2018年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

エネルギー, 環境, 持続可能な生産と消費, 世界遺産・地域の文化財等

本校は、「志を持ち、自ら考え行動できる生徒の育成」を学校目標として掲げ、ESDを地域に開かれた学校の重要な柱と捉え、ESDの実践を通して、「持続可能な社会をつくる価値観と行動力、人間性を持つ生徒の育成」をすることを推進の目標とした。

具体的には、福祉教育、世界遺産学習、食育を柱に、高齢者や認知症に係わる学習、保育実習、特別支援学校との交流、世界遺産宮原坑関連の学習、アントレプレナーシップの視点を取り入れた農作物生産・販売に係わる学習、緑のカーテン、中国の先生方との交流、服のチカラプロジェクト等を行った。

①  高齢者や認知症に係わる活動【SDGs3

1年生では、大牟田市の認知症ライフサポート研究会の方々をゲスト・ティーチャーとしてお招きし、認知症絵本学習を行った。これをふまえ、2年生では、認知症声掛け訓練、3年生では、独居高齢者宅訪問を実施した。これらの活動を通して、生徒の他者と関わる力や地域人材とのコミュニケーション能力、高齢者の多い町の中で主体的に課題に対峙して高齢者と関わろうとする態度や町づくりの案を作成することができた。休日に市内全域で実施される認知症SOS訓練や、認知症ウォークなどの地域行事にも積極的に関わる生徒が多く見られた。     

また、これらをふまえた3年生の保育実習では、社会をつくる主人公の視点に立ち、子どもと接しながら活動を行い、子育ては親だけではなく、地域ぐるみで行うことを体感することができた。

②  世界遺産宮原坑に関する学習【SDGs11

本校の校区内には、世界文化遺産宮原坑がある。1年生は、入学後、宮原坑の見学を行い、自分たちの地元の誇りである宮原坑を知る活動を行った。その後、敷地内の駐車場の花壇を整備した後、地域の方々とともにひまわりの花苗を植え、夏には大輪の花を咲かせた。この活動では、地域の方々との協働意識を培うことができた。また、秋には、「ヤマの祭典」が行われ、本校生徒が、ユネスコスクールである三池工業高校とコラボレーションを行い、「ヤマの祭典 特製文鎮」を制作した。また、会場入口のウェルカムボードも作成している。

③  アントレプレナーシップの視点を取り入れた農作物生産・販売、緑のカーテン【SDGs2

2年生は、アントレプレナーシップの視点を取り入れた農作物生産・販売に関わる学習を行った。市場調査や流通価格調査等を実施するとともに、栽培のプロに指導を受けながら旬の野菜の栽培を行い、地域の方との関わりのよさを感じた。また、収穫した野菜の特性を生かしたレシピを作成し、実習を行ったり、新鮮野菜販売所を設けて販売を行ったりするなどの活動を通して、市場の現状を総合的に学んでいた。

④  中国の先生方との交流・服のチカラプロジェクト【SDGs10

ACCU主催の日中教員交流プログラムによって来日された先生方との交流を2年生が行った。授業参観等の後、剣道体験や合唱交流などの交流を行った。様々なやりとりの中で、コミュニケーション力を培った。また、ユニクロとコラボレーションで、古着を回収し、難民に送るプロジェクトに参加し、他者とのつながりを尊重する態度を培った

来年度の活動計画

1年時:校内パテントコンテストを実施し、柔軟な発想力や工夫により、諸課題を解決しようとする態度を育成する。

2年時:インターンシップを実施し、地域や社会に貢献しようとする態度を育てる。

3年時、:科目「課題研究(総合学習)」において、エネルギーや環境問題に関する調査・研究を通して省エネルギーを推進する取り組みのできる生徒、地球環境問題に積極的に取り組み広い視野と創造性にあふれる行動力をもった生徒を育成する。また、大牟田市が近代産業における中心であったことを学び自覚と誇りをもった生徒を育成する。

 さらに、「ものづくり教室」や「出前授業」、これまでの学習成果を地域に還元することで知識の定着を図り、教えることの難しさ、地域に貢献できる喜びを醸成する。

・地域遺産保全のための清掃活動では、活動への取組状況を自己評価させ、活動後の感想文にまとめさせる。感想文は教師が評価し、コメントを生徒に伝える。

・校内パテントコンテストでは、生徒の製作作品を教師が評価・表彰する。優秀な作品は、全国大会へ出品する。

・課題研究(総合学習)では、全校生徒の前で1年間の成果を発表する場を設け、製作作品、発表内容、プレゼンテーション力を総合的に判断し、評価を行い、校長が各発表に対してコメントを行う。また、インターンシップでお世話になった企業を招き、企業紹介や本校生徒の活動内容を見ていただき、今後の地域貢献活動に繋げる。

・ものづくり教室と出前授業では、参加した児童・生徒の評価をもらうと同時に生徒の自己評価を基に教師が評価・コメントを生徒に返す。