2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 人権

当校の学校教育目標は「知性の高い生徒になる」である。知性の高い生徒とは,「現在の置かれている状況や直面している課題を的確に把握し,それを乗り越えたり解決したりするために,今何をすべきかを,既有の知識・経験・方法を総動員して探索し,よりよい自己・よりよい社会の実現に向けて真剣に努力する生徒」である。この姿こそ,これからの変化の激しい時代を助け合いながら生き抜くための持続可能な力と捉えている。当校では,教育ファシリテーション(以下:FT)の考え方と技術を用いて,ESDで重視する能力や態度を育んでいる。具体的には,「批判的に考える力」「他者と協力する力」「コミュニケーションを行う力」「つながりを尊重する力」の育成を目指している。

<今年度の主な総合学習実践>

3年間の探究活動を通して,自分の生き方を見つめ直し,これからの生活に対して決意をもてるように4つのタームとテーマを設定した。第1ターム「身近な地域」,第2ターム「働く」,第3ターム「持続可能な社会」,第4ターム「卒業発表会」とし,それぞれのタームを探究し,学んだことを実際に行動に移していく中で出会った様々な人の生き方を学んでいけるようにした。

〇演劇活動

1年生は「身近な地域」では,明和義人を題材とし「明和の時代の新潟湊で困窮する町民の暮らしを救おうと立ち上がり,藩に代わり自らの手で町政を実現した涌井藤四郎,岩船屋左次兵衛を中心とする人々の自主自立の精神」を演劇で表現する。生徒は,火坂雅志著「新潟樽きぬた 明和義人口伝」を読み,演劇の台本を作り,1学年全員で演劇を創り上げた。2学年は,「働く」をテーマに職場体験活動に取り組み,そこから見えてきた思いや学びを演劇で表現した。3学年は,「SDGs」について学習し,その学びを演劇で表現した。演劇を創りあげる過程で,演劇に向けた思いや願いをFTで引き出し,互いの意見を大切にしながらよりよいものを創り上げようとする姿が見られた。次年度もさらに演劇活動を充実させ,ESDで重視する能力や態度を育成していきたい。

来年度の活動計画

①ファシリテーションについて

ファシリテーションのこれまでの実践を改めて振り返り,ESDに必要な能力を明確にして資質・能力を育成していく。また,「主体的・対話的で深い学び」による授業改善を通してESDに関わる資質・能力を育成していきたい。

②総合学習について

総合学習の探究活動を充実させていく。特に,第1ターム「身近な地域」第2ターム「働く」第3ターム「持続可能な社会」第4ターム「卒業発表会」それぞれのつながりを意識しながら,教科横断的に「ESD」に必要な能力・態度を育成していきたい。