2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 国際理解, 平和, 人権, 福祉, 持続可能な生産と消費

本校は、「豊かな人間性を養い、何事にも主体的に取り組む生徒の育成」の教育目標のもと、様々なESD活動を通して「互いの個性を認め合い、他との共生を目指す生徒の育成」「興味・関心を高め、意欲的に学習に取り組む生徒の育成」「社会の変化に対応し、よりよく生きようとする生徒の育成」の実現を目標として取り組んだ。
 具体的には、①世界一大きな授業に係わる学習、②地域再発見 福田学区スタンプラリー(郷土愛)での活動、③広島・沖縄での平和学習、④ユニバーサルデザインに係わる学習等をおこなった。

① 世界一大きな授業に係わる学習
 昨年度に続き、今年度は2回目として「世界一大きな授業2019」に取り組んだ。世界では、小学校に通えない子どもや、読み書きができない大人がたくさんおり、その背景には戦争や貧困などはもちろん、教育の機会が与えられなかった人々が直面する厳しい現実などたくさんの問題があることを知ることができた。この学習を通して、改めて教育の大切さについて考え、自分ができることについて考えていくきっかけとなった。
 生徒の感想では、「戦争によって教育を受けられない人数が多いことにとても驚いた。軍事力を上げるより、世界平和に向けて教育費を増やすことに私たちも協力し、少しでも多くの人が勉強できる世の中にしていけるといいなと思いました。」「私たちに今できることは何かをしっかりと考えて、進んで活動していこうと思った。」など、自分も何か行動をおこさないといけないと考えた生徒が多くみられた。
 授業については、土曜日の地域・保護者参観授業として設定し、全学年全学級同時に授業公開をしたので、多くの保護者、地域の方が参観でき、家庭でも話題が広がるよう工夫した。
② 地域再発見 福田学区スタンプラリー(郷土愛)での活動
 地域の史跡を調査することにより、今まで気づいていなかった地域のよさを認識し、郷土を愛し、将来にわたって郷土に貢献しようとする意識の高揚を図った。また参加した子どもたちが異年齢の集団で活動し、地域住民と関わることで、協力して地域の課題を解決しようとする意欲を高めた。

③ 広島・沖縄での平和学習
 2年生では、「原爆の悲惨さ、戦争の無意味さを知り、平和の大切さを考える。」ことを目的として事前学習に取り組み、現地での学習をおこなった。広島では、ボランティアガイドさんと一緒に班ごとに分かれて広島平和記念公園内の碑めぐりや、被爆体験者の方の講話を聞き、平和について考えることができた。
 3年生では、「戦争の悲惨さや平和・命の大切さを知り、戦争そして平和・命の大切さをじっくり考え、自分にできることを考える。」ことを目的として事前学習に取り組み、現地での学習をおこなった。沖縄では、ガマの見学や語り部さんの講話を聞き、平和について考えることができた。
 両学年とも平和について学習してきた内容や感じたことを劇や合唱にし、田楽祭(文化祭)で他学年の生徒や保護者や地域の方に伝えることができた。

④ ユニバーサルデザインに係わる学習
 岡山大学の清田先生を講師に1年生を対象としてユニバーサルデザインの講演会を開催した。私たちの身の回りには、障害の有無にかかわらず、すべての人にとって使いやすいようにはじめから意図してつくられた製品・情報・環境のデザインがあることに気づかせ、その工夫がされている理由を考えさせることにより、どんな人にとっても暮らしやすい社会の実現を目指す第一歩とした。
 生徒の感想では、「障害者だけが使うものだと思っていたけど、みんなが公平に使うものだとわかった。」「すべての人が使いたいものが少ないから、それをどんどん増やしていくことが、まだまだ必要だと思った。」など、改めて考えた生徒が多かった。

来年度の活動計画

平成31年度も今までの活動に引き続き取り組んで、より充実した活動としていきたい。
 具体的には上記で示した「世界一大きな授業」「郷土愛」「人権・平和学習(広島・沖縄での平和学習、ユニバーサルデザインに係わる学習)」に加えて、継続して取り組んでいる「国際理解教育」「いのちを育む授業」「子どもたちの学びの発掘プロジェクト(協同学習)」などを予定している。