2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

人権, 福祉, 減災・防災

~本年度の活動内容~
本校は,「支え合って生きる~多様な人々との協働~」を活動テーマとして,ESDを福祉教育・人権教育・防災教育と捉え,ESDの実践を通して,持続可能な社会の担い手に必要な知識,能力,価値観を身に付け,「支え合って生きる社会」の担い手の一人として,その力を発揮できるようにすることを目標とした。
具体的には,総合的な学習の時間を中心に,生活科・社会科・道徳科「福祉教育・人権教育・防災教育」を柱に,①ユニバーサルデザインに関わる学習,②福祉に関わる学習,③防災に関わる学習を行った。

①ユニバーサルデザインに関わる学習(4年)
身近にあるユニバーサルデザインの文房具を実際に使ってみて,ユニバーサルデザインについて興味を持たせた。パソコンや図書を活用して,身近にある文房具の中にあるユニバーサルデザインを調べ,特に興味をもった文房具について自分のアイディアを取り入れたデザインを考え,その良さを発表した。また,学校の中で取り入れられるユニバーサルデザインについてグループで探し,話し合った。
多くの児童が,ユニバーサルデザインの意味を理解することができた。また,身近にあるものがユニバーサルデザインであることに気付き,障害のある方のためだけではなく社会のために役立つデザインであると理解することができた。

②防災に関わる学習(6年)
社会科の「新しい日本,平和な日本へ」の学習の中で,東松島市震災復興伝承館と松島町石田沢防災センターを見学した。東松島市震災伝承館で語り部ガイドの話を聞き,映像資料,展示資料などを見学した。石田沢防災センターで,松島町の職員の話を聞いたり,施設を見学したりして,防災センターの目的や設備等について知った。
震災の当事者の生の話を聞くことで,本やテレビ等の情報以上に心に響くものがあった。震災当時のことをほとんど覚えてない子供たちにとって,大変貴重な経験となった。

③福祉に関わる学習(3年)
日本盲導犬協会の協力を得て,盲導犬の訓練や仕事について学習した。今年度は感染症対策のため,協会の方の話を聞いたり,訓練や仕事の様子を実演したりしていただいた。人と盲導犬の信頼関係と絆を目の前で感じることができた貴重な時間だった。国語の教科書から「盲導犬の訓練」はなくなったが,目の不自由な方の目線で物事を考えたり,盲導犬のことをより詳しく知ったりするのにとてもよい機会だった。目の不自由な方にどう接していくべきか,自分にできることは何かをじっくりと考えることができた。
点字機を活用し,視覚障害について考えながら,自分の名前などを打つ体験学習を行った。点字を打ったり,友達の名前などを指先で感じながら読んだりすることができることを体感することができた。目が不自由でも点字機を使って書けること,指先で点字を読めることを体感できたことは,子供たちが体の不自由な人のことを理解する上でとてもよい経験となった。これらの活動から「これから自分たちにできることは何か。」をこれまで以上に興味深く考えながら,課題を設定し,調べる学習を進める姿が見られた。
※その他の学年については,低学年においては感染症予防のため今年度は実施できなかった。5年生については,今後SDGSのスタートブックを使い,関心のある目標について学習していく予定である。

来年度の活動計画

〇1年(生活科) 実施時期:1月
・保育園,幼稚園との交流を通して,思いやりの気持ちをもって接する態度を育てる。
(感染症予防対策のため,代替案として,八木山動物公園での動物の見学から,野生生物について知る活動も検討中)

〇2年(道徳科) 実施時期:7月
・人権教室を通して,友達と仲良く学校生活を送ることの大切さに気付く。
(感染症予防対策のため,代替案として,うみの杜水族館の見学から,海の生き物について知る活動を検討中)

〇3年(総合的な学習の時間) 実施時期:12月
・盲導犬体験やキャップハンディ体験を通して,助け合いや協力の気持ちを育てる。

〇4年(総合的な学習の時間) 実施時期:5~9月
・ユニバーサルデザインがつくられた意義を知り,障害のある方の視点から社会の仕組み
や施設・設備等について課題を見出したり,考えたりする。

〇5年(総合的な学習の時間)実施時期:11月
・施設の人々やお年寄りとの交流を通して,課題を見出して自らの問題として捉え,計画
に基づいて実践する力を育てる。
(感染症予防対策のため代替案として,SDGSについて,資料を用いて,関心のある活動について考えたり,話し合ったりする活動も検討中)

〇6年(社会科)実施時期:11月
・子育て支援事業など,市の政治の働きについて,施設を見学したり,各種資料を活用したりする活動を通して,情報分析能力や思考力などの力を育てるとともに,支え合って生きる社会の仕組みついて理解を深める。
(感染症予防対策のため代替案として,防災に関する施設見学を行い,資料などを活用しながら東日本大震災や復興について理解を深める活動も検討中。)