2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 減災・防災, 環境, 文化多様性, 国際理解, 平和, 人権, 福祉

本校の教育理念である「自立と共生」を具現化する活動としてESDを位置づけている。これまでのSSH、SGHの活動と連携を活用し、グローバルな発信力を高め、持続可能な社会の担い手である女性グローバルリーダーを育成することを目標としている。本校では大きく分類し、①「ESD( SDGs )研究」、②「グローバル環境科学」、③「グローバル探究」を実施した。総合的な学習の時間や各教科の指導において、持続可能な社会作りに関わる課題を見いだし、それらを解決するための協働型学習を発達段階に応じて行なった。また、一部海外での研修も再開し、海外の学生・生徒との議論や交流も進めることができた。

①「ESD( SDGs)研究」
中学校では身近な現象に注目し、課題に取り組む探究の基礎を作る。防災講話を通して減災への知識を身につけ、福祉体験を通じて共生社会の大切さを理解した。また、ESDの視点を意識した探究活動を行ない、学園祭などで成果を発表した。また、高等学校ではよりSDGsの視点をより意識した探究活動を行なった。夏休みのグローバルセミナー(国際教養)では、上智大学丸山英樹教授より講演をいただき、国際的な諸問題を身近なものとして捉えるようSDGsカードゲームを行なった。また、解決策を英語でも発信できるよう、外国人講師による「水・教育・貧困」についての授業を行なった。2月末には高校2年生が修学旅行で九州を訪問し、地熱エネルギー、復興、平和などの観点から研修を行なう予定である。

②「グローバル環境科学」
ヒト・動植物の生命活動や社会活動に大きな影響を与える地球環境について、科学的理解を深め、環境問題を考えるESDの活動として醸成させる。総合学習や理数クラスの特別授業にて生徒各自が研究に取り組み、研究成果報告会などで発表した。特に、JSEC2022(高校生・高専生科学技術チャレンジ)において、本校生徒が墨を用いて紅の緑色光沢を出す伝統的な手法を解析したことによりSONY賞を受賞した。また、12月には教育提携するタイ王国プリンセスチュラポーン科学高校ペッチャブリ校を訪問し、科学を通じた学校交流や研究発表を行なった。

③「グローバル探究」
大学との連携や海外連携校との交流・共同研究を通した協働型プロジェクトとして実施。ESD活動の発展的かつ実践的取り組みである。
・アジア研究
大学からの講師指導の下、比較研究を通して、日本が抱える国際的諸問題の解決策を提言する。アジア諸国の大学生との交流も行なった。
・海外校とのオンライン交流
オンライン(一部現地交流)にて、学校における公衆衛生やSDGs実践について議論した。
交流校:EL GALAA LANGUAGE SCOOL(エジプト) マレーシア国際大学付属校(マレーシア)
・SAGE JAPAN
SAGEとは、2002年にアメリカで創設された国際的な教育プログラムである。本校併設大学の学生の協力や企業のアドバイスの下、持続可能な社会作りに貢献する事業を考案し、3月に大会出場予定である。
・キャリア甲子園
新しい価値観を社会に提言する「キャリア甲子園」にエントリー。現在準決勝に進出している。
・Atrantic Pacific
イギリスに本部を持つAtlantic Pacificによるグローバルリーダーシッププログラムに参加した。岩手県釜石にて震災からの復興、海洋汚染の解決策などを議論した。
・グローバルヴィレッジ
日本国内に在住する留学生を学内に呼び、生徒との交流を行なった。「世界は一つの村」をコンセプトに言語や文化の違いを越えて様々な活動を行なった。

来年度の活動計画

本年度の実施内容を継続して取り組むが、海外渡航や校外学習などの制限が緩和されることにより、対面型の交流がさらに進められると期待している。高校の新カリキュラムにて生徒達は研究・探究の手法を1年間継続して学んだ。今後生徒の主体的・協働的な活動をさらに促進し、自立的に深い学びを進めることができる力を養成したい。また、教育提携する国内インターナショナルスクールとのコラボプロジェクトをさらに進めたい。現在、伝統的な藍(Indigo)を通じたアートと街作りのプロジェクトを藤沢市・本校・アオバインターナショナルスクールで計画している。探究の成果は、学内にとどめず、学校外でも多く発信し、社会のESD理解推進に貢献したい。