2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 減災・防災, 気候変動, エネルギー, 環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 福祉

本校の建学の精神は「不言実行、あてになる人間」であり、ESDを通して未来を見据える見識と実行力を兼ね備えた人材を育成することを目標としている。SDGsを教育課程に位置づけており、総合的な探究の時間を中心に多様な探究活動を行っている。また、ESD研修や地域連携プロジェクト、ESD大賞研究活動発表会などを実施することで教育機会の充実を図っている。

(1)ESD探究とESD大賞研究活動発表会
総合的な探究の時間では、普通科特進・一貫コースを中心にSDGs探究プロジェクトを実施している。本活動では、生徒各自が「興味・関心」「将来研究したい学問」「SDGs」の3つの観点を包括的に捉えながら、ソロプロジェクトとして探究テーマを設定する。テーマ設定は、「教科やSDGsとの関係」「社会的意義」「フィールドワーク及びデータ分析の手法」「仮定・推測される成果」などの観点と個人の興味・関心を踏まえて構成し、iPadを利用し研究計画の作成やフィールドワーク及びデータ分析、プレゼンテーションを行いながらプロジェクトを進めている。ESD研究活動大賞発表会では研究活動発表を行い、活動を共有する中で得られるフィードバックは探究の質を向上させている。近年では、探究テーマが多様化し独創性や創造性の向上がうかがえる。さらに、iPadを利用したプレゼンテーションやポスター作成、発表での工夫を通して表現力が高まっている。また、一部の探究テーマはクラスや部活動などでの大きな活動につながっている。

ESD大賞研究活動発表会 発表テーマ(2021年1月実施)
「世界の水質環境について」
「SDGsと音楽―これからの音楽活動―」
「都市開発からの経済成長」
「『届けよう、服のチカラ』プロジェクト」 など

(2)ESD部
本校ESD部は2015年より日進市環境課と連携しながら、COOL CHOICEプロジェクトを促進してきた。本活動では高校生が小学生向け環境教育ワークショップを行い、CO2削減へ向けた環境配慮型アクションと持続可能なライフスタイルを考える双方向的な場となっている。2021年度は、「アロマ・エコ・グリーン」をテーマに自然豊かな日進市の自然に目を向け、香りの観点から植物の力を生活に取り入れるワークショップを考案しており、「香育」の視点を小学生ワークショップの計画に取り入れている。

(3)異文化理解へのアプローチ(フェアトレードと服のチカラプロジェクト)
本校特進コースでは長年にわたりフェアトレード活動に取り組んでおり、名古屋のフェアトレードショップと連携して商品の委託販売を行っている。商品を扱う中で文化や社会の多様性を学んでいる。また、商品の売り上げ向上のため、データ分析などを用いることで経営的な手法を考察している。
本校一貫コースでは、2018年度よりUNIQLOの「届けよう、服のチカラ」プロジェクトに参加している。4年目になる本活動では、UNIQLOの社員による出張授業を通して、身近にある企業の取り組みとSDGsなどのグローバルな社会問題との関連を考える機会となっている。

来年度の活動計画

ESD探究授業の見直し、フィールドワーク、ESD活動評価のモデルケース作成などの教育開発に関わる事柄や高大連携などの学外連携の発展に向けた取り組みの充実を図り、学びの多様性に対応できる環境整備を継続していく。特に、本年度に初めて実施予定のESD国内研修をもとに、次年度以降の国内研修の企画・運営を改善する。また、学内での探究活動のライブラリー化を試みる。