2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 気候変動, 環境, 文化多様性, 国際理解, ジェンダー平等

 

 

 

今年度実施した行事・企画
WWL事業に関連して
*「グローバル探究」について
昨年度より、国際教養科では、新しい科目「グローバル探究」を履修しており、本年度は2年目となる。SDGsをテーマとして世界の問題について理解を深めると同時に各自が設定したテーマに従って調べ学習を行っている。前期は「環境」後期は「人権・経済」をテーマとしている。

*グローバル探究授業内講演会について
国際教養科1・2年生「グローバル探究」の授業の中で、世界の様々な問題について、より理解を深め、探究学習に生かすため、年間数回、外部講師(大学の講師や一般企業の方)を招いて講演会を行っている。前期は「環境」後期は「人権・経済」をテーマとしている。司会は生徒が行い、最後20~30分は生徒の質問の時間として設定している。事前の下調べや質問の準備をしっかりと行うので、貴重な学びの機会となっている。

1年生  主に大学の先生やNPOの方に来て頂き、専門的な知識を学ぶことを目的とする。
1回目 日時:4月26日(火)13時10分~15時00分     場所:視聴覚室
テーマ: 環境問題① 「生物多様性と私たちの暮らし」
講師:内山 愉太(うちやま ゆた)
神戸大学大学院人間発達環境学研究科助教授
国連環境計画(UNEP)の若年層向けの地球環境概況(GEO-6)の主執筆者
2回目 日時:6月20日(月)13時10分~15時00分    場所:視聴覚室
テーマ: 環境問題② 「環境問題とコロナ禍を考える」
講師:湯本 貴和(ゆもと たかかず)
京都大学霊長類研究所教授(所長) 日本生態学会会長 京都市生物多様性検討部会長
3回目 日時:10月17日(月)13時10分~15時00分  場所:101・102教室 LL教室
テーマ: 経済・人権① LGBTQについて
講師:NPO法人ASTA様より4名の方が来校され、LGBTQについて学ぶ。
4回目 日時:3月6日(月)13時10分~15時00分      場所:視聴覚室
テーマ: 経済・人権② 持続型社会基盤構造物に向けたFRP構造ボルト接合部のための新手法に関する研究
講師:Dr.Nhut Viet PHAN (ベトナム) 豊橋技術科学大学 (サイエンス・ダイアログより)

2年生  主に一般企業の方など実社会で活躍されている方に来て頂き、社会の実情を知ることで、探究活動を実際の行動に繋げるヒントを得る機会とする。
1回目 日時:6月7日(火)14時10分~15時00分(業後座談会あり) 場所:LL教室
テーマ: 環境問題① sustainability, climate change, and Fridays for Future in Germany
講師:Katrin Funk(ふんく かとりん)
ドイツ・ベルリン出身。高校時代に初来日し、横浜で2週間のホームスティを経験。大学時代に再来日し、上智大学を卒業。現在は愛知県の自動車部品メーカーでSDGsや気候変動についての社員教育と情報発信を担当している。
2回目 日時:10月25日(火)14時10分~15時00分   場所:LL教室
テーマ: 人権・経済①
講師:野尻 敬午(のじり けいご)
日本ガイシ(株)ESG推進部長。フランス駐在、多くの海外出張や国際学会への参加などグローバルビジネス経験を積む。現在は、海外を含む日本ガイシ全グループのESG推進を担う。
3回目 日時:12月13日(火)14時10分~15時00分(業後座談会あり) 場所:LL教室
テーマ: 外務省高校講座 「外交という仕事」
講師:吉田昌弘(よしだ まさひろ)
ベトナム、英国にて在勤の経験があり、西欧諸国の担当課長を経て大臣官房在外公館課長。

*台湾の大園国際高級中学との交流
「グローバル探究Ⅰ」Basic 選択者60名が大園国際高級中学の生徒14名と授業内にオンライン交流を始めたところである。初回(11月)は自己紹介や互いの国について知りたいことを話し、12月にはSDGsに関するトピックを設定し、英語で意見交換を行った。

*SDGsウイークの取り組み
6月6日(月)~17日(金)と11月7日(月)~11日(金)の授業公開週間に合わせてSDGsウイークを設定した。1~3年の様々な教科において、SDGsにちなんだ内容が授業の中で取り上げられた。また、文化委員の1・2年生が中心となり、前期はSDGsのポスター作り、後期はクラスごとにSDGsを達成するための取り組みを決めて、画工生活の中で実践した。

