2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

海洋, 環境, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 持続可能な生産と消費

当校は、母島を誇りに思い、ともによりよい社会を築くことのできる人間を目指し「意欲的に学ぶ児童生徒、自らきたえる児童生徒、社会のために尽くす児童生徒」を学校理念として、小笠原の豊かな自然と特有な歴史、伝統文化に対する学習を通し、母校や郷土に対する誇りや愛着を育むためにESDを推進する。

具体的には、無人島での校外学習、カメの卵の飼育と放流活動、星空観察会、全校児童による南洋踊り、小笠原太鼓、父島移動教室での戦跡ツアーを柱に、①豊かな自然に係わる活動、②伝統文化に係わる教育、③特有な歴史に係わる学習、を行った。

豊かな自然に係わる活動

本校では1年生から6年生までが島内または島外の様々な場所で校外学習を行っている。特に4年生・5年生は合同で平島または二子島・向島という無人島に隔年で行っている。海鳥や植物の固有種の観察、及び外来種の除去活動等を行っている。3年生は他にも乱獲から数が減ってしまったウミガメを守り育てるために、卵の観察と孵化までの飼育、放流を行っている。放流会では調べ学習から分かったことを参加者に発表をしている。

伝統文化に係わる活動

小笠原の伝統舞踊「南洋踊り」を運動会で小学生1・2年生の児童が踊っている。南洋踊り保存会の方を招いて、その歴史や踊り・歌詞の意味等を教えていただき、運動会では衣装を身に付け披露している。

また4年生から6年生まではクラブ活動として「小笠原太鼓」を行っている。小笠原太鼓保存会の方を講師として毎回招き、叩き方やリズムなどを教わっている。児童らは6月の返還祭(今年度はコロナ過のため実施されず)、2月の音楽・太鼓発表会、3月の島を離れる人々へ向けて行う見送り太鼓、の年3回を発表の場としている。

特有な歴史に係わる活動

小笠原は硫黄島を始めとして戦場となった島である。そのため島内のいたるところに塹壕や壕が掘られていたり、身近な所に砲台があったりして、戦争の痕跡を間近で見ることができる。

3年生の乳房山校外学習では、登山ルートの中にアメリカ軍が落とした爆弾による大きな穴の観察が出来たり、塹壕や壕の中に入ったりすることができる。また西浦校外学習でも、日本軍が海岸に掘った壕や倉庫、壊れた船を見ることができる。

6年生の父島移動教室では、ガイドの人に案内していただきながら父島の戦跡を見ることができる。

社会科の歴史で戦争を学ぶのは6年生からだが、本校では低学年のうちから戦争と平和について考える教育がなされている。

 

来年度の活動計画

どの活動も、総合的な学習の時間及び、社会科・理科等の年間指導計画に位置付ける。各学年、校外学習で、小笠原独自の植物や地形、歴史を学べられるよう計画していく。地域の方や専門家(環境省・レンジャーの方)を事前学習や当日の講師として招き、詳しく学べるようにする。普段の授業でも地域の人をゲストティーチャーとして招き、地域の人材活用を積極的に行っていく。

「母島の星空を普段から見ていながら星や星座が分からない子が多い」という課題について引き続き「小笠原の星空」という単元を継続して行っていく。(今年度はコロナ禍のため)理科の学習と合わせながら総合的な学習の時間で取り組んでいく。