2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 気候変動, エネルギー, 環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, 福祉, 持続可能な生産と消費, 食育

本校は昨年度末の「『上士幌学』学習発表会」を経て、今年度から「地域を理解し、地域社会の未来に寄与する人材」を育成するために「自分の意見や考えを話し伝える力」を養うことをスクール・ポリシーに据え、主として3年生の選択科目で従来以上にSDGsの目標を意識した授業に取り組ませた。

学習発表会の様子

例として「上士幌学」では「異文化学習および文化の多様性と文化遺産」を踏まえて、アイヌ民族についての学習に「現在のアイヌが置かれた状況」を取り入れ、町内企業に勤務するベトナム人労働者とのリモート対話を通じて国境を越えた労働力の移動とその理由について理解することができた。また旧国鉄時代の橋梁を「産業遺構」と位置づけ、見学と、かつて主産業であった林業の盛衰を含めて学習した。他にも測候所の協力のもとで「十勝の気候の特徴」や学芸員の協力による「十勝石の採集」「オサムシの固有種採集と同定」、改良普及員の指導による「作物の作付、収穫と生育調査」、さらには昨年12月には町民や小学校で発表会を行い、生徒自ら説明し質問に答えることで学習内容を深化させた。
また、6次産業を展開する事業所を見学したり、「ライフデザイン」では町内事業所の協力を得てパンの商品開発と販売に取り組み、「持続可能な開発および持続可能なライフスタイル」について考えさせた。

販売会の様子

さらに「社会教養」では「性の多様性」「外国人技能実習生の現状」など現代社会の課題についてドキュメンタリーの視聴と考察を折に触れて取り入れ、スクール・ポリシーにある「自分の意見や考え」を表明しながら異なる意見にも目を向ける機会を持たせた。
2学年では「地球市民および平和と非暴力の文化」を意識して見学旅行で広島を訪れるための事前学習と事後学習によって核兵器禁止条約を巡る世界と日本政府の姿勢について、事実を基に平和な世界を実現するために必要なことは何かについて考察を深めさせた。

 

来年度の活動計画

1 3年生選択科目「上士幌学」「ライフデザイン」の深化と精選

「上士幌学」については6年を経過して題材がほぼ固定した半面、まとめの段階で内容を十分消化しきれていない現状を踏まえて題材を精選し、発表で生徒自らまとめと発言、質問への対応が十分できるような準備時間の確保を目標とする。
「ライフデザイン」については今年度から始まった取り組みを更に充実させるため、関係機関との連携を基に計画を策定する。

2 SDGsと日常生活のつながりを理解する

昨年度に記載した1・2年生に向けた取り組みについては核兵器の学習以外が未達成であったことを踏まえ、教育計画を策定する段階からSDGsの各目標とリンクさせ、日常生活との繋がりを具体的に理解させることを主眼にする。

3 外部との積極的な接触を促す

学習に自信のない生徒が多い状況は変わらず、事務局が提供する講座や交流事業への参加は不発に終わったが、意欲ある有志を募って参加させることを持続する。