*WWL校内発表会への参加
12月16日(金)に、校内において、国際教養科の生徒が「グローバル探究」での学びに関する発表を、フィールドワークに参加した生徒がフィールドワークを通して学んだことを、1・2年生全員と外部の運営指導委員の方に向けて発表した。国際教養科2年生の生徒4名は、「グローバル探究」や「MUN」の授業の特徴や、授業通して学んだことや、身についたと思う力について、パワーポイントを使いながら、自分たちの言葉で話すことができた。また、国際教養科1年生の生徒4名は探究学習でのプロジェクトの例として、プラスチックごみの問題を多面的に分析し、「森と海の資源の両立に向けて」どのような解決方法を探っていけばよいのかについて、説得力ある発表を行うことができた。2年生の発表は動画として12月下旬のイングリッシュフォーラムにおいても発信された。

*全国高校生フォーラムへの参加
12月18日(日)に、本校国際教養科の1年生4名が、オンラインによる2022年度全国高校生フォーラムに出場し、全国のWWL指定校やSGHの生徒と共にSDGsをテーマに英語で発表及び討論を行った。本校の生徒の発表のテーマは「食料生産業と地球資源保護の両立に臨む」で、「地球資源を消費する従来の食肉に対し、飼育のために新たな飼料や土地、水を必要とせず、輸送のためのCO2排出を抑えられるジビエの食肉料を推進しよう」と訴えた。討論会ではプラスチックごみをテーマに、日本においてどのような解決策があるかを、他校の生徒や英語を話す海外からの学生とも意見交換をした。13時から17時半まで4時間半に渡る長丁場であったが、参加した生徒たちは、チームワークもよく、フォーラムを楽しんでいたようである。

その他の行事・企画
*海外進学説明会(6月)参加者21名(生徒14名保護者7名)
海外留学や海外進学を希望する生徒に対して説明会を実施し、選択肢の一つとしての海外留学や海外進学を支
援した。日頃から生徒の海外進学や留学への関心は高く、説明会の実施以降も留学や海外進学の相談は多い。

海外進学説明会    国際理解講演会     トルマ高校との交流
*韓国のトルマ高校との交流(6月・11月)国際教養科2年生の韓国語選択者12名が、韓国にあるトルマ高
校の2年生とzoomを使ったオンライン交流を行っている。11月に行った交流では、韓国の生徒は韓国の文化
を日本語で紹介し、千種の生徒は韓国の生徒への質問を予め韓国語で準備するという形で行った。
*英語キャンプ(8月)今年度は26名の参加があり、岡崎にある青年の家で実施した。2泊3日の間、英語の
ネイティブスピーカーの講師とともに、英語で様々な活動をし、英語にとことん親しんだ。コロナ禍であったが、
体調不良者も出ることがなく、参加した生徒は大変充実した3日間を過ごしたようだ。
*国際理解講演会(11月)世界的な視点に立って活躍をされている方(大学教授、国際機関やNPOの職員など)による講演会を行う。テーマは国際協力、国際開発事業、多文化共生など。今年度はコロナ前のように、1・2年生全員と3年生の希望者を対象に体育館で行った。講師には名古屋大学国際開発研究科の古藪真紀子先生をお招きし、「アフガニスタンでの女性のエンパワーメントのためのプロジェクトから平和を考える」というテーマで、「なぜ国際協力をするのか」、「ジェンダーに関わる固定観念」、「アフガニスタンでの活動」という3点を中心に話をして頂いた。生徒と対話的に進められた楽しくわかりやすい講義であった。講義の後に先生を囲んでの座談会も行った。
*異文化講座(1月)10カ国(今年度は韓国、ウズベキスタン、ブラジル、ペルー、カナダ、中国、ドイツ、スリランカ、イタリア、南アフリカ)の文化紹介講座より、希望講座を生徒自らが選択し受講し、行う。対象は1年生全員で、4人1組、各クラス10組のグループを作る。日本との違いや伝統的な文化、特徴的な料理、言語、音楽など、その国の文化的な側面だけでなく、人としての生き方についてお話頂く講座もあり、大変大きな学びの機会となる。
*LL教室の洋書コーナーの活用 だれでも気軽に洋書に親しむことができるように、LL教室の入り口付近にミニ図書館を作り、洋書の貸出を行っている。(蔵書数約300冊)半期で洋書を10冊以上読む、リーディングマラソンも企画した。
*国際課通信「ChigUNESCO」の発行 国際理解教育を進めるための生徒・教員への啓蒙活動の一つとして発行をする。(今年度は年間6回)国際課で企画した行事の紹介や生徒の感想などを載せている。できるだけ生徒主体で紙面作りをするように心がけている。
*留学生の受け入れ英語圏に限らず、世界中から留学生を受け入れている。今年度はエストニア、スイス、パナマの3か国から3名の長期留学生を受け入れることができ、生徒の異文化交流に貢献している。

来年度の活動計画

今後の計画
本校が、1)自ら課題を見つけ、解決する力、2)主体的、批判的、多面的に考える力、3)多様性を大切にし、他者と協力する態度を持った、世界を舞台に活躍できる人材の育成を目指し、SDGs未来都市の高校としてユネスコスクールの理念を継承し、発展させることができるよう、今後も一層の努力を重ねていきたいと考える。