2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

世界遺産・地域の文化財等, その他の関連分野

人口知能や情報技術の進化,グローバル化の進展により,社会は急速に変化し,予測不可能な時代を迎えている。これからの社会では,「習得した知識・技能を活用して,何ができるようになるのか」が求められている。このような社会の状況に対し,社会や人生をよりよいものにしていくのかという目的を自ら考え,自らの可能性を発揮し,よりよい社会と幸福な人生の創り手となるための資質・能力が身に付く学校教育を実現する必要がある。

当校の学校教育目標は『知性の高い生徒になる』である。昨年度,学校教育目標を改めて見つめ直し,「知性の高い生徒」は,これからのよりよい社会と幸福な人生の創り手に向かう持続可能な姿であることを共有した。また,学校教育目標を実現する生徒の姿として『自己実現に向けて努力する生徒』と定義し,実現するための具体的な4つの具体的な姿を掲げた。この具体的な姿は,自主と協働の往還の中で資質・能力を発揮し,その過程を振り返り自覚することを通して磨かれていくと考える。

【目指す生徒の姿】 自己実現に向けて努力する生徒

【具体的な生徒の姿】

〇自ら考え判断する(ESD:体系的な思考力,代替案の思考力,データや情報の分析能力)

〇自分の思いを表現する(ESD:コミュニケーション能力)

〇認め合い励まし合う(ESD:持続可能な開発に関する価値観,コミュニケーション能力)

〇挑戦しやり抜く(ESD:リーダーシップの向上)

当校ではこれまで,資質・能力を育成するために,教育ファシリテーションを用いて,単元・題材の中で「主体的・対話的で深い学び」を構想し,授業改善を行ってきた。今年度は,研究主題を「自己実現に向けて努力する生徒」の育成とし,次のような活動を行った。

1 深い学びの実現向けた一人一人の主体的な授業改善

新学習指導要領では,『「主体的・対話的で深い学び」の視点に立った授業改善を行うことで,学校教育における質の高い学びを実現し,学習内容を深く理解し,資質・能力を身に付け,生涯にわたって能動的(アクティブ)に学び続けるようにすること』が示されている。当校では,昨年度「深い学び」を授業改善の視点として研修を進め,曖昧であった「深い学び」や「見方・考え方」等,実践を通して理解を深めることができた。一方で,深い学びの実現に向けて次のことが課題として見えてきた。

・深い学びの実現に向けた職員一人一人の授業改善の課題は異なること。

・「自ら学びを求める主体的な研修」に変えていく必要があること。

・実践の有効性を検証するための授業評価をしっかりと行い,成果と課題を明確にする必要があること。

そこで今年度は,深い学びの実現に向けた一人一人の「目指す授業」「授業改善の重点」を明確にして研修を進めた。全職員が2回(春と秋)授業公開を実施し,授業改善に取り組んだ。授業をやりっぱなしにせず,授業評価を行い次への課題を明確にし,成果発表会で互いの実践を共有した。

2 目指す生徒の姿の実現に向けた学校行事・総合学習の取組

①学校行事

目指す生徒の姿を育成するために,学校行事の目的(ねらい)を明確にして教育活動を実施した。体育祭は「挑戦しやり抜く・認め合い励まし合う」力を育成する等,目指す生徒の具体的な姿を明確にして取り組んだ。また,当校では体育祭・演劇発表会・合唱発表会と三大行事がある。体育祭は全校,演劇発表会は学年,合唱発表会は学級と集団が小さくなるにつれて一人の果たす役割・責任が大きくなるように工夫した。また,学校行事で学んだことを,日常生活でもできるように,学校行事と日常活動の往還を大切にしながら実施した。

②総合学習について

学校教育目標の実現に向けて,これまでの総合学習を見つめ直した。3年間の探求活動を通して,自分の生き方を見つめ直し,これからの生活に対して決意をもてるように,4つのタームとテーマを設定した。第1ターム「身近な地域」第二ターム「働く」第三ターム「持続可能な社会」第四ターム「卒業発表」とし,それぞれのタームを探求し,学んだことを実際に行動に移していく中で出会った様々な人の生き方を学んでいけるようにした。

来年度の活動計画

よりよい社会と幸福な人生の創り手に向かう持続可能な姿である当校の教育目標「知性の高い生徒になる」,その実現に向けた目指す生徒の姿「自己実現に向けて努力する生徒」の実現に向けて次の点に取り組んでいく。

1.質の高い教育活動の実施に向けて

①資質・能力を育む深い学びを目指した授業の充実(R2継続)

・個の課題解決を中心とした研修の継続・充実を図る。

②個と集団の成長を促す意図的な活動の重視

・三大行事を核に,行事と日常活動の連動を図り,リーダーとフォロアーの役割の理解・習得・定着を図る。

・事前活動(目標設定)と事後活動(振り返り)を重視する。

・ねらい達成に向けた適切な活動期間を設定し活動計画を共有する。

③生徒会活動の活性化

④自己を理解し,自己の生き方を考える機会の設定

・自分の生き方を見つめ直す総合的な学習の時間の実施(R2継続)

2.教育課程の編成・実施・改善

①目的(ねらい)を明確にした教育活動の実施

②機能する学校評価の実現

3.学校運営の基盤

①ファシリテーションを核とした支持的風土の醸成

②GIGAスクール構想の積極的活用

③地域と共にある学校 ※コミュニティースクールへの円滑な移行