2022年度活動報告
本年度の活動内容
生物多様性, 海洋, 減災・防災, 気候変動, エネルギー, 環境, 国際理解, 人権, 福祉, 持続可能な生産と消費
本校は、「ひのきの力を育む東寺方ESD~住み続けられる町づくり~」を活動テーマとして、ESDを地域に根ざした環境教育と捉え、ESDの実践を通してひのきの力(ひ:人・自然との関わり、の:のびる学力、き:きく・はなす・つかむ)の育成を目標とした。具体的には、環境、資源、産業、防災を柱に、①川の環境に係わる活動、②省エネに係わる教育、③学校林に係わる学習を行った。
① 川の環境に係わる活動
特別支援学級、2.3年生を中心に近隣を流れる大栗川を取り巻く環境、生息する動植物の生態についての学習を行い、身近な川への関心を高め、水資源を守っていこうとする態度を育てることを目標とした。特別支援学級や2年生では、体験的な活動を中心に、川に生息する動植物を見付けたり、川の流れを感じるためのいかだ作りを行ったりした。体験を通して多くの生き物が身近に生息することや川での様々な遊びを肌で感じることができた。3年生では、ゲストティーチャーを招き「地域トレジャーハンター」となって大栗川の再発見から、川を守っていくことが地域の環境を守っていくことにつながることに気付きながら学習を進めることができた。環境問題の課題を身近に捉えることのできるきっかけとなる学習となった。
② 省エネに係わる教育
4年生は「エコ探検隊!」のテーマのもと、エコロジー・エコノミー活動を中心に学校全体にどのような省エネルギーの取り組みが提案できるかを考え実践した。環境的・経済的な面からごみ減量に取り組み、3Rを意識した呼びかけを行った。段ボールコンポストに取り組みを通して家庭ごみの量の多さに気付くことができた。身近な環境問題を体験的に行うことで、省エネを通して、環境問題へとつなげることができた。
③ 学校林に係わる学習
6年生は、学校林である「ひのきの森」をこれからも残し守っていくために「ひのきの森プロジェクト~ひのきの森から世界を変えよう~」のテーマのもと活動を行った。ひのきの森の未来を予想することで、自分たちにできることは何かを考え、各課題を設定し取り組むことができた。
本プロジェクトでは、全員の共通体験として、「ひのきの森のフィールドワーク」「八ヶ岳移動教室での林業体験」「移動式えねこや体験」を行った。それらの体験を通して様々な気付きや発見をする中で、現在の地球の自然環境への問題意識をもたせた。そこから出発して「森を生かす・保つ」「森を守ることにつながる再生可能エネルギーに目を向ける」という2つの課題を導き出した。その課題から、森林の果たす役割や森林のもつ力に目を向け、森を生かすという視点で学習活動を進めるグループと気候変動や地球温暖化の中で森林への影響を考え、再生可能エネルギーに目を向けるグループに分かれた。森を生かすグループは、森の道を整備したり、木を使った小物や遊具を作ったりした。再生可能エネルギーに目を向けるグループは、環境に配慮した電力発電や省エネの視点から活動を行い、LEDを使用したメッセージボードを作成し、多摩市の駅前に設置することで全校児童だけでなく広い地域にも環境の大切さを呼びかけることができた。ひのきの森の広報活動グループは地域の方々に学校林への愛着をもってもらうために、多摩市オンライン文化祭にて、各グループの活動内容の紹介。SDGsや学校林の紹介ポスターを作成した。身近な「森」という環境と見つめ向き合い、残していく活動を通して、より広い視野をもつことができた。
来年度の活動計画
本校は、近隣に大栗川が流れ敷地内には学校畑や田んぼ、「ひのきの森」と呼ばれる学校林を有しており様々な環境に取り巻かれている。これらの地域環境を生かし、どの学年でも継続的に地域に根ざした環境教育を行っていく。低学年、特別支援学級では体験的な活動を中心に身近な環境と触れ合い、環境教育の素地を養う活動を行う。中学年では、低学年で学んだ活動を生かし、自ら課題をもち取り組む、課題解決学習を通して具体的な活動を計画実践していく。高学年では、今までの学習を生かし学校田や学校林、防災教育を入り口により広い視野をもった活動に促せるように計画実施していく。
学校全体で、それぞれの活動内容がSDGsのどの目標につながっているのかを念頭に置きながら活動していくことで児童により広い視野をもたせることにつながる。学校全体や各学年のESDへの取り組みを掲示し学校内外への発信を常に行っていく。