2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

エネルギー, 環境, ジェンダー平等, 持続可能な生産と消費, グローバル・シチズンシップ教育(GCED)

本校は,「21世紀型“スキル&倫理観”を身に付け,自ら考え主体的に学ぶ生徒の育成」を教育目標として,校区3小学校とも連携しながら,ESDを推進している。具体的には,「地域課題解決学習」(ふるさと学習),「人権・平和問題解決学習」,「SDGsを関連付けた各教科における課題解決学習」を中心に,主に「地球市民および平和と非暴力の文化」及び「持続可能な開発および持続可能なライフスタイル」について取組を進めている。

(1)自分の周りの課題を見つけ解決する(地域課題解決学習)

第1学年では,株式会社「教育と探究社」が提供する探究学習プログラム「クエストエデュケーション(ソーシャルチェンジ)」を利用している。プログラムを通して,生徒たちは互いの意見を交流させながら,自分たちの周りで困っている人や課題についてグループごとで考え,全体発表ではその解決の為に自分たちに何ができるのかについて発表し,自分の周りの課題と解決策を考えることができた。

(2)福山空襲(人権・平和問題解決学習)

第1学年が市民平和大会に合わせて,福山空襲の実態を学んだ。空襲によって市街地の8割を焼失した戦災から,戦後復興を果たした人々の普段の努力とたくましさを学ぶことで,自分たちのこれからの生き方とふるさとの未来像について考えた。

(3)コーポレートアクセス(地域課題解決学習)

第2学年が,「クエストエデュケーション(コーポレートアクセス)」で,地域の企業をタッグを組んで,企業から出されたミッションをクリアーしていった。地域社会とふれ合うことで,仕事への責任感や仲間と協力する力をつけることができた。

(4)長崎平和学習(人権・平和問題解決学習)

第2学年が,修学旅行で訪問する予定だった,長崎平和公園での平和学習に向けての事前学習を行った。生徒は小学校時代に,広島市の平和資料館を訪れ,原子爆弾の悲惨さや平和の尊さを学んでいる。コロナウィルス感染拡大で行き先変更を余儀なくされたが,1年時の福山空襲の学習と合わせて平和への思いをさらに強くすることができた。

(5)ワークショップ「金融機関とSDGs」(持続可能なライフスタイル)

第3学年が,三井住友銀行で行われているSDGsの取組についてのワークショップに参加した。金融機関とSDGsとの関係性について当初は理解できていない生徒がほとんどであったが,視点や考え方を変えるだけで物の捉え方の枠が広がり,お金の流れがSDGsに繋がると理解できた。また,企業のSDGsの取組を肌で感じることができた。

(6)SDGsパネルデスカッショ「SDGs東中でできる取組はこれ!!」(地域課題解決学習)

第3学年が3年間で養ってきた「自ら考え主体的に学ぶ力」を活かし,東中で持続可能な取組を考え,パネルデスカッションを行う。グループごとに,SDGs17の目標のどれに焦点を当てるかなど,試行錯誤しながら話し合いを繰り返し,プレゼンテーションを作っていった。全校発表の場では,どのチームとも持続可能な社会へ向けた活発な意見交流も行われ,学校全体で課題と解決を考えることができた。

(7)手話を学ぶ(人権・平和問題解決学習)

第1学年が講師を招聘して手話講座を行った。本市が制定した「福山市こころをつなぐ手話言語条例」を受けて,人にやさしい人づくりの一環として取り組んだ。生徒たちは,講師の人と一緒に手話の練習をして,手話に関心をもつことができた。

(8)SDGsを関連付けた各教科における課題解決学習

各学年各教科において,SDGsに関連した題材がある単元において,その達成についての必要性や意義について考えさせたり,それらにかかわる課題について改善策を練らしたりする授業を行った。

来年度の活動計画

前年度の活動内容をベースに,主には総合的な学習の時間において,各学年で系統的に年間を通じて取り組んでいく。また,これまで活動が少なかった「異文化学習および文化の多様性と文化遺産の尊重」についても,同様の取組をしている国内外の学校間で生徒同士の意見交流を行い,実践を深化・発展させていく。

(1)自分の周りの課題を見つけ解決する(地域課題解決学習)

課題への改善策について,学級や学年を超えて発表する場面を作るなど,生徒の課題解決や表現の力をより高めていけるよう活動を工夫する。

(2)福山空襲(人権・平和問題解決学習)

過去に起きた戦争の被害の実相を調査することを通して,何が戦争を起こさせるのか,今の自分たちの生活どう関連しているのかを考える。

(3)コーポレートアクセス(地域課題解決学習)

企業から提示された課題解決について説得力のあるプレゼンテーションを作成することを通して職業観やキャリアデザインについて理解する。全国大会での発表も目指していく。

(4)修学旅行へ向けた取組~大阪のSDGs~(人権・平和問題解決学習)

地域や企業の実施しているSDGsへの取組を調査することを通して,社会がこれを解決していくことの必要性や意義を実感し,行動化へつなげて行く。

(5)SDGsパネルデスカッショ「SDGs東中でできる取組はこれ!!」(地域課題解決学習)

3年生から投げかけられる課題について,1,2年生が協議し,3年生に投げ返すなどのオープンディスカッションを通して,SDGs達成の必要性を考える。地域企業や保護者等のオブザーバー参加も考えていく。

(6)手話を学ぶ(人権・平和問題解決学習)

手話学習を通して,性別や障害の有無等にかかわらず,すべての人々が平等に機会が与えられ,能力を最大限に発揮できる社会をつくるために,何が必要かを考える。

(7)各教科のSDGs課題解決学習に取り組む

SDGsを単元の中で扱うだけではなく,それを生徒の深い学びにつなげて行くよう,内容や活動を工夫する。

(8)異文化学習に係るゲストティーチャーの招聘

JAICA職員の派遣制度等を活用して,異文化について考える機会を作ったり,ユネスコスクール関連の各種イベント等への参加を行ったりする。