2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

気候変動, 環境, 文化多様性, 世界遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, 世界遺産・地域の文化財等

本校の建学の精神は「不言実行、あてになる人間」であり、ESDを通して未来を見据える見識と実行力を兼ね備えた人材を育成することを目標としている。一連の学びが次の進路へとつながるように、本校ではSDGsを各授業に位置づけており、総合的な探究を核にICTを活用した授業を展開している。また、コース、クラス、部活動単位でも多様な活動が行われている。より質の高い教育活動が可能となるような仕組み作りも進めており、ESD海外研修や地域連携プロジェクト、ESD大賞研究活動発表会などを実施している。

*2020年度は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、カンボジアESD海外研修やその他のさまざまな諸研究活動を中止及び延期とした。

(1)  ESD・SDGs探究プロジェクト
総合的な探究の時間では、普通科特進コースを中心にSDGs探究プロジェクトを実施している。本活動では、各自の「興味関心」、「将来研究したい学問分野」、「SDGs」の3つの観点を包括的に捉えながら、ソロプロジェクトとして探究テーマを設定する。テーマ設定に際しては、「教科やSDGsとの関係」、「社会的意義」、「フィールドワーク及びデータ分析の手法」、「仮定・推測される成果」から探究テーマを再構成することで、具体的で広がりのある探究テーマの設定が可能となる。iPadを利用しながら研究計画を作成し、フィールドワークやデータ分析を行いながら探究プロジェクトを進めるという流れとなっている。実際に設定されたテーマは、人文科学、社会科学、自然科学の多岐の領域に渡る。以下はテーマの一例である。

「建物の構造とマネジメントとのつながり」
「完全自動運転の実現に向けて」
「ハーブを使って生活に役立てる」
「街並みに合わせた自販機を観光資源として有効活用するには」
「世界遺産が地域に及ぼす影響と愛知県内での登録可能性」
「IoTデバイスを用いたデータ分析-売れなければ国際支援にはならない-」

各探究活動は本校で実施されている「ESD研究活動大賞発表会」及び「一高発表会」でプレゼンテーションやポスターレポートとして発表され、活動を共有する中で得られるフィードバックから探究の質をさらに充実させている。探究テーマが差別化されることにより独創性や創造性が高まっている。また、プレゼンテーションやレポート作成を通して表現力が年々向上してきている。

(2)「未来への語り部」との交流から日進市の問題に切り込む(ESD部)

本校ESD部は2015年より日進市環境課、一般社団法人環境創造研究センター、中部大学と連携しながら、愛知県日進市にてCOOL CHOICE(以下CC)プロジェクトを促進している。本活動で実施する高校生による小学生環境教育ワークショップは、家庭でのCO2削減へ向けた環境配慮型アクションを考える場となっている。ワークショップではゲームをベースとした自作の環境教育教材(ボード、カード、クイズなど)を用いることで、小学生が楽しみながら環境配慮型ライフスタイルを考えている。
2019年からは地域市民団体メンバーである「未来への語り部」との交流を通して、CCの多様な観点から地域の諸問題へのアプローチを試みている。

本活動を通して、小学生、高校生の双方向的な学びの場が実現している。事後の環境意識調査の結果分析により、教材の質は毎年向上している。「未来への語り部」との交流以降は「CC NEWS」動画の作成及び発信を実施しており、地域のCC認知度向上につながった。

来年度の活動計画

本年度に実施を予定していたESD国内研修の企画・運営を新たに進めていく。また、学校全体のESD活動評価スケールの整備に取り組み、時代に応じて活動を見直しながら学びの多様性へ対応できる環境作りを継続していく。