2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 世界遺産・地域の文化財等, 国際理解

 当校の「総合的な学習の時間」は「富士山学習」と名付けられ、27年間の活動の歴史をもつ。生徒は世界文化遺産である富士山やその構成資産である富士山本宮浅間大社を中心とした地域の特色に着目し、そこから課題を発見し、主体的に解決しようとしている。3年間の活動の流れを通して、「自分で課題を設定する力」「必要な情報を収集、整理、分析する力」「学んだことをわかりやすく伝える力」を身に付けることを目標としている。この「富士山学習」を当校のESDの活動の中心に据え、教科・領域学習、地域行事への参加、生徒会活動等において、「環境・防災」「福祉」「国際理解」「文化」等に視点を置いてきた。

① 総合的な学習の時間「富士山学習」
 3年生は、3年間の学習の成果を「卒業発表会」で、下級生・保護者・地域の方々を対象に分科会形式で一人ずつ発表した。わかったことを述べるだけでなく、自己の追究した内容をもとに「魅力ある富士宮」にするためにはどうしたらよいかのアイディアを提案した。発表後、質疑応答の時間を設定し、参加者も積極的に質問をし、互いの学びを深めた。全体会では、3年生の司会進行のもと「私たちが住みたくなるまち“富士宮”」というテーマで、代表生徒が各自の学習内容をもとに会場生徒も巻き込みながらパネルディスカッションを行った。

②地域行事への参加

 ・富士山本宮浅間大社周辺で行われる秋の例大祭では、多くの山車が引きまわされ、競り合いを行う。県指定無形民俗文化財に指定されている富士宮囃子に生徒の多くが参加し伝統文化の価値を体験する場となった。

 ・全校生徒が、休日に行われる地域主催の防災訓練へ積極的に参加し、災害時に中学生ができることを考えたり、地域の方との交流を深めたりした。

③生徒会活動

・2年生は、学年全体でSDGsの理解を深めたり、17の国際目標の達成に向け、自分たちは何ができるかを話し合ったりした。それにより、生徒会専門委員会の活動に17の目標のいくつかを組み込んでいくことを始めた。

・富士山本宮浅間大社の祭典後、生徒会活動の一環として、学区に位置する小学校と共に、早朝に浅間大社内のボランティア清掃に取り組んでいる58年の歴史をもつこの活動は、露天商にも知られており、ゴミの散乱防止の工夫もされ、美化意識の向上にも一役かっていると思われる。

・特別支援学級では、社会自立を学ぶ目的で「福ろう製作所」という擬似会社を設立している。幸せの鳥「フクロウ」をモチーフにした切り絵製品を製造販売することを通して、働くことを体験したり、金融について学んだりした。また、災害被災地への義援金の送金等を行った。

来年度の活動計画

 2020年度は、総合的な学習の時間(富士山学習)において、個人の追究活動を継続すると共に、学校全体でSDGsへの理解を深めていきたい。そのために、まずは全教育活動をSDGsの視点で整理したり、生徒会専門委員会の活動に17の目標を結び付けたりしていこうと考えている。
 また3年前から韓国と交流をしてきているが、さらに国内の中学校とも新たな交流を開始していきたい。