2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等

当校の学校教育目標「知性の高い生徒になる」は,現在置かれている状況や直面している課題を的確に把握し,それを乗り越えたり解決したりするために,今何をすべきかを,既有の知識・経験・方法を総動員して探索し,よりよい自己・よりよい社会の実現に向けて真剣に努力する生徒」である。この姿こそ,これからの変化の激しい社会をたくましく生き抜いていく持続可能な力であると捉えている。
当校では,4つの資質・能力を設定し,授業や行事等において育成する資質・能力を明確にして取り組むことができている。※4つの資質・能力は,持続発展教育(ESD)の課題解決に必要な「7つの能力・態度」と合致している。
【4つの資質・能力】   【ESDの7つの能力・態度】
○自ら考え判断する   ←批判的に考える力,未来を予測して計画を立てる力,多面的・総合的に考える力
○自分の思いを表現する ←コミュニケーションを行う力
○認め合い励まし合う  ←他者と協力する力,つながりを尊重する態度
○挑戦しやり抜く    ←進んで参加する態度

<活動内容>

1 SDGsに関わる授業実践

・単元題材配列表を作成し,形成的評価をしながら4つの資質・能力の育成を行うことができている。また,単元題材配列表にSDGsの実践を入れ込み,持続可能な開発に向けて実践する。

2 総合学習での実践

・総合学習において,3年間の探究活動を通して,自分の生き方やこれからの生活について決意をもてるように4つのタームとテーマを設定して取り組んでいる。第1ターム「身近な地域」,第2ターム「働く」,第3ターム「持続可能な社会(SDGs)」,第4ターム「卒業発表会」とし,学んだことを実際に行動に移していく中で出会った様々な人の生き方を学んでいけるようにした。

①第1ターム「身近な地域の歴史」

身近な地域の歴史の中で,八番組(住吉行列)や明和騒動に焦点を当てます。みなとぴあ(歴史博物館)や白山公園を見学したり,地域の方から話を伺ったりして,身近な地域の歴史を学びます。学んだことを,演劇発表会で「にいがた樽砧―明和義人口伝」を題材にして表現します。

②第2ターム「働く」

働くことの喜びや苦労,働いている人から見た地域のよさや課題などを考えます。様々な職業の方から講演をしていただいたり,身近な地域で活動しているNoismを訪問したりして,働くことに対するイメージを広げます。その上で,3日間の職場体験学習を行い,これまで考えてきたことを,実際の体験を通して見直します。このように学んできたことの中から大切なことを「伝えたいメッセージ」としてまとめ,演劇発表会で表現します。

③第3ターム「持続可能な社会SDGs」

持続可能な社会を実現したりやSDGsを達成したりするためには,まずは身近なところから行動することが大切であることを学びます。そのために,生徒にとって身近な地域の課題を解決するためにインタビューやアンケートなどを行い,課題の原因や解決のアイデアを考えます。さらにそのアイデアを実現するために行動(アクション)を起こします。このように学んできたことの中から大切なことを「伝えたいメッセージ」としてまとめ,演劇発表会で表現します。

④第4ターム「自分の成長を振り返る」

中学校で学んだことや経験したこと,出会った(関わった)人を,未来への足跡ノートやキャリアパスポートなどを使って振り返ります。簡単に振り返りを行うと,行事や部活動を挙げる生徒が多くなります。しかし学校では,授業や生徒会活動など様々な場面で多くの事を学んでいます。これらを丁寧に振り返ることで,大きな出来事だけでなく,日常活動で大切にしてきたことや,これからの自分の生き方を考えます。このようにして考えたことを,卒業発表会で表現します。

来年度の活動計画

1 4つの資質・能力の育成に向けた授業実践 (5月~12月)

2 総合学習の実践

(1)第1ターム(1学年前期)

① ファシリテーションの考え方や技法を学習し身につける
② 身近な地域で知っていること・人・ものを出しつくす
③ 知っていそうで知らないこと・人・ものを紹介し,身近な地域のことをもっと知りたいと
思わせる活動をする。
④ 八番組の方から「住吉行列」や八番組の歴史を教えてもらう。
⑤ 新潟まつりの住吉行列に参加する。
⑥ 明和騒動や新潟市の歴史について,講演や「歴史博物館」などで,教えてもらう
⑦ 「にいがた樽砧」の場面を取り出してロールプレイすることで,当時の人の心情や行動を学ぶ
⑧ 演劇活動を行う

(2)第2ターム(1学年後期~2学年前期)

① 「働く」とはどういうことかを考える。
② 身近な大人や地域で活動する方(Noismなど)に職業インタビュー
③ インタビューした内容をポスターにまとめる
④ 職場体験に向けて,プロフィールカード作成,事前訪問,質問を考える
⑤ 職場体験当日(1つの職場に主に1人で体験)
⑥ 体験内容をスピーチで伝える。
⑦ 体験先を紹介するポスター作成
⑧ 職場体験で学んだこと,印象に残ったこと,大切だと思ったことを振り返る
⑨ 「働く」に合う題材(本)を選定する
⑩ 題材を深める活動(脚本を読む、どう表現するかを考えるなど)を行う
⑪ 演劇活動を行う

(3)第3ターム(2学年後期~3学年前期)

① 持続可能な社会や SDGsについて学ぶ。
② 身近な地域にはどのような課題があるかの話を聞き、身近な地域のどの課題に取り組むかを 考える。
③ 地域の問題から課題を設定して 調査活動を行う。
④ 課題を解決するアイデアを考え,調査活動を行いながら、プレゼンで提案する。
⑤ アイデアを修正して,アクションを起こす準備をする。
⑥ 実際に活動に取り組む。(アクション!!)
⑦ 地域課題解決学習で学んだこと,印象に残ったこと,大切だと思ったことを振り返る
⑧ 「持続可能な社会・ SDGs」に合う題材(本)を選定する
⑨ 題材を深める活動(脚本を読む、どう表現するかを考えるなど)を行う
⑩ 演劇活動を行う。

(4)第4ターム(3学年後期)

①中学校3年間にあった出来事(学校生活・学校以外の出来事),出会った人とその時の自分の気持ちを1つ1つ振り返る
②自分がこの時変わった,成長した,世の中の見え方が変わったと少しでも思う出来事をあげる
③その出来事にかかわる,エピソード(自分の行動・気持ち,他者のかかわり方など)を振り返り,特に重要なものを4つ程度選ぶ
④選んだものを基に,文集形式で自分が3年間で成長した(変化した)ことについての考えをまとめる
⑤原稿を基に,発表会に向けて聞き手に伝わりやすい方法を工夫して練習する
⑥自分たちで卒業発表会を運営する