2019年度活動報告
本年度の活動内容
登録なし
本校は、「鬼瓦を作ろう~地域の伝統産業に学ぶ~」を活動テーマとして、ESDを地域の伝統産業について探究的・体験的に学ぶ学習ととらえ、ESDの実践を通して地域の産業や郷土の歴史、文化に対する誇りと愛情を育てることを目標とした。
具体的には、「地域の伝統産業や郷土のよさを知り、積極的に関わっていこうとする態度を育てること」を柱に据え、①「伝統産業や郷土を学ぶ」に関わる活動、②総合的な学習の時間に関わる教育、③鬼瓦職人(鬼師)からの話を聞き、調べたい課題を設定し、追究する学習、④鬼瓦職人(鬼師)の指導を受け、鬼瓦製作に関わる学習を行った。
① 「伝統産業や郷土を学ぶ」に関わる活動
地域の伝統産業や郷土の特色について学ぶことは、郷土愛を育み、地域の一員としての自覚や責務につながる。これこそ、国際社会で多様な文化をも人々と互いに理解し合い共生していく上で大切な資質である。当地は良質な粘土が採れたことから古くから埴輪がたくさん焼かれ、その技術が藤岡瓦に継承され、今から1260年前に生産が開始された。近年、瓦産業が低迷し、後継者問題が深刻化している。市民の一員として、地域の問題について考えることは肝要である。
② 総合的な学習の時間に関わる教育
本校では、総合的な学習の時間における第5学年「鬼瓦をつくろう」をユネスコスクール加盟以来、ユネスコスクールの活動として位置づけている。地域の伝統産業である瓦作りに着目し、「藤岡瓦」や「鬼瓦」について調べたり制作体験を行ったりすることを通して、知
的な探究心や思考力、表現力を養うとともに、地域の産業や郷土の歴史、文化に対する誇りと愛情を育てることをねらいとしている。
③ 鬼瓦職人(鬼師)からの話を聞き、調べたい課題を設定し、追究する学習
鬼瓦職人を学校に迎え、当地の粘土の質の良さ、鬼瓦に込められた願いや役割、代々続く家業としての鬼瓦作りに打ち込む職人気質や生きがい、苦労などを語ってもらう。多様な鬼瓦作品に触れ、児童は鬼瓦について調べたい課題を見つけ、追究活動の成果として「瓦新聞」を作成し、発表会を行う。
④ 鬼瓦職人(鬼師)の指導を受け、鬼瓦製作に関わる学習
児童がそれぞれに自分の願いを込めて世界に一つしかない鬼瓦を作る。コミカルな顔にならないように職人からの助言を得て、にらみを効かせた表情に仕上げる。自然乾燥の後、だるま窯と呼ばれる昔から伝わる窯(日本でも数基しかない)で職人に焼き上げてもらう。その後の窯出しの作業を手伝う。
来年度の活動計画
児童に指導をしてくれている瓦職人は24年前から本学習を支えてくれ、今後も地元の児童のために協力を約束してくれている。来年度も本学習を行う。
鬼瓦の後継者がいないために、伝統産業が消滅する恐れがあり、児童なりに解決策を考え、提案書を作成し、関係団体に送付することができるとよいと考える。