2019年度活動報告
本年度の活動内容
減災・防災, エネルギー, 環境, 文化多様性, 世界遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 福祉
本校は、小中一貫で「グローバルな視点」からの児童・生徒の育成を目指しており、学習指導要領に示されている持続発展教育を実施しているが、各教科等の学びを統合したり、有機的に関連付けたりすることを意図的に行っている。そうすることで生徒自身が持続可能な社会の構築に向けての当事者意識をもつものと考える。
それには、教科等で培った持続発展教育に関する知識・理解等を、総合的な学習の時間や特別活動の時間を利用して行動化することが大切である。教育活動全体で持続発展教育に向かう共通理解を、生徒と教師、保護者、地域・社会に図ることになるからである。必要な教育資源(様々なネットワーク、実践資料等)を獲得し、その意義を共通理解しながら生徒とともに活動に取り組んでいる。
① 生徒会活動におけるユネスコスクール活動 本校は、生徒会活動において、ユネスコスクールの4つの基本分野に基づいた委員会活動を推進している。具体的には、「ユネスコスクール活動認定」として、ユネスコスクールの4つの基本分野に基づいた委員会の活動を表彰し、全校にユネスコスクールの理念および取組について校内放送等を通じて発信している。活動例としては、次のようなものがある。 環境教育に関しては、ペットボトルキャップのリサイクル、給食で使用する牛乳パックのリサイクル、牛乳パック洗浄の際の節水の取組などを実施した。また、生徒会役員会の世界寺子屋運動への継続的な参加を行っており、今年度は、書き損じはがきの回収を12月に周知し、1月に実施する予定である。 異文化理解教育の推進に関しては、委員会活動の一環として、諸外国の伝統的なスポーツを紹介するポスターの掲示や、日本語の起源や、諸外国における日本文化が取り入れられた例を紹介するなど、新たな取り組みを実践した。 人権、民主主義の理解と促進については、生徒会主体であいさつ活動を実施し、いつでも・どこでも・誰に対しても、気持ちのよいあいさつを実施できるように、毎朝あいさつ運動を行っている。また、教職員から、生徒のあいさつの変化をインタビューし、さらなる改善を行っている。 地球規模の問題に対する国連システムの理解については、開発途上国の現状を伝える本をはじめとした学校図書館におけるESD特設コーナーの設置、開発途上国の問題を周知するプリントを作成、配布実施した。
② 社会参画力を育む総合的な学習の時間の実施 当校は、変化の激しいこれからの社会において、地球的な規模の問題や課題の解決に向けて、英知を結集して取り組むことができる人材の育成を目指している。よって、これからの社会の問題やその在り方について着目したとき、社会で必要とされる資質や能力、持続可能な社会の構築に向けて自らが参画していく力や態度、いわゆる社会に参画する力が求められる。 これらを踏まえ、社会参画力を育成する総合的な学習の時間を実施している。生徒は、自らの興味・関心に基づいた課題を設定し、インタビュー活動や他者に発信する探究的な学習を行っている。 第3学年では、ジェンダー・環境・異文化理解等、ユネスコスクールの4つの分野とも関連の深いテーマについて研究する生徒も多い。1年間の学習を終え、生徒は、主体者意識をもち、理想とする社会の実現のために自分たちにできることを具体的な行動で述べてようとしていた。研究の課題に対する結論を自分ごととして捉え、実生活で実践できることを伝えようとしている姿から、社会の一員として一翼を担うことの意識や態度を身に付けていたといえる。
③ 旅行的行事におけるESDとの関わりを意識した学習 第1学年では防災・地域、第2学年では防災、第3学年では平和に対する理解を深められるような旅行的行事を実施している。例えば、第3学年では長崎への修学旅行において、長崎大学教育学部附属中学校との交流や被爆体験者講話など、平和に対する理解を深める学習を継続的に実施している。 |
来年度の活動計画
同じくユネスコスクールである北海道教育大学附属札幌小学校と、互いの学校のユネスコスクールとしての取組について、ポスター形式で交流を実施した行った。また、第
1学年の総合的な学習の時間では、地名の由来にもなっている「藍」の栽培や藍染めについて、附属小学校や地域の市立小学校で紹介を行っている。今年度も、紙芝居形式で紹介し、地域の文化を紹介する活動を行った。
昨年度から実施している、生徒会活動におけるユネスコスクール活動を生徒が計画・申請する仕組みについては次年度も継続して実施していく。加えて、活動の承認による全校生徒の意識の向上だけでなく、生徒会の組織の一つである、放送専門局と協力して、全校へのユネスコスクールの4つの基本分野を全校に周知する活動などを実施することで、自分の所属する委員会以外の活動に対しても意識を高めることができるような取組を実施していきたい。