2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 減災・防災, 環境, 文化多様性, 国際理解, 平和, その他の関連分野

①  「総合的な学習/探究の時間」における探究活動(通年)

 第1学年の「総合的な探究の時間」のカリキュラムを大きく改訂し,グローバル な社会課題である「平和」をSDGsと結びつけて多面的に考え,その中から各自が探究課題を設定するまでの学習を行った。具体的には平和記念資料館訪問と外国人へのインタビューなどのフィールド活動,「□□×SDGs」と名づけた学問・企業・行政の3つの方向からSDGsについて考えを掘り下げていく学習,学術の現場に携わる先鋭的な研究者から探究活動の在り方について聴く活動といった複数のフェーズを経て自己の生き方在り方と結びつく探究課題を現代社会の中に見出していった。また,その先行的な試みとして第2学年の「総合的な学習の時間」においても「平和で持続可能な社会を実現するためのMy Project」を大テーマとして,生徒一人ひとりが探究活動を行い,その成果を発表会におけるポスターセッションという形式で広く発信している。


 ②国際理解に係わる学習活動
 ア ハワイ修学旅行(10月)
 普通科普通は,オアフ島を研修地として,昨年同様ハワイの自然・地理,歴史・ 文化,産業・社会,そして平和について学ぶ多様なプログラムを体験した。本年度は事前研修の際にアリゾナ記念館の意義について力をいれることとした。また,本校の姉妹校であるモアナルア高校を訪問し,スクールツアーやモアナルア高校生徒との対話やダンス・ゲーム等による交流を通して,彼我の文化における共通点や相違点を意識化し,多面的・多角的な見方・考え方を身に付けた。
普通科理数コースは,ハワイ島を主たる研修地として,世界遺産キラウェア火山の周遊および付属施設の見学,マウナケアステートパークでの活動,HPA校・ヒロ高校との学校交流など自然観察と体験を重視する本校独自のプログラムによる研修を行った。自然現象の不思議や自然の摂理の巧妙さに驚くとともに,その美しさと荘厳さを実感し,科学的探究への関心と意欲を高めることとなった。
 イ 米国姉妹校(BCA校)訪問(3月予定)
本校の姉妹校である,米国ニュージャージー州のBCA校(Bergan County     Academies)を訪問し,教育や科学研究の分野における探究活動の成果発表,意見交換,授業参加を行う。(昨年3月はBCA校の生徒が本校を訪問して活動成果発表会や共同学習を行った。)この交流を通して,外国語による実践的コミュニケーション能力を高め,世界に向けて情報発信をすることができる力を身に付ける。

③地域の視点で捉えた社会課題の解決に係わる学習および活動

ア 福島県立ふたば未来学園高等学校との交流(12月)

東日本大震災からの復興を目指し,その取り組みについて学習と実践を続けて いる福島県立ふたば未来学園高等学校の生徒12名が来校し,本校の希望生徒およそ20名とともに,被爆の実相に関わる伝承を軸に国際平和活動を続けるNPOの方によるワークショップ,原爆をテーマとする高校生の創作劇鑑賞と,創作・上演した高校生たちとのトークセッションを行った。また,国土交通省の職員を招いてのワークショップで「港の賑わいを取り戻す」をテーマに,広島湾の現状と課題の解決策について議論した。これらの活動を通して協調性や課題発見・解決力を養い,自分たちが主体となって未来を切り拓くことの意義を再認識することができた。

イ 「ひろしま湾さとうみ創生コミュニティ」(国土交通省主催広島湾再生プロジェクト)に参加(5月~)

 今年度も本校は上記のプロジェクトに参加し,広島湾に関わる様々な研究あるいは社会的活動を行っている大学関係者,一般企業,一般市民,行政関係者とともに,「人々が海の豊かさを享受できる広島湾」を実現するためのプロジェクトを進めている。今回も高校生の立場から自分たちのアイディアをどのような形で実行しているかをポスターの形で発表した。これらの活動を通して社会にコミットする探究活動の在り方を学び,より深い思考力と高い課題解決能力を身に付けることができた。

来年度の活動計画

本校は、「グローバル化の進展に対応し,高い志をもって世界の人々と協働して新たな価値を創造することのできる人材の育成」を教育目標として掲げ,ESDの方法論を「学習者基点の協働的で深い学び」と捉え,その実践を通して知・徳・体全般にわたって高いレベルでバランスがとれた生徒の育成を図ってきた。本年度はWWLの拠点校指定を機に,「グローバルな視野と強い使命感をもって持続可能な社会の構築や国際社会の平和と発展に貢献する人材の育成」を目標に加え,より焦点化した取組を目指す。

主な内容としては,課題発見・解決学習と異文化間協働活動の推進を柱とした①「総合的な学習/探究の時間」における平和及びSDGsを意識した学習/探究活動,②国際理解に係わる学習活動,③地域の視点で捉えた社会課題の解決に係わる学習および活動である。