各教科、部活動、課外活動等を通して学習を行っている。

①国際理解・文化の多様性

本校は、オーストラリアの Mount Lilydale Mercy College およびドイツのGymnasium ErnestinumRintelnと姉妹校交流を行っている。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から毎年行っている生徒の派遣および受け入れについては中止せざるを得なかったが、手紙やプレゼント交換、オンラインでの交流を通して、お互いの国の文化理解に努めた。また、オンライン交流では各国の新型コロナウイルスの感染状況や取り組みなどについて情報を共有し、世界的な感染拡大の防止方法について意見交換を行った。

②地域の伝統文化と歴史・文化遺産

本校では、第一学年の生徒全員で世界遺産の法隆寺を見学し、歴史文化科生徒が他の学科の生徒に仏像や建物について解説する行事を行っている。このような学年全体の行事を通じて、郷土の文化遺産を学ぶ機会を設けている。

歴史文化科では学科の専門科目において、地元奈良や近畿地方の寺院や神社、博物館、研究機関、大学、図書館等を訪問し、その価値と普遍性について自ら学び、文化遺産の保存や伝承の方法について考えさせ、広く人類の築いた文化の継承に貢献できるような教育活動を実施している。

③持続可能な開発のためのグローバル目標の達成

ホールスクールプロジェクトの一環として、総合的な探究の時間の中で、持続可能な開発のためのグローバル目標(SDGs)の理解と行動を促進する授業を行っている。ESDの理念に則り、授業形態も単に知識の伝達にとどまらず、体験を重視して、探究や実践を重視する参加型アプローチをとった。第2学年の活動ではSDGsの目標達成に向けて「高校生が学校でできること」をテーマに探究し、発表を行った。第3学年では、前学年でのSDGs発展学習として世界に視野を広げ、2020年より始まった「行動の10年」の理念に則り、知識として知るだけでなく行動を起こすことに重点を置き、私たち個人ができる行動についての提言を行った。

以上の学習活動の成果として、毎年地元のホールで開催している本校生の探究やその成果の発表会「ユネスコフォーラム」において、持続可能な発展、環境問題に関する啓発活動、歴史や伝統、郷土の文化に関する調査研究、国際理解と国際交流についてはパートナーシップを構築するための実践的な発表を行い、全校生徒で共有する機会をもっている。

来年度の活動計画

今年度の2月に、県内で行われる総合的な探究の時間の発表会に参加し、本校で取り組んだ「持続可能な開発目標の達成に向けて私たちにできることの提言」について、県内の高等学校に協働を呼びかける。また、ドイツ姉妹校、オーストラリア姉妹校とも本校の掲げる提言について具体的に協働する。

来年度は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から今年度中止や縮小となった多くの教育活動の再会をめざす。これまで異文化交流に重点を置いて実施していた姉妹校交流についてはESDを視野に入れ、国の垣根を越えて持続可能な社会の構築に貢献できる人材の育成を目標として、オンラインを中心に情報、意見交換の機会を増やせるように取り組む。

また同じくユネスコスクールの認可を受ける奈良教育大学との協働を図るとともに、3月26日に実施されるワークショップへ参加するなど積極的に取り組みたい。

また歴史文化科では地元の世界遺産を軸に歴史、文化をテーマにさらに探求活動を深め、自律した学習、社会に貢献できる人材育成をめざす。