2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

人権, 福祉

 本校は,「支え合って生きる ~多様な人々との協働~」を活動テーマとして,ESDを福祉教育・人権教育と捉え,ESDの実践を通して,持続可能な社会の担い手に必要な知識,能力,価値観を身に付け,「支え合って生きる社会」の担い手の一人として,その力を発揮できるようにすることを目標とした。
 具体的には,総合的な学習の時間を中心に,生活科・社会科・道徳科の時間における「福祉教育・人権教育」を柱に,①ユニバーサルデザインに係わる学習,②子育て支援事業に係わる学習 ~「赤ちゃん登校日」~,③福祉に係わる学習を行った。

① ユニバーサルデザインに係わる学習(4年)

 身近にあるユニバーサルデザインの文房具を実際に使い,ユニバーサルデザインについて興味をもたせた。パソコンや図書を活用して,身近な文房具の中にあるユニバーサルデザインを調べ,特に興味をもった文房具について自分のアイディアを取り入れたデザインを考え,その良さをまとめて発表した。また,学校の中で取り入れられるユニバーサルデザインについてグループで探し,話し合った。

 多くの児童が,ユニバーサルデザインは障害のある方のためではなく,誰にでも使いやすくなる道具であることに気付き,社会のために役立つデザインであることを理解することができた。一連の学習を通して,課題を追求する力,発表する力を付けることができた。

② 子育て支援事業に係わる学習(6年)

 富谷市子育て支援課と河北アド・センターの協力により,市内に住む1歳未満の赤ちゃんとその保護者,本校の6年生児童の交流活動。

 事前に自分の生い立ちを振り返り,母親と赤ちゃんをテーマにした絵本の読み聞かせや,当日の心構えについて学習する場を設けた。当日は6年生児童4名,ボランティア1名,母親と赤ちゃん1~3組が1グループとなり,出産するまでの思いや名前に込めた願いなどを聞かせてもらった。

 赤ちゃんと触れ合うことで,赤ちゃんの重さや温かさを実感し,自分が育ってきた環境を振り返ることができた。また,児童の振り返りシートに,自分を産み育ててくれた両親への感謝が多数書かれていた。「赤ちゃん登校日」という活動を準備していただいた「子育て支援課」「富谷市教育委員会」「(株)河北アドセンター」の方々の御尽力についても理解することができた。

③ 福祉に関わる学習(3年)

 日本盲導犬協会の協力を得て,体験活動を通し,盲導犬とユーザーについて学習した。信頼関係と絆を目の前で感じることができた貴重な時間だった。また,キャップハンディ体験学習では,富谷市社会福祉協議会の協力を得て,耳の不自由な人や目の不自由な人の理解をねらいとした体験を行った。口話やジェスチャー,白杖体験を通し,視覚障害や聴覚障害について理解を深めるとともに,福祉に関わるさまざまなことに興味をもつことができた。「これから自分たちにできることは何か。」を考えながら,調べる学習を進める姿が見られた。

※その他学年については,今後,人権について考える学習,幼稚園・保育園の園児との交流や老人福祉施設でのお年寄りとの交流などを実施予定。

来年度の活動計画

○1年(生活科) 実施時期:1月
 ・保育園,幼稚園との交流を通して,思いやりの気持ちをもって接する態度を育てる。

○2年(道徳科) 実施時期:7月

 ・人権教室を通して,友達と仲良く学校生活を送ることの大切さに気付く。

○3年(総合的な学習の時間) 実施時期:12月

 ・盲導犬体験やキャップハンディ体験を通して,助け合いや協力の姿勢を育てる。

○4年(総合的な学習の時間) 実施時期:5~9月

 ・ユニバーサルデザインがつくられた意義を知り,障害のある方の視点から社会の仕組みや施設・設備等について課題を見出したり,考えたりする。

○5年(総合的な学習の時間) 実施時期:11月

 ・施設の人々やお年寄りとの交流を通して,課題を見出して自らの問題として捉え,計画に基づいて実践する能力を養う。

○6年(社会科) 実施時期:1~2月

 ・子育て支援事業など,市の政治の働きについて,施設を見学したり,各種資料を活用したりする活動を通して,情報分析能力や思考力などの力を育てるとともに,支え合って生きる社会の仕組みについて理解を深める。