2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

海洋, 減災・防災, 環境, 持続可能な生産と消費

本校は、「持続可能な社会の形成者となるための資質・能力を身につける。」を学校目標として、ESDを「多面的、総合的に考える力 コミュニケーションを行う力、つながりを尊重する態度」と捉え、ESDの実践を通して自然環境や風土、歴史について理解し、広い世界観に基づき、視野を広げ郷土を愛する心を育てることとした。

具体的には、①地域の環境理解に関する取り組み、②地域の歴史文化に関する取り組み、③防災減災に関する取り組みを継続した。

①地域の環境理解に係わる活動

2019年より始めた「知床ゴミゼロ運動」を近隣4校に活動の輪を広げ実施した。本来は、同じ日程での実施を考えていたが、コロナ禍でもあり、それぞれの学校でできる形の「知床ゴミゼロ運動」となった。本校では、野付半島の強歩遠足に合わせ取り組んだ。地域の重要な水産資源であるサケ・マスを取り巻くサケ学習を行った。年間を通してサケを中心に学び5月に飼育管理した孵化稚魚の放流、シロサケの産卵行動観察およびシロザケ・カラフトマス解剖・人工授精実習、11月~発眼卵の飼育管理実習、サケ解体実習として地域の漁協と協力した郷土料理作りを実施した。さらに、地域の重要水産生物であるホタテをテーマに理科及び家庭科で解剖実習から調理実習へ発展させた。また、海洋実習としてホエールウォッチングやカレイ釣り、プランクトンの観察を行った。また、間伐材の再利用を視点とした学習で取り組んだキノコのほだ木管理とナメコやクリタケの収穫を実施した。また、畑作りからソバの栽培・収穫までを行い地域の産業の理解を促した。標津湿原の環境保全を目標にトドマツからの精油抽出に取り組んだ。

②地域の歴史文化に係わる教育

地域のアイヌ文化に焦点を当て、ポー川史跡自然公園にて本校1年生を対象に地域巡検を実施した。生徒がガイドを務めることで異文化理解が深まり、効果的な巡検ができた。また、野付巡検を行い地域の交易拠点としての野付半島の歴史を多面的に学習した。また砂嘴の形成にまつわる地質学的学習を行い、海岸植生を中心とした豊かな自然環境への理解を深めた。さらに、海岸に流れつく海洋ゴミを回収し、海洋環境への関心を高めた。

③防災減災に係わる学習

本校の避難所としての機能を確認し、町役場との連携を深めながら防災減災教育を推進した。今年度は、防災研修を3月及び8月に実施、その成果を町内小中学校へ還元した。また標津町オリジナルHUGを用いた標津中学校への出前授業を行い、防災を通して中高生の交流を深めた。小中学校との防災に関わる出前授業を通して、本校と町役場で推進している「地域循環型防災教育」に取り組んだ。

来年度の活動計画

  1. 教科横断的にESDの視点で実践できる教育活動を検討する。環境活動・防災活動などユネスコスクールの視点を意識した活動を各教科で意識する。
  2. 生徒会活動を中心に近隣市町村のユネスコスクール間の交流を深める。
  3. 継続した環境活動・歴史文化理解を実施することで郷土愛を深める教育活動を行う。