2018年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 気候変動, エネルギー, 環境, 国際理解, 福祉, 持続可能な生産と消費, 健康, 食育, エコパーク

本校は、「住み続けられる(持続可能な)町づくり」を活動テーマとして、ESDを児童を取り巻く地域に根ざした環境教育と捉え、ESDの実践を通して自分たちにできることを考え実行し、発信する力の育成を目標とした。

具体的には、環境、資源、産業を柱に、①川の環境に係わる学習、②ゴミ減量に係わる学習、③産業に係わる学習、④学校森に係わる学習を行った。

① 川の環境に係わる学習

 特別支援学級、2、3年生を中心に川の生態や川を取り巻く環境についての学習を行い、身近な川への関心を高め、川を守っていこうとする態度を育てることを目標とした。特別支援学級や2年生では、川に生息する生き物を調べたりライフジャケットを使用して川の流れに乗ってみたりなど体験的な活動を中心に行った。多くの生き物が身近にいること、川では様々な遊びができることを改めて肌で感じることができた。3年生では、ゲストティーチャーを招いて川の周りに生息する動植物の観察や川の環境を守っていく護岸工事見学なども行った。川を守ることが地域の環境を守ることにつながることに気付く児童が多く、環境教育の課題を自ら見付けるきっかけの学習となった。
② ゴミ減量に係わる学習

 4年生は「エコ探検隊がゆく」という総合的な学習の時間で、自分たちにできるエコロジー・エコノミー活動を考え、学校全体に発信できることを目標とした。環境的・経済的によいことをゴミ減量活動とし様々な観点からゴミを減らす活動に取り組んだ。給食の残さいを減らすためのポスター作製、各教室のゴミ分別調査を行い学校全体がゴミへの意識を高められる活動、リディースの観点から「ふくのわプロジェクト」に参加し、全校児童から使わなくなった洋服を集めパラリンピック支援に協力するなどの活動、学校のすぐ前を流れる大栗川の清掃活動を行った。活動内容を「多摩エコ・フェスタ2019」に報告し学校外への発信にも努めた。これらのゴミ減量活動を継続的に行うことで、これからの将来の環境や経済につながっていくことを児童の話し合いの中からも意見として出され、今後への意識を高めていくことにつながった。
③ 産業に係わる学習

 5年生は、学校田を生かした稲作づくりを通して、これからの産業・食について自ら課題をもち、課題について主体的に解決できる力をもつことを目標とした。学校田は、学校林である「ひのきの森」の湧き水を水源としていることを学び、昔ながらの稲作を行うために防虫・防鳥のための案山子づくりやニンニクスプレーなどを自分たちで考え実行した。代かきから脱穀まで昔ながらの稲作を行うことで、伝統的に受け継がれてきた栽培方法や農家の人々の苦労を知ることもできた。収穫後は、米を使った料理を調べることで、米が様々な料理や材料とされていることにも気付き、産業の中心の役割を担っていることにも気付いた。また、現在の日本の米の収穫量や消費量に目を向けることで新たな課題をもつこともできた。
④ 学校林に係わる学習

 6年生は、学校林である「ひのきの森」をこれからも残し守っていくための活動を行った。体験を通して、私たちを取り巻く自然の現状や社会にある諸問題を理解する力、解決策を多面的・総合的に模索できる力を育むことを目標とした。将来も森を残していくために、「ひのきの森プロジェクト~全校児童に親しまれる森づくり~」をテーマとし、安全を確保するための定期的な整備活動、憩いの場になるように廃材を利用した椅子やアスレチックの作製活動などを行った。身近な「森」という環境に改めて目を向け考えることで、新たな発見や身近に残る貴重な自然を残していきたいという気持ちが高まっていた。

3年 護岸工事見学

特別支援学級 大栗川体験

5年 田起こし

6年 ひのきの森プロジェクト

来年度の活動計画

 本校は、目の前に大栗川、学校敷地内にきょうだい学級畑や学校田、「ひのきの森」とよばれる学校林を有し、様々な環境に取り巻かれている。これらのことから、継続的にどの学年でも地域に根ざした環境を生かした学習を行っていく。1年生では、学校畑を利用した体験活動、特別支援学級・2・3年生では大栗川での体験活動や川の生態調査などの環境教育、4年生では3年生で学んだ川の環境の現状という視点から、具体的な活動内容をゴミ減量に視点をあて、どのような活動ができるのかを考え実践する活動を行う。5年生では、学校田を活用し、田起こしや田植え、稲刈りまで実際に行うことで日本伝統の米作りを知り、米料理や日本の米の生産などの調べ学習を通して、伝統的な産業や現在の日本の農業に桶う課題について学ぶ。6年生は学校林「ひのきの森」を通して、身近に残る大切な自然を未来に残していくためにできることを課題とし、課題を自ら追究し行動する活動に取り組んで行く。

 平成31年度は、自分たちを取り巻く地域の環境として各学年の学習のつながりを感じながら、どの学年でも活動の中から自分で課題を見付け設定し、友達や校内、学校外へと発信する活動などを行えるようにしていきたい。また、身近な環境を守るために自分たちにできることは何かを考え、より具体的に自分たちが実行できる活動を模索し実践を促せるようにしていく。高学年では、身近な環境をきっかけに、エネルギーについても着目し、より広い視点で捉えられるような働きかけも行っていく。