2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

エネルギー, 環境, 国際理解, 人権, 福祉

岐阜県立池田高等学校は、「Global Welfare(地域・国際社会の中でよりよく生きる)」を学校理念として、ESDを地域と連携し活力ある学校づくりを進める力と捉え、地域に貢献し持続可能な社会を作る人材の育成を目標とした。具体的には、「福祉教育」、「国際教育」、「環境教育」を柱に教育活動を行う。

2019年12月~2020年11月の活動については、新型コロナ感染症によって大きく活動が制限され、予定していた諸行事も中止または縮小を余儀なくされている。本校においても、国際理解の大きな柱である2020年2月のニュージーランド研修が中止となるなど、国際交流に関わる取組は残念ながら再開の見通しすら立っていない。また、福祉・医療施設との交流も感染防止のため、ボランティア活動などの直接交流は見送らざるを得ない状況である。したがって例年と異なり、実施できたものを中心に報告することとする。

(1) 福祉教育 (Welfare education)

教育課程の中に福祉教育を位置づけるとともに、地域でのボランティア活動や、保育園・小中学校・特別支援学校・福祉系専門学校との連携による活動を通して、人を思いやる心や感謝する心など、福祉の心を育成している。

3年の選択科目「社会福祉基礎」では、地域にある専門学校や揖斐特別支援学校の協力を得て、福祉に関わる体験的な授業を行った。本校の9月の文化祭の様子などをビデオに編集して特別支援学校の生徒の皆さんに視聴をしていただくことで交流を維持した。12月には「社会福祉基礎」選択者に対して特別支援学校から出前授業を行っていただいた。

さらに、生徒の自主的な活動組織である生徒会やMSリーダーズ、ボランティア会による年間を通して様々な活動については、屋外の活動など、参加できるものについて参加者を募り実施した。

(2) 国際教育 (Global education)

コミュニケーションを重視する授業や国際交流活動等を通して、他人と連携し協調する能力、プレゼンテーションの技術等を学ぶとともに、グローバルな視野をもって地域や国内外の課題に主体的に取り組み、地域社会の発展に貢献できる人材を育てることを目的に、様々な事業に積極的に参加することを今年の目標としていたが、実際にはコロナ禍ということでアメリカ在住高校生とZOOMによる英会話による交流会を行った。これは、本校卒業生であるオレゴン州ビーバートン高校教諭三輪さんをコーディネーターとしてZOOMによるアメリカ在住の高校生との交流会を日曜日ごとに計8回催したものである。本校からは、5名が参加し、アメリカ⼈の友達を作ることによる英会話の勉強とお互いの⽂化を学びあうことができた。

(3) 環境・防災教育 (Environmental education)

地域の豊かな自然環境を保護する活動を通して、自然を大切にする心を育てるとともに、地域の課題を解決するために自ら進んで取り組むことのできる能力や態度を育成している。

例年、本校科学部は池田町教育委員会及び池田町のハリヨ保存会と連携し、池田町上にある湧水地において、環境省から絶滅の恐れのある個体群に選定された淡水魚ハリヨの生息調査や保護活動に参加し、また地域行事に参加し生物多様性の大切さに関する啓発活動を行っている。コロナ禍のため令和2年12月時点では、連携した活動ができなかったが、部としての地道な調査活動は継続している。なお、令和3年2月の保護区域の外来生物除去活動から、ハリヨの共同保護活動を再開する予定である。

来年度の活動計画

コロナ禍にあり、依然、人の交流が難しいことが予想されるが、できる限り知恵を絞ってユネスコスクールとしての活動を継続・発展させていく。新学習指導要領に設けられた前文「持続可能な社会の創り手の育成」の理念を受け、すべての教育活動においてESDを意識し、主体的・対話的で深い学びを通して自己変容を図る。具体的には、ESDカレンダーにSDGsの具体的な17の目標をロゴとして入れ込み、日々の学びの中に地球規模の問題の解決につながる知識やスキルが存在することを意識する。特に、具体的な課題を解決する場として、「総合的な探究の時間」において、課題解決型学習『探究・ESD』を設定する。地球規模の課題との関りを意識しながら、具体的な活動として、地元自治体や企業、教育機関と連携

しながら、自分たちが暮らす地域の課題を見つけ、その課題の解決策を考える。そして地域をはじめ岐阜県に対し、地域を活性化させ魅力ある町づくりのための方策を生徒自らが考え、発信していく。