2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 減災・防災, 気候変動, 環境, 国際理解, 持続可能な生産と消費

本校は、「自ら学び、互いに協力してやり抜く生徒の育成」を学校教育目標とし、地域に根ざした防災学習を中心に据え、ESDを推進している。また、教育計画にはESD全体構想図を明記し、学校教育の様々な場面で日常的かつ意識的にESDを推進することについて共通理解を図っている。

今年度は、「体験活動及び探究活動を通して、自ら学びよく考え、課題解決に主体的に取り組む態度を育てる」ことを目標に掲げ、総合的な学習の時間(70時間)を活用して、教科横断的に実施した。具体的には「(1) 個人探究学習」(興味を持った分野をテーマとして、見いだした課題から、解決策を個人で調べ、まとめて発信する)と「(2) 防災学習」(地域と地域人材とのつながりを重点とし、災害発生時に必要な判断力や、発生後に対応できる知識や技能を身に付ける)に取り組んだ。

(1) 個人探究学習

将来にわたって持続可能な社会を築くために向き合うべき課題を生徒が見いだし、自分事として捉えさせるために、これまでの防災・減災を基盤とした学習からテーマを拡大し、気候変動による地球環境の様々な問題等について学ぶ機会を増やした。探究学習の進め方について市探究学習コーディネーターから講話をしていただいた後、防災、気候変動、海洋、食等の様々な分野の専門家から講話を受け、その中から興味を持った分野をテーマとして、個人で課題を設定し、学習を進めた。内容を海洋、環境、産業やまちづくり等に発展させ、聞き取り調査やアンケート集計、現地調査、文献研究等での情報収集、比較、分類、関連付けにより課題解決を図った。加えて、保護者、地域の方を招いて防災学習発表会を実施した。

(2) 防災学習

① 学年ごと防災学習

地震・津波のメカニズムについて大学教授から全校で講話をいただいた後、1年生は、気仙沼の東日本大震災の被害状況や当時の様子について学ぶため、気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館、リアスアーク美術館を訪問した。2年生は、他地域の津波被害状況と復興まちづくりと気仙沼市のそれを比較するため、女川町を訪問し、説明を受けながらまち歩きをした。3年生は、これまで学んできたことや考えを他者に伝えることを通して学びを深めるため、階上小学校の1~4年生へ、防災啓発活動を行い、アクサ ユネスコ減災教育プログラムで来校した先生方と意見交流を行った。

② 総合防災訓練

11月20日(日)午前に実施された階上地区津波総合防災訓練に全生徒が参加した。訓練では、避難所の受付や、安否確認の手伝いなど、中学生としてできる活動を行った。

午後には本校体育館で避難所初期設営訓練を行った。生徒が在校中に災害が発生したことを想定し、地域の災害対策本部に引き渡すまでの初期設営を目的として、感染症拡大防止の観点で昨年度改訂した設営マニュアルを基に、パーティションの設営や、受付での検温・消毒セットの準備等、委員会毎に役割を分担して活動した。階上小学校6年生と気仙沼向洋高校生徒会、地域の方々も一緒に活動した。また、階上小学校1~5年生には、有志生徒が学年毎に防災啓発活動を行った。

来年度の活動計画

総合的な学習の時間では、これまでの学習から更に視点を広げ、防災以外のテーマでの探究学習を充実させる。また、協働的な学びになるよう、他者との協力を促し、地域と地域人材を活用しながら、つながりの大切さについて考えさせる。そのため、インプット→アウトプット→リフレクションの2サイクルで設定できるよう、単元計画を工夫する。さらに、総合的な学習の時間だけでなく、各教科でも探究を意識し、推進していく。そのために、気仙沼市探究学習コーディネーターから協力をいただいたり、大学等の専門機関から指導・助言をいただいたりしながら、全校体制で進めていく予定である。