2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

減災・防災, 環境, 文化多様性

本校は、校訓「ともに生きる」の理念のもと、ユネスコスクールの一員としての取組を通して、主体的に課題をとらえ、解決するための方法を検証し、提案することのできる生徒の育成を目標としている。

①ユネスコスクールの一員として取り組む、総合的な学習の時間

総合的な学習の時間では、SDGsのウエディングケーキモデルのもと、三年間を見通した取組を行った。

1年生は「Fujinan環境チャレンジ」というテーマで環境学習を行った。世界や日本が抱えている環境問題の中から興味を抱いた課題に対して、自分たちにできることを本やインターネットを活用して調べ、ポスター発表した。

2年生は「ミナミのもしもをやってみた」というテーマで防災・減災学習を行った。東海地震によって藤岡南地区で起こりうる被害を想定し、それに対して自ら検証をした解決策の提案を、タブレット端末を用いてプレゼン発表した。また、「なぜ人ははたらくのか」というテーマでキャリア学習を行った。「とよたSDGsパートナー」の10の団体の方から働く理由を伺ったり、教材「インターン」を通して実在する企業で仮想インターンしたりすることで、勤労することの意義について自分の考えをもった。

3年生は藤岡南地区が抱える課題を地域の方から聞き取り、地域へ還元する活動を行った。具体的には、再びホタルが飛び交う西中山川にしようと清掃活動やカワニナの育成を行ったり、藤岡南地区を活性化するために地元製菓店である松華堂の協力を得て、デザインした菓子を文化祭で販売したりした。

②ユネスコスクールの一員として取り組む、生徒会活動

生徒会活動では、執行部や各委員会の活動をSDGsの17の目標に関連付けて活動を行った。給食委員の残菜を減らすプロジェクト(2 飢餓をゼロに)、福祉委員の募金や未使用文具の回収(4 質の高い教育をみんなに)、保健委員の心と体の健康に関する移動図書の実施(3 すべての人に健康と福祉を)、清掃委員の朝のボランティア清掃の実施(15 陸の豊かさを守ろう)などを通して、生徒が一丸となって17の目標の達成のために努めた。

③ユネスコスクールの一員として取り組む、各教科領域の学習

各教科領域での学習では、教科書内の学びで終わるのではなく、持続可能な生活へつなげるためにESDとしての視点を取り入れた授業実践を行った。例えば理科の授業において、熱量という科学的根拠をもちながら、環境とヒトのそれぞれにとって“よい”ドライヤーの使い方を検証した。授業後のアンケートから、日常生活の中でドライヤーを使用する際、モードを適切に使い分けたり、風の当て方を工夫したりする姿が見られた。

来年度の活動計画

次年度も、ユネスコスクールの一員として生徒が主体的に課題解決のための方法を提案できる力を育んでいく。

そのための重点目標として、総合的な学習の時間における探求的な学習の過程とその提案方法を、三年間を通して段階的に進歩させていく。探求的な学習過程では、出典元を明らかにしながら本やインターネットを用いて調べて課題をつかむ段階(1年生)から、課題について自分で検証する段階(2年生)を経て、地域のために自分にできることを実践する段階(3年生)へとステップアップさせていく。提案方法では、ポスター発表から始まり、タブレット端末を用いたプレゼンの発表時間を段階的に伸ばすことで発展させていく。

また、生徒会活動とユネスコが提案する国際協働プロジェクトやキャンペーンを関連付けることで、積極的な参加を促していく。