2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 減災・防災, 気候変動, エネルギー, 環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 福祉, 健康, 食育, 貧困, その他の関連分野

本校の建学の精神は「不言実行、あてになる人間」であり、ESDを通じて未来を見据える見識と実行力を兼ね備えた人材を育成することを目標としている。2022年度より「ESD推進部」を校務分掌に位置付け、建学の精神とユネスコスクールの3つの重点分野につながる活動コンセプトを「ICT×ESD×探究」と定めた。また、「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「学びに向かう力」の3観点を10の「ESD資質能力」として再編し、資質能力の涵養につながる多様な仕組み作りを進めている。以下は本校の主な活動である。

① ESD探究 / ESD大賞発表会 / ESD CREATIVE AWARD
2022年度入学生より総合的な探究の時間を見直した。探究テキスト、ワークシート、教員用指導案を本校の活動コンセプトにあわせて開発し、1年生普通科を中心にESD探究を進めている。1年次のテーマは「探究ソロプロジェクト」と「地域探究」である。両テーマにおいて、独自の探究テキストにテーマ設定用フレームワークを定めており、それをもとに各自の探究内容を決定している。テーマ設定が困難な場合は、夏季休業中の「探究アドバイザリーアワー」を利用することで、複数の専門教員から個別指導を受けることができる体制を整えた。
研究成果はESD大賞発表会などで共有され、そこで得られるフィードバックは探究の質をさらに向上させている。また、表現力コンテストである「ESD CREATIVE AWARD」を今年度より開催しており、探究につながる独創性や表現力向上の仕組み作りを進めている。

ESD大賞発表会 主な探究発表テーマ(2022年1月実施)
『地域デザインから創造する世界』
『日進市をエコシティに〜くるりんバスを化石燃料から次世代エネルギーへ』
『現代建築の技術を取り入れた合掌造りの可能性』
『アロマ環境デザイン-COOL CHOICEと持続可能なライフスタイル-』

② ESD国内研修in白馬村
ESDの発展的な学びの場として「ESD研修プログラム」を設けている。2021年度、2022年度国内研修では、長野県白馬村のSDGsに取り組む企業や村役場を訪問し、高校生が考える企画や提案を発表し議論している。また、各企業の取り組みも体験する。事前学習から現地研修、事後学習まで、プレゼンテーションとディスカッションを重視しながら進める探究型ワークショップは、地域の発展を多様な角度から考察する機会となっている。研修後に実施したESD資質能力調査では、10の観点それぞれの値で自己評価の高まりがうかがえた。

③ ESDコースプログラム履修
本校が定めるESDプログラムへと主体的に参加し、3年次までに行った研究活動レポートの提出、発表、及び口頭試問を通過した生徒を「ESDコースプログラム履修生」として認定し表彰する制度を2022年度より開始した。今年度は普通科3年生4名が審査会へ参加し、発表、レポート、口頭試問の結果「ESDコースプログラム第1期履修生」として認定された。

研究タイトル
『日本製品不買運動に見る日韓関係悪化の原因と今後の展望』
『「香り」による観光振興の可能性』
『国際支援のあり方 〜一貫コースへの提言〜』

④ 活動発信
ESD部の活動を含めた本校のユネスコスクールの活動全般の詳細については以下の専用ページから確認できる。
<CHUBU1 ESD&ASPnet> https://sites.google.com/chubu-ichi.ed.jp/cu1-esd/

来年度の活動計画

ESDの仕組み作りが進むにつれて、生徒の創造性や表現力のさらなる向上がうかがえる。ESDにおける教育開発が生徒個人の可能性や教育活動の新たな地平へとつながっているのは疑う余地がない。国際デーに関する取り組みについては探究などの授業ベースでの実施を模索しており、12月には世界人権デー(12/10)をテーマとした探究活動(全学年対象)を進めることで人権問題を考える機会とする。次年度は普通科2年次に新たに新設させるグローバル系を中心に国際交流を充実させる。4年ぶりに実施予定のESD海外研修inカンボジア(3月)をきっかけに世界への扉を開き、ボーダーレスな学びを加速させる。