2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 減災・防災, 気候変動, エネルギー, 環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, 福祉, 持続可能な生産と消費, 健康, 食育, 貧困, その他の関連分野

本校は、「自主創造―くらしをみつめ 追究する子ども―」を教育目標に掲げている。「追究」とは、生きることそのものであり「自然・文化(社会)・ひと・もの・出来事にこころをつなぎ、いのちとことわりを感受し、これを吟味し続けること」と考えている。この考えは、SDGs、ESDの考え方「持続可能な社会の実現を目指し、子ども一人ひとりが世界の人々や将来の世代、また、環境との関係性の中に生きていることを認識し、よりよい社会づくりに参画するための力を育む教育を展開する」と目指す方向は同じであると考えている。そのため、子どもが一日のくらしを送る中で、各種教育活動(朝活動、くらしの時間、授業、自主活動、地域活動)を通して、社会的資質や行動力を高めていくことを目標とした。
具体的には、①環境に係わる活動、②社会参画の基礎を養う教育、③地域とのつながりに係わる活動を行った。
①環境に係わる活動(朝活動、自主活動等)
毎日の「朝活動」では、身の回りの環境に心をはたらかせ、自らの手で環境を整えている。働くことにやりがいを見つけ、ねばり強く取り組むとともに、自分にとっての朝活動の意味をみつけ、問題解決を図りながら取り組む子供の姿を願っている。「自主活動」では、今の自分のくらしをみつめ、豊かにしようとしていく中で、自分の課題に向かって意欲的に取り組む子供の姿を期待している。
②社会参画の基礎を担う教育(授業)
各学年における各教科等の学習を基に発展的に取り組んでいる。一例として今年度、6年生では、社会科・総合的な学習の時間「市電が走る富山市」の学習に取り組んだ。富山地方鉄道株式会社が経営する通称「市電」として親しまれている富山市内軌道線を教材とした。富山電気軌道として開業した大正時代から数多くの路線が富山市内にあり、移動手段となっていた。自動車の普及によるニーズの変化から、企業や住宅が郊外に広がり、市内中心部の空洞化を生み、路線の縮小を余儀なくされた。平成に入ってからは、大気汚染や高齢化社会の現代的な都市課題から、「コンパクトシティ」として、市電を生かしたまちづくりに注目されるようになり、LRTの採用、南富山駅と岩瀬浜駅の南北接続等、持続可能なまちづくりに向けた取組が進められている。子どもたちは、「高齢者の足となっていて便利」「市電は利用されていないのでは」など、問いをもって調べた。「昔は栄えていた市電」と現在と比較しながら歴史について調べていく子どもたちが、数多くの路線があったことを知り、「時代に合わせて変化してきた役割とは何か」「これからも市電が在り続けていくために」と、地域の諸団体や行政に相談しながら、持続可能な富山市の市電ために自分にできることを実践していった。今なお存在する様々な課題に対して、自分の着眼点から学習を進めていく中で生まれる問いに対して、自分らしさを発揮しながら、思いや願いの実現に向かって学習を仲間と共につくる子どもたちであった。
③地域とのつながりに係わる活動(地域活動)
年に2回行われている地域教育推進協議会を中心にして、地域と手を取り合い学校教育の充実を図っている。具体的な活動として、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、今年度も縮小して実施したが、夏休みの中の各町内で近隣ファミリー活動や地域教育懇談会がある。また、PTA主催の堀小ふれあいフェスティバルや地域の行事であるふるさとづくり文化展と連携して、地域と交流する機会を設けたり、地域の人材を生かした学習を展開したりしている。さらには、富山ユネスコ協会主催の事業に参加することで、子どもたちの地域の一員としての意欲を高めるとともに活動への理解を深めている。

来年度の活動計画

次年度も、継続して本校「自主創造―くらしをみつめ 追究する子ども―」の教育目標の下、日々の教育活動(朝活動、くらしの時間、授業、自主活動)を大切にして進めていくことが、SDGsやESDの目指す「持続可能な社会の実現を目指し、子ども一人ひとりが世界の人々や将来の世代、また環境との関連性の中に生きていることを認識し、よりよい社会づくりに参画するための力を育む教育を展開する」の具体化になると考え、進めていく方針である。