2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 減災・防災, 気候変動, エネルギー, 環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 福祉, 持続可能な生産と消費, 健康, 食育, 貧困

岐阜県立池田高等学校は、「Global Welfare(地域・国際社会の中でよりよく生きる)」を学校理念として、ESDを地域と連携し活力ある学校づくりを進める力と捉え、地域に貢献し持続可能な社会を作る人材の育成を目標としている。本年度は、さらに、SDGsと関連させた「探究活動」を中心に、授業・特別活動・進路学習を有機的に結び付けた生徒の成長を促すカリキュラムの実践を目指した。そのため、SDGsの17目標マグネットを製作し、授業目標や生徒会活動目標として掲示することで、生徒への啓発を行った。その中でも本校は、「福祉教育」・「国際教育」・「環境教育」の3つの柱に力を入れてきた。
2020年12月~2021年11月の活動については、前年と同様、新型コロナウイルス感染症によって大きく活動が制限されたが、「自分で考え、自信を持って行動できる力をつけたい」という本校生徒の思いが、それでも数々の活動を実現した。

(1)福祉教育(Welfare education)

本校では、2016年度から池田町キャリア教育プログラム『学校を飛び出して、地元で活躍するオトナを取材しよう!』を実施してきた。本年度は上記の3本の教育活動の柱を意識して、1年生の有志6名の生徒が『長良義肢製作所』の加藤展宏常務を取材し、資格として認知度の低い義肢装具士の仕事について、学年発表会で発信した。
また、12月には「社会福祉基礎」選択者に対して、外部講師と揖斐特別支援学校の職員の方から、特別支援教育と支援学校の就労支援について出前授業を実施していただいた。その席で、揖斐特別支援学校の生徒さんからは手作りのクッキーをいただき、本校からは手作りのスマホ置きをプレゼントした。

(2)国際教育(Global education)

コロナ禍のため、前年度に引き続き、国際理解の大きな柱である2021年2月ニュージーランド研修が中止となった。ただし、大垣ユネスコ協会主催グルーバルワークショップに2名の生徒が参加し、事前に準備した課題をもとに、SDGsの話し合いに英語で参加した。

(3)環境教育

3月に、2020年度SDGsQuestみらい甲子園東海エリア大会最終選考会に科学部の4名の生徒が参加し、池田町に生息する淡水魚ハリヨの保護活動について、オンライン発表を行った。さらに8月には、池田町上八幡の自治会から組織される「ハリヨを守る会」および池田町教育委員会と協働して、科学部全員で池田町中川のハリヨ保護区域の生息数調査を実施した。
そして、本年度は、一連の活動でお世話になっている理学博士で、トゲウオ科研究の第一人者である岐阜協立大学の森誠一教授への取材と全校への講演会・座談会を実現することができた。11月の講演会では、西美濃やハリヨ、郷土財の保全と活動について話を伺い、全校生徒に対して、環境教育を推進することができた。
さらにボランティア活動として、10月には、特定非営利活動法人「揖斐自然環境レンジャー」が主催する「徳山ダム上流に実のなる木を植えよう大作戦」に11名の生徒が参加し、SDGs17の目標の15「陸の豊かさも守ろう」に貢献した。大垣ユネスコ協会から募集された11月「元気ハツラツ市のゴミ拾い清掃活動」には23名、12月「アクアウォークの花壇の整備ボランティア」には26名、神戸町・池田町ライオンズクラブが主催する清掃活動には17名の生徒が参加し、SDGs17の目標の11「住み続けられるまちづくり」に貢献した。

(4)その他

①人権教育の推進
12月には、岐阜県総合医療センター新生児内科医長の寺澤大祐先生から「命の尊さ講話」、宮﨑千惠婦人クリニック院長の宮﨑千惠先生から「性講話」をいただき、SDGs17の目標の3「すべての人に健康と福祉を」への考えを深めた。また、人権LHRでは、「ジェンダー平等」や「世界の貧困」をテーマとして取り上げ、生徒はビンゴや貿易ゲームに取り組みながら、考えを深めた。

②質の高い教育への提言
12月には、岐阜県教育委員会主催の「高校生のための国語力セミナー」に3名の生徒が参加し、未来の高校に向けて、オンライン授業と対面授業を組み合わせた、学校、地域、国を超えた唯一無二の授業スタイルを提案し、審査員特別賞を受賞した。

来年度の活動計画

※2022(令和4)年度の活動計画を記入
・令和4年度、本校は単位制普通科高校へ改編され、新たに学校設定教科「地域」を立ち上げ、科目として学年を超えて選択できる①「社会福祉基礎Ⅰ・Ⅱ」、②「地域環境保全」、③「国際交流」を開講する。そこで①では、福祉系の専門学校と協力した講義及びボランティア活動へ参加し、体験を通して社会貢献に対する意識を伸長する。②では、池田町教育委員会、およびハリヨを守る会との協働活動を取り入れる。③では、ニュージーランド研修に参加する生徒の英語力を伸長し、現地の文化歴史等の知識理解を深化させる。
・総合的な探究の時間に、SDGs・ESDに関連した地域課題解決型学習を実施する。1年次ではスタディ・サプリの「探究講座」を活用して、課題発見力を身に付けさせる。2年次では、地域の課題を見つけ、解決策を大学生の一緒に検討し、提言として発信する。3年次では、1・2年次で実践したことを踏まえ、卒業研究としてまとめる。
・生徒会の委員会として、新たにユネスコ委員会を立ち上げ、委員には環境保護活動の啓発やボランティア活動、外部への活動の発信などを担わせ、行動力のあるリーダーを養成する。