2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

減災・防災, 気候変動, エネルギー, 環境, 文化多様性, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 福祉, 持続可能な生産と消費, 健康, 食育

本校は、小中一貫で「グローバルな視点」からの児童・生徒の育成を目指しており、学習指導要領に示されている持続発展教育を実施しているが、各教科等の学びを統合したり、有機的に関連付けたりすることを意図的に行っている。そうすることで生徒自身が持続可能な社会の構築に向けての当事者意識をもつものと考える。
それには、教科等で培った持続発展教育に関する知識・理解等を、総合的な学習の時間や特別活動の時間を利用して行動化することが大切である。教育活動全体で持続発展教育に向かう共通理解を、生徒と教師、保護者、地域・社会に図ることになるからである。必要な教育資源(様々なネットワーク、実践資料等)を獲得し、その意義を共通理解しながら生徒とともに活動に取り組んでいる。

➀生徒会活動におけるユネスコスクール活動
本校は、生徒会活動において、ユネスコスクールの4つの基本分野に基づいた委員会活動を推進している。具体的には、「ユネスコスクール活動認定」として、ユネスコスクールの4つの基本分野に基づいた委員会の活動を表彰し、全校にユネスコスクールの理念および取組について校内放送等を通じて発信している。
牛乳パックリサイクルなどは、新型コロナウイルスの影響で実施を見送らざるをえなかったが、代わりにチョークの粉からチョークを作るリサイクルなど、実施可能な活動を精選し、継続して取り組むことができた。具体的には、環境教育に関しては、生徒会役員会の世界寺子屋運動への継続的な参加を行っており、今年度も書き損じはがきの回収を実施した。今後も継続していきたいと考えている。
異文化理解教育の推進に関しては、委員会活動の一環として、諸外国のスポーツを紹介、日本語の起源や、諸外国における日本文化が取り入れられた例を紹介、諸外国の民族衣装の紹介などの広報活動を行い、取り組みを継続した。
地球規模の問題に対する国連システムの理解については、開発途上国の現状を伝える本をはじめとした学校図書館におけるESD特設コーナーの設置、開発途上国の問題を周知するプリントを作成、配布実施した。
健康に関しては、水飲み場におけるソーシャルディスタンスの確保のため、間隔を設ける印を作成したり、学校生活の中で気を付けなければいけないあらゆる場面で感染予防を呼び掛けたりする活動を各委員会や学級の係が行った。今年度はwithコロナの考えで「できないことをどうできるに変えられるか」を教員・生徒がともに模索し、行動に移してきた。

➁社会参画力を育む総合的な学習の時間の実施
当校は、変化の激しいこれからの社会において、地球的な規模の問題や課題の解決に向けて、英知を結集して取り組むことができる人材の育成を目指している。よって、これからの社会の問題やその在り方について着目したとき、社会で必要とされる資質や能力、持続可能な社会の構築に向けて自らが参画していく力や態度、いわゆる社会に参画する力が求められる。
これらを踏まえ、社会参画力を育成する総合的な学習の時間を実施している。生徒は、自らの興味・関心に基づいた課題を設定し、インタビュー活動や他者に発信する探究的な学習を行っている。
今年度は各学年、オンラインでのやり取りを活発に進め、活動することができた。インタビュー活動はもちろん、課題探究の結果についての発表・交流もオンラインで行い、コロナ禍においても学びを止めない工夫ができた。
また、3年生の総合的な学習の時間ではSDGsの17の目標との関わりの中から、どのような社会問題が身の回りにあるのかを考え、その上で生徒が個々の課題を設定した。個々の興味関心のある課題を17の目標から設定できたことで、多様な問題を生徒同士が交流し、自分にはなかった視点への気付き、自分には興味のなかった目標について考える意識が生まれたことを実感している。引き続き継続して行っていきたい学習活動である。

➂旅行的行事におけるESDとの関わりを意識した学習
昨年度は、防災教育の一環として、学校行事と教科の学習との接続を意識した取組を行った。第1学年において、学校行事で野外学習を実施する際、家庭科の防災学習の一環で学んだ「ハイゼックス炊飯袋」を使用し、野外炊事学習を行った。このハイゼックス炊飯袋は、お湯でお米を炊くことができ、災害発生時などにも使用することができる。

➃学校給食における異文化理解
また、年に数回、世界の国々の料理を提供する日を設けている。その中で、その料理の特徴や、どのように食べられているかについて給食だよりで生徒に周知することで、世界の食に対する理解を深める取組を行っている。

来年度の活動計画

昨年度から実施している、生徒会活動におけるユネスコスクール活動を生徒が計画・申請する仕組みについては次年度も継続して実施していく。加えて、活動の承認による全校生徒の意識の向上だけでなく、生徒会の組織の一つである、放送専門局と協力して、全校へのユネスコスクールの4つの基本分野を全校に周知する活動などを実施することで、自分の所属する委員会以外の活動に対しても意識を高めることができるような取組を実施していきたい。
今後もSDGsを切り口とした学習活動を各教科で行っていくことで、社会問題を自分事として捉え、持続的に目標に向かっていけると考えている。