2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 環境, 文化多様性, 国際理解, 持続可能な生産と消費, その他の関連分野

本校のESD学習活動は、主に以下の三つの柱で成り立っています。
一つ目は「修学旅行を通じたESD学習」です。ユネスコスクールへの加盟申請を機に、修学旅行の学習を、学校全体で取り組む「ESD学習」と位置付けました。そして平成26年度より、全校的なESD学習活動として、第2学年500人を対象とした「課題探求型学習」をスタートしています。教育課程の異なる4つのコースの修学地(沖縄、シンガポール、オーストラリア)に対して「持続可能な社会の発展に向けての街づくり、国づくり」を共通のテーマに定め、1班4~5人に分かれて、5つの研究領域(①少子高齢化 ②経済 ③環境 ④平和 ⑤異文化理解)から一つを選択し、事前学習→ 授業公開週間での中間発表 →現地学習 →まとめ学習(研修記)→全体発表(プレゼンテーション)の流れでESD学習を実践しています。本年は、2020年度は新型コロナウィルスの影響で、沖縄への修学旅行を3月に変更し、これから予定しています。
修学旅行を活用した「課題探求型学習」は、現地学習(フィールドワーク)を含むため、生徒が事前学習で得た知識を、現地での体感とともに確認でき、学びに対する充実感や達成感が得られることが期待できます。今後は、問題基盤型学習(Problem Based Learning)の手法を取り入れ、評価方法とともに「ESD課題探究型学習」をさらに発展させていければと考えています。
二つ目は、本校国際コースの「異文化学習」です。これまで10年以上にわたり、JICAの研修員や中部大学の教授を招き、「総合的な学習の時間」や学校設定科目である「異文化理解」の時間に、「異文化理解、並びに発展途上国に対する望ましい国際協力の形」を学習してきました。現在カナダとオーストラリアに交流校がありますが、今後はさらに海外の交流校を増やし、異文化理解の「生」の学習機会を増やしていく計画です。
三つ目は、本校インターアクトクラブ(ボランティア活動クラブ)の「地域貢献活動」です。これまで10年以上に渡り、週末に地元地域の高齢者施設、障害者施設、学童保育施設を訪れ、施設のお手伝いや、施設の人々を元気づける娯楽等の企画を立案・運営してきました。現在は約90人まで部員数が増え、年間を通じて40か所近い施設で、多彩な地域貢献活動を行っています。今後は、その活動領域を外国に広げ、国際化を目指していきます。
本校は、これまでの教育活動を「ESD」の概念に照らして見つめ直し、その教育内容の充実へとつなごうとしています。ESD学習を通じて、生徒が実社会に目を向け、自分の未来像を描くきっかけとなるように、今後もESD学習を発展させていきたいと考えています。
また、令和2年度は本校三回目のグローバルミーティングを予定していましたが、新型コロナウィルスの世界的な蔓延のために中止せざるをえなくなってしまいました。感染の終息を待って、今後こもの活動をさらに広げていき、ますます世界とのつながりを増やしていきたいと考えています。

来年度の活動計画

2021年度はさらにSDGsを意識した活動を目指していく予定です。修学旅行に関して各班がまとめる報告書や毎年11月に行っているESD学習報告会にも取り入れていき、さらに具体的にゴールをイメージすることによって、自分たちが探究しているものが地域や世界の人々とどのように関わっているのかを認知することができると考えました。
また、グローバルミーティングをより大規模な活動にしていき、本校が起点となって多くの学校機関が世界と繋がることができるようにさらに努力していきたいと思います。加えて、日々の教室での学習が、社会とのつながりの中にあると感じられるような取り組みを目指していきたいと思っています。