2018年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

世界遺産・地域の文化財等

本校は、「鬼瓦を作ろう~地域の伝統産業に学ぶ~」を活動テーマとして、ESDを地域の伝統産業について探究的・体験的に学ぶ学習ととらえ、ESDの実践を通して地域乃産業のや郷土の歴史、文化に対する誇りと愛情を育てることを目標とした。

具体的には、「地域産業や郷土のよさを知り、積極的に関わっていこうとする態度を育てること」を柱に、①『伝統産業や郷土を学ぶ』に係わる活動、②総合的な学習の時間に係わる教育、③鬼瓦職人からの話を聞き、調べたい課題を設定し、追究する学習、④鬼瓦職人の指導を受け、鬼瓦制作に係わる学習を行った。

① 『伝統産業や郷土を学ぶ』に係わる活動

地域の伝統産業や郷土の特色について学ぶことは、郷土愛を育て、地域の一員としての自覚や責務につながる。このことこそ、国際社会で多様な文化をもつ人々と互いに理解し合い共生していく上で大切な資質であると考える。当地は質の良い粘土が採れたことから埴輪がたくさん作られ、その技術が藤岡瓦に受け継がれ、今から1260年前に生産が始まった。瓦産業が当地の発展に大きく寄与したが、近年は低迷し、後継者問題が深刻になっている。市民の一員である児童にとって地域の問題について考えることは大切である。

② 総合的な学習の時間に係わる教育

本校では、総合的な学習の時間における第5学年「鬼瓦をつくろう」をユネスコスクール加盟以来、ユネスコスクールの活動と位置づけている。

地域の伝統産業である瓦作りに着目し、「藤岡瓦」や「鬼瓦」について調べたり制作体験を行ったりすることを通して、知的な探究心や思考力、表現力を養うとともに、地域の産業や郷土の歴史、文化に対する誇りと愛情を育てることをねらいとしている。

③ 鬼瓦職人からの話を聞き、調べたい課題を設定し、追究する学習

 鬼瓦職人(市内でただ1人の鬼師)を学校に向かえ、当地の粘土の質の良さ、鬼瓦に込められた願いや役目、代々続く家業としての鬼瓦作りに打ち込む職人気質や生きがい、苦労などを語ってもらう。様々な鬼瓦に触れて、児童は鬼瓦ついて調べたい課題を見つけ、追究活動の成果として「瓦新聞」を作成し、発表会を行う。

④ 鬼瓦職人の指導を受け、鬼瓦制作に係わる学習に係わる学習

児童1人1人が自分の願いを込めて世界に1つしかない鬼瓦を当地の粘土を用いて制作する。あらかじめ描いた下絵をもとにしながらも、怖くてにらみを効かせる表情にするために鬼瓦職人から助言や個別支援を受けて完成させる。

自然乾燥の後、だるま窯と呼ばれる昔から伝わる窯で瓦を焼く職人に焼き上げてもらう。その「窯出し」の作業を手伝う。

来年度の活動計画

 児童に指導をしてくれている瓦職人は23年前から本学習を支えてくれ、今後も地元の児童のために協力を約束してくれている。来年度も本学習を行う。

 鬼瓦の後継者がいないために、伝統産業が消滅する可能性がある。それを回避するために、児童なりに解決策を考え、提案書を作成し、関係団体に送付することができるとよい。