2022年度活動報告
本年度の活動内容
生物多様性, 海洋, 気候変動, 環境, 文化多様性, 平和, 人権, ジェンダー平等, 持続可能な生産と消費, 食育, グローバル・シチズンシップ教育(GCED)
当園では、未来を創るのは子どもたちであるという考えのもと、自然体験活動を重視し、「森のようちえん型」の保育園の運営を通して、子どもたちの生きる力を育んでいる。「Sharing Nature(自然を共に分かちあおう)」「Play a lot(とことん遊びつくそう)」「Family Growing Together(子どもも大人もみんな一緒に育ちあおう)」の3つを軸として、子どもたちの主体性を尊重し、見守ることを実現している。ユネスコスクールとして重点的に取り組む3つの分野(平和の文化・持続可能なライフスタイル・文化の尊重)は、子どもたちが日々自然に触れ、遊び、食育や木育を通じて感じる体験の積み重ねを通して、実現している。
①「地球市民教育、平和と非暴力の文化」に沿った活動 ~森のようちえん型の活動~
近隣の緑道公園など地域資源を活かし、毎日外遊びを行っている。大人が主導することはせず、一人ひとりの感性を大切にし、子どもたちが持つ力を信じて見守ることに重きを置いている。子どもたち自身が体験を通じて他者への畏敬の念を育んでおり、自然環境との共存のみならず、異なる考えをもつ他者への理解、共存の仕方などを学んでいる。
具体的には、日々のお散歩の行先は、子どもたち自身が話し合いの中から決めることになっている。時には1時間以上も話し合いが続くこともあり、自分の意見を伝えること、他者の意見を聞くことの大切さを日々の活動から体験している。またクラス(3歳児~5歳児)をまたいだ活動も頻繁に行っており、年長の子どもが年少の子どもを助けたり、見守る姿がみられる。6月には、親子イベントとして、近隣の自然公園にて「ホタル観賞会」を行った。園児だけでなく、保護者やきょうだい児も共に自然に触れ合う機会を創出している。
②「地球市民教育、平和と非暴力の文化」に沿った活動 ~海遠足の実施~
県内の地域環境を活かし、各クラスで毎年7月に海遠足を取り入れている。海では、波や浜辺の自然環境に触れられるだけでなく、普段の公園などでは触れられない生き物の観察もでき、自然環境や生物多様性を大切にする心を育むことに繋がっている。
③「持続可能な開発と持続可能なライフスタイル」に沿った活動 ~食育~
園で提供している給食は、低農薬野菜・無添加無着色・遺伝子組換えを行なっていない食材を選び、食材のルートや生産者の思いなどにも配慮している。子どもたちは日々の外遊びの中で、自然の恵みをいただくという感性豊かな食体験をしている。具体的には、季節ごとに食べられる木の実、野草などを採って食べる。園が運営する畑で、野菜を植え、収獲し、食べる。このような食体験を通じて、①食習慣を身につける味覚を育む②食と地球のつながりを感じる豊かな感性を育む。③「いただきます」と「ごちそうさま」の心・感謝の心を育む 取組の実践をしている。
④「持続可能な開発と持続可能なライフスタイル」に沿った活動 ~木育~
園舎は無垢材、自然素材を使っており、子どもたちのテーブルや椅子も県産木材を使っている。2022年度は、オリジナル製品を作ることで小田原の森を中心とした間伐材を用いることで、森を活性化させる等の環境保全に取り組む「ラルース」さんより、大型積み木を購入し、子どもたちの日々の遊びに木育を取り入れている。また、日常的な遊びの中で、木登りや、枝や葉っぱなど自然物を使った制作活動(葉っぱのお面、木のツルを使ったリース等)も行っており、子どもたちが身近に「木」を感じられる環境となっている。
⑤「異文化学習、文化多様性及び文化遺産の理解・尊重」に沿った活動 ~季節の行事~
季節折々の日本の伝統行事を、日々の遊びの中に取り入れながら体験している。お正月に向けて行う餅つきは、正月文化が家庭文化から失われた今、保育園を通して伝統文化を継承していくことの役割も担っている。
来年度の活動計画
・日々の森のようちえんの活動
・海遠足にて環境や生物多様性について感じる活動
・季節や伝統文化を感じられる活動
・保護者も参加するイベントの実